「うつぶせ寝は厳禁」 ーー これは、保育に携わる者には常識です。では、なぜうつぶせ寝はいけないのでしょうか。
乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)を知っていますか?
SIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが、事故や窒息ではなく眠っている間に突然死亡してしまう病気です。
SIDSのはっきりとした原因は分かっていません。
しかし、うつぶせ寝の方があお向け寝よりも、SIDSの発症確率が高いと言われています。
実際、研究によるとSIDS児の異常発見時の体位は、うつぶせが47.7% あおむけ39.0%という結果が出ています。
参考:「赤ちゃんのうつぶせ寝は厳禁 SIDS:乳幼児突然死症候群の原因と予防」(日本病児保育協会ウェブサイト)
厚労省のガイドラインには「うつぶせ寝が SIDS を引き起こすものではありませんが、医学上の理由でうつぶせ寝をすすめられている場合以外は、赤ちゃんの顔が見えるあおむけに寝かせるようにしましょう」と記載されています。
参考:乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(厚生労働省ウェブサイト)
このガイドラインに則り、ほとんどの保育施設では、「うつぶせ寝をさせない」ことが指導されており、また、子どもの睡眠中は、呼吸を確認するためにSIDSチェックを行っています。
フローレンスの保育現場では以下のSIDSチェック表を用いています。
睡眠中5分ごとに子どもの鼻の下に指を当てて呼吸をしているか確認し、呼吸していれば「分」の時刻に○をつけていきます。
中にはうつぶせ寝を好むお子さんもいますが、SIDS防止の観点から、「うつぶせ寝をさせない」が共通認識になっています。
今一度、保育現場では「うつぶせ寝をさせない」を徹底すること、また、万が一子どもに異変が起きた場合、すぐに適切な処置が行えるよう、救急救命の技術を身に付けることが必要です。
今回のような事故が起こらないよう、保育業界全体で再発防止策を徹底していくことが、我々の責務です。
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