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【出版記念イベント】障害者雇用の「困った」を解決! 多様性を活かす職場づくりとは?前編

【出版記念イベント】障害者雇用の「困った」を解決! 多様性を活かす職場づくりとは?前編

#障害者雇用 #働き方改革

2024年12月12日にフローレンスの障害者雇用の試行錯誤をまとめた書籍『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』の出版報告会を開催しました。
書籍刊行プレスリリースはこちら。

報告会には、これまで関わりのあった特別支援学校、支援センター、出版関係の皆さん、障害者雇用に興味をお持ちの企業ご担当者様などをご招待しました。

オペレーションズメンバーが皆さんをおもてなし

当日は、会場の準備や、招待客の受付・会場案内・ウェルカムドリンクの提供などを障害者雇用チームのオペレーションズメンバーが担当。

受付開始前に、接客のリハーサルをしたかいもあり、「コートはこちらでお預かりします」「大きなお荷物はこちらにどうぞ」など、積極的にご案内することができました。

ウェルカムドリンクの提供は、フローレンス 障害者雇用チームnote「お客様や社員をおもてなしする「お茶出し」「見学ツアー」がしたい」でも紹介している通り、メンバーに人気の仕事です。報告会でも笑顔でおもてなししました。

当日は、会場の準備や、招待客の受付・会場案内・ウェルカムドリンクの提供などを障害者雇用チームのオペレーションズメンバーが担当しました。
オペレーションズメンバーによる受付の様子
受付開始前に、接客のリハーサルをしたかいもあり、「コートはこちらでお預かりします」「大きなお荷物はこちらにどうぞ」など、積極的にご案内することができました。
オペレーションズメンバーによる接客・お荷物お預かりの様子
ウェルカムドリンクの提供は「お客様や社員をおもてなしする「お茶出し」「見学ツアー」がしたい」でも紹介している通り、メンバーに人気の仕事です。報告会でも笑顔でおもてなしをしていました。
お揃いのエプロンとバンダナでウェルカムドリンクを提供

著者2名によるトークセッション

著者の石橋 恵(左)/和田 直美(右)
著者の石橋 恵(左)/和田 直美(右) ※進行:渡辺恭子

著者プロフィール

著者プロフィール

■石橋 恵(いしばし めぐみ)[第1章、第3章、第5章執筆担当・写真左]
子育て期間を経て2011年にNPO法人フローレンス(現・認定NPO法人フローレンス)に入職。2018年1月より障害者雇用チームの立ち上げと運営に従事。企業在籍型職場適応援助者、キャリアコンサルタント、メンタルヘルスカウンセラー。

■和田 直美(わだ なおみ)[第2章、第4章執筆担当・写真右]
IT系の一般企業で15年間マーケティングを担当後、2022年11月に認定NPO法人フローレンスに入職し障害者雇用に関わる。企業在籍型職場適応援助者。


watanabe

進行:渡辺

採用した障害のあるスタッフに『どのような業務をどうやってもらうのか』のノウハウ本がなかった、と書籍の「はじめに」で書かれていましたが、今回書籍を出そう!と思ったのもそのあたりがきっかけですか?

wada

和田

はい。約2年前に障害者雇用のサポート担当として入職したのですが、障害者雇用に関する情報は障害特性や採用方法の解説が中心で「雇用したスタッフに『どのような仕事を、どのようにしてもらうのか』具体的なネット情報も書籍もない」という現状でした。

「じゃあ、自分たちでnoteで発信しましょう。本を出しましょう」と、石橋さんを説得しました。

ishibashi

石橋

そうですね。最初は「本を出すなんて、だいそれたことできるのかな」と感じていました。

手前味噌ですが、フローレンスは優秀なスタッフが多いんですね。事業の裏では、そのスタッフの活躍がありますが、世の中に発信する時は団体の名前で出る。でも、和田から「素晴らしい働きをしている人たちが、自分の名前で自分のキャリアに残る形で発信していくことを、もっとやったほうがいい」と言われて、だんだん「出せたら面白いかもしれない」と感じるようになりました。

wada

和田

もう1つ理由があって、わたしは何度も転職をしてきたのですが、「障害があっても、自分の得意を活かして、転職してキャリアアップしてほしい」と思ったからです。

ただ、障害があると能力があっても、職場環境や人間関係がマッチしないと転職は難しい。本を出すことで、フローレンスの障害者雇用ノウハウを1社でも多くの企業に広めて、障害があっても働きやすい会社を増やしたい、どこに転職しても働きやすくすることで、もっと障害者が前向きに転職しやすい世の中にしたいという想いがありました。

watanabe

進行:渡辺

本に「障害者雇用を通して全スタッフの可能性を最大化する」ことを障害者雇用におけるビジョンと定めたとありますが、障害者だけでなく、「全スタッフ」というのはどういうことだったのでしょうか?

ishibashi

石橋

まず、フローレンスの文化である「多様性」が醸成されると考えましたし、「未来のヘレンっ子・アニーっ子(フローレンスは、障害児保育園ヘレン、障害児訪問保育アニーを運営しています)」が働くことがあたりまえだと考えることのできる社会を作るために、フローレンスの中で小さな社会を実現したいという思いがありました。そのために「新しいあたりまえ」がある障害者雇用をやりたいと考えたんです。

一見、複雑に見える業務でも分解して単純化を図って理解しやすいマニュアルを作成すれば、多くの業務を障害のあるスタッフに任せることができますし、障害のあるスタッフために整理したものは全職員にとっての働きやすさにつながっていきます。

watanabe

進行:渡辺

フローレンスの特徴と言えるものはなんですか?

ishibashi

石橋

実は、フローレンスの事務局で働く人たちには、新しいことを考えたり創りあげたりといったことは得意でもコツコツと日々のルーティン業務をこなすことは苦手な人が多いんです。一方で、フローレンスで働く障害のあるスタッフたちは決まったやり方で正確に業務を行うことが得意なので、ルーティン業務は整理を進めて極力彼らに任せてしまう。すると、事業部では新規事業開発や社会課題解決をすすめるための時間が増えることになります。

実際に、事業部での毎月の支払い手続き業務を障害者雇用チームで担うようになってから、各事業部で時間が生まれただけでなく申請の遅れやミスが減って経理チームでの確認業務軽減にもつながった、ということがありました。

著者・出版関係者によるトークセッション

左から、著者の石橋 恵/秀和システム 担当編集者/企画のたまご屋さん 出版プロデューサーの小島和子様/著者の和田 直美

次に著者・出版関係者トークセッションでは、編集者と出版プロデューサーの立場から書籍化に至った背景をお話いただきました。

watanabe

進行:渡辺

今回の書籍は「企画のたまご屋さん」のご支援を受けて出版に至りました。多くの企画書が届くと思いますが、その中でこの企画書を選んだ理由を教えてください。

※NPO法人企画のたまご屋さんが運営する〈ほんたま〉とは…

無名でも力のある著者候補と日本中の出版社をつなぐマッチングサービスです。毎朝、本の企画を出版社の1400人以上の編集者に届けており、本を出したい人と出版社の出会いの場を提供しています。詳細はこちら

kojima

出版プロデューサー 小島和子様

ほんたまは、送られてきた企画をプロデューサーが読んで『担当したい!』と思ったら、手を挙げる仕組みなのですが、この企画は私以外にも2、3人が手を挙げたよい企画でした。

障害者雇用は世の中に求められてきている分野で、今後も障害者雇用を進める企業が増えると予想されます。ただ、実際には職場環境の整備や社員の理解促進など、さまざまな課題があり、悩む経営者や人事担当者も多くいます。しかも情報が世の中に出ていない。

フローレンスさんでは、既にnoteで情報を発信していましたし、障害者雇用チームを運営する中で経験した成功や失敗の事例をお持ちなので、世の中の人が求めている本を出せると思いました。

本を出したいと思う人の中には、「自分のために」「自己満足のために出したい」という人も多い中で、今回のフローレンスさんの企画は、「自分たちのノウハウをみんなで共有して、障害者がどんな会社でも働きやすくなってほしい」という思いがこめられていました。「みんなのために」というその思いに共感しました。

watanabe

進行:渡辺

株式会社秀和システムのご担当者にお伺いします。
ほんたまの小島さんに企画書の修正アドバイスをもらい、無事に編集者の皆さんに企画書を配信いただき、2社から出版オファーがありました。出版オファーいただいた理由を教えてください。

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秀和システム編集者

秀和システムでは、多くの実用書、ノウハウ本を出しています。障害者雇用は、ドカン!と売れる分野ではないけれど、長く必要とされる本になるなと感じましたし、社内の出版会議に出した時も『こういう本は必要になるよね』という意見で一致しました。

次回、さらに深掘り!障害者雇用スタッフの声と教育現場の視点に迫る
今回の出版記念イベントを通じて、障害者雇用の現場で培われた知見や工夫や書籍化に至るまでの想いをご紹介しました。

後編では、フローレンスで活躍する障害者雇用スタッフへのインタビューを通じて、現場での日々の取り組みや、やりがい、これからチャレンジしたいことを聞いていきます。また、特別支援学校の先生からのコメントも。

多様性を活かした職場づくりのヒントがさらに広がる後編も、ぜひお楽しみに!
1月27日(月)公開予定です。

「JAPAN HR DX AWARDS 2024」のファイナリストに選出

フローレンスの障害者雇用チームは、一般社団法人日本デジタルトランスフォーメーション推進協会が開催する「JAPAN HR DX AWARDS FINAL」のファイナリストに選出されました。「障害者雇用の課題を解決するDX」のテーマで事例発表を行います。観覧もできますので、ぜひ、お申し込みください。

フローレンスの書籍、発売中

わたしたちの7年半にわたる障害者雇用の試行錯誤をまとめた書籍『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』はAmazon、全国の書店で発売中です。

障害者採用の基礎知識から、支援体制の整え方、業務の切り出し方、採用した障害のあるスタッフに「どのような業務を、どのようにやってもらうのか」のノウハウ、お仕事ハックを、実際の事例をもとに紹介。これから障害者雇用を始めたい企業や、既に取り組んでいる方に向けた実践的な1冊です。

『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』


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