認定NPO法人フローレンス(以下、フローレンス)は、2023年に発表した新ビジョン 「今を生きるわたしたちと まだ見ぬこどもたちが 希望と手をつないで歩める社会。さあ、心躍る未来へ。」の実現に向け、設立22年目となる本年、役員体制を刷新いたしました。
このたび、これまでディレクターとしてフローレンスの多くの事業や組織運営を担ってきた杉山 富美子と黒木 健太が副代表理事に就任し、代表理事赤坂 緑のもと、「チーム経営」体制へと大きく舵を切ります。
また、創業者であり、これまでフローレンスをけん引してきた駒崎 弘樹は、2025年12月末をもってフローレンスグループ会長を退任いたします。
新役員体制について
2025年8月現在の新たな役員体制は以下の通りです。
- 代表理事:赤坂緑(再任)
- 副代表理事:杉山富美子(再任)、黒木健太(新任)
- 理事:岡本佳美(株式会社アム代表・再任)、荻原国啓(株式会社ゼロトゥワン代表・再任)、奥野慎太郎(ベイン&カンパニー アジア太平洋地域代表・新任)
- 監事:生田秀(弁護士法人ナビアス 代表弁護士・再任)
これまでの歩みと、これから
フローレンスは、「子育てと仕事、そして自己実現のすべてに、誰もが挑戦できるしなやかで躍動的な社会」を目指して、設立されました。2004年の創業当時、訪問型・共済型の病児保育事業を始めるにあたって、創業者の駒崎弘樹は、病児保育の利用会員との関係づくりに心をくだきました。保育サービスの提供者と利用者という二元的な関係ではなく、ともに、「ありたい社会をつくる仲間」になってほしいという願いを込めて、利用会員を「クルー(乗組員)」と呼んだのです。
このたび、20年の時を経てフローレンスの経営を引き継ぐメンバーは、もともと病児保育の利用会員であり、寄付者であった「仲間たち」でした。利用会員として、寄付者として、フローレンスと接点を持った結果、それぞれに「フローレンスの中の人」として飛び込む決意をし、自ら、事業をつくる担い手となったメンバーです。図らずも、創業期に描かれた願いが一つの形になり、バトンを受け継ぐことができました。
わたしたちは改めて、まだ誰も取り組んでいない社会課題にも向き合い、こどもたちの未来を切り拓く「開拓団」でありたいと決意します。
目の前の現実が、変化の激しい”カオス”であっても、わたしたちは「大人もこどもも希望と手をつないで歩める社会」の実現に向け、「変化上等、わくわく変わろう」を合言葉に全力で挑戦し、突き進んでいきます。
「事業をつくり、しくみを変え、文化を生み出す。」創業時から続く3つのアプローチで、これからも「新しいあたりまえ」を作り続けます。
今回の役員体制の刷新をきっかけに、「チーム経営」に大きく舵を切るとともに、これまで以上にフローレンスの全スタッフ、ご支援・ご協力くださるたくさんの「仲間たち」とともに「チームフローレンス」でチャレンジし続けます。 引き続き、ご支援・ご協力をよろしくお願い申し上げます。
わたしたちフローレンスが大切にしている団体の「カルチャー」(ありかた)
代表理事

赤坂 緑
メッセージ:
病児保育の利用会員としてフローレンスに出会ったのは13年前。当時掲げていたビジョン「子育てと仕事、そして自己実現のすべてに誰もが挑戦できるしなやかで躍動的な社会」をわたしも一緒に創りたい!!という想いでこの組織に飛び込みました。以来、多くの仲間たちとともに、こどもや親子に関わる社会課題の解決に関わってこられたことを本当に幸せだと感じています。
次の世代に「心躍る未来」を手渡していくために、「いろいろあるさ、それでもごきげんでいこう」を常に心に留めて進んでいきます。
プロフィール:
慶應義塾大学経済学部卒業。事業会社にてマーケティング・育成等を経験後、2014年フローレンスに入職し、病児保育事業・保育園事業の責任者として、保育スタッフの人材育成・研修などを担当。
2018年にディレクター、2022年に代表理事に就任。現在は、全社の人材・組織開発、主に保育事業を中心とした事業運営や政策提言全般に携わる。親の就労状況に関わらずすべてのこどもが保育所を利用できるようになる「みんなの保育園構想」を推進し、「こども誰でも通園制度」政策提言にも力を入れる。学生・女性向けのキャリア関連研修の講師経験多数。国家資格キャリアコンサルタント、保育士。2児の母。
特定非営利活動法人 全国小規模保育協議会 理事
こども家庭庁「こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討会」構成員
こども家庭庁「子ども・子育て支援等分科会」委員
副代表理事

杉山 富美子
メッセージ:
フローレンスとの出会いは、わたし自身が「仕事と子育ての両立」に奮闘する当事者だった頃。病児保育の取り組みを「応援したい!」と寄付会員になりました。そこからフローレンスに飛び込んで、あっという間に10年が経ちます。
創業からの団体の魂である「変革者たれ」を胸に、「変化上等、わくわく変わろう」の姿勢でフローレンスの仲間たちとともに「こどもは社会で育てる」の実現に向けて挑戦していきます。
プロフィール:
慶應義塾大学環境情報学部卒業。前職では消費財メーカーでマーケティング業務に従事。2015年にフローレンスに入職し、病児保育事業の利用会員の窓口対応を担当。2019年にディレクターに就任し、病児保育サービス開発に従事。その後、障害児保育園ヘレン・障害児訪問保育アニーの責任者として事業を推進し、のべ370人以上(当時)の医療的ケア児に保育を届ける。現在は、病児保育事業、相談支援事業、事業部制の根幹となる管理会計やガバナンスなど組織基盤の強化の推進役。入職後、当時の新入社員にけしかけられ一念発起して保育士資格を取得、2児の母。

黒木 健太
メッセージ:
親だけで子育てなんて「無理ゲー」といつも思っています。2児の父として、保育園やフローレンスの病児保育を利用しながらなんとかやっているうちに、自分自身もより多くの人に『保育』を届ける担い手となり孤育てをなくしたい、と思い今にいたります。
こどもたちが公園で遊んでいる時、周りで遊んでいる子に障害があってもなくても「一緒に遊ぼう」と声をかけるのがあたりまえの社会。そんな社会を目指して、「試行錯誤を全速力で」行っていきます。
プロフィール:
上智大学文学部卒業。ヘルスケア企業で営業・マーケティングを経て、2018年にフローレンスに入職し、「医療的ケアシッター ナンシー」を立ち上げる。並行して全国医療的ケア児者支援協議会の事務局として、「永田町子ども未来会議」等で医療的ケア児支援に関連した政策提言活動を行い、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」成立を後押し。その後仙台支社で専業主婦や障害児も保育園を利用できるように事業運営に取り組み、仙台の現場から全国に向けた政策提言に取り組む。2023年にディレクターに就任し、現在は障害児保育事業、ファンドレイジング・広報部門を担当。2児の父。
一般社団法人 全国医療的ケア児者支援協議会 理事
フローレンス創業者・駒崎弘樹からのご挨拶
お世話になった皆さまへ
このたび、わたしはフローレンスグループの会長を退任することとなりました。
2004年、たった一人の想いからはじまったこの団体は、20年という歳月をかけて、多くの仲間とともに、「こどもと家族、そして未来世代に希望を」という理念を追い求めてきました。病児保育、ひとり親支援、小規模保育、赤ちゃん縁組、障害児保育、こども宅食など、前例のない挑戦を続けてこられたのは、ひとえに、支えてくださった皆さまのお力のおかげです。
心から、心からありがとうございました。
わたしはこれから、フローレンスを離れ、「AIで孤立を無くす」という次なる挑戦へと歩みを進めますが、フローレンスが掲げている志は、これからも変わらずわたしの中に息づいています。
今後は一支援者として、そしてAIスタートアップ起業家として、別のアプローチによって社会をより良くする活動に取り組んでまいります。
バトンは、これまでともに歩んできた頼もしい仲間たちがしっかりと受け継いでくれます。フローレンスは、さらに強く、さらにしなやかに、未来へと歩んでいくことと思います。
これまでのご厚情に心から感謝申し上げるとともに、今後ともフローレンスへのご支援、ご声援をどうぞよろしくお願いいたします。
駒崎 弘樹

