Florence News

2025年8月にイオンシネマ名取にて第3回「医ケア児おやこ映画会」を開催しました。 医療的ケア児のご家族が安心して映画を楽しめるようにと企画したもので、参加者のほとんどが初めての参加で、中には映画館デビューを果たしたお子さんの姿もありました。

みんなの初めてが詰まった特別な一日!第3回医ケア児おやこ映画会を開催しました

地域で支える、地域でつくる夏の思い出

2025年8月、イオンシネマ名取(宮城県名取市)にて「第3回医ケア児おやこ映画会」を開催しました。当日は医療的ケア児や障害児とそのご家族8組と地元ボランティア8名が集い、映画『星つなぎのエリオ』を鑑賞。たくさんの「初めて」と笑顔が生まれた、特別な夏の思い出となりました。

地域で育む「支え合いの輪」

今回の開催テーマは、「支え合いの輪を地域で!」。
3回目となる今年は、学生ボランティアに加え、地域の保育園や障害児支援をしている事業所の皆さんと協力して行いました。
ボランティアの皆さんには、参加者を駐車場から受付へ誘導したり、移動時のサポートや記念撮影のお手伝いをしたりなど、幅広く活躍してもらいました。

学生ボランティアに加え、地域の保育園や障害児支援をしている事業所の皆さんと協力して開催しました。初めての方も、初回から参加してるボランティアもいます。

「将来は医療職に就きたい!」と話す大学生ボランティアは「ずっと何かしらのボランティアをやってみたいと思っていた。将来を見据え、医ケア児と関わることは良い経験になると思った。」と、こどもたちとのふれあいを楽しみにしていました。

高校生の頃から毎年参加してくれているボランティアは「前回も楽しかったので、もう一度やりたいと思った。」と話してくれ「前回もこどもがボランティアに参加し、とても良かったと言っていたのでわたしも来てみました」と、親御さんも一緒に参加されました。

りありのきっず・仙台ナンシー・おうち保育園木町どおり・おうち保育園かしわぎ、4施設から看護師が応援に来ました
りありのきっず・仙台ナンシー・おうち保育園木町どおり・おうち保育園かしわぎ、4施設から看護師が集結!

当日は、仙台で医療的ケア児の支援をしている看護師と、これから医ケア児をどんどん受け入れたい保育園のナースも参加者のサポートにあたりました。

「保育園で医療的ケアが必要なお子さんや障害のあるお子さんを預かってきた(「おうち保育園」の活動についてはこちら)からこそ、この映画会でもこどもたちをサポートしたい」というスタッフの力強い声に、改めて地域全体でこどもたちを支えるコミュニティの力を感じました。

緊張気味のお子さんに「楽しみだね」と優しく声がけします。

家族みんなで映画を楽しむ、特別な体験を

きょうだいも一緒に家族みんなで映画館で過ごす様子。

フローレンス仙台支社は、仙台市内で保育園を運営するほか、医療的ケアや障害のあるお子さんへの訪問支援も行っています。日々の活動の中で、多くのご家族から「家族みんなで一緒に楽しめる機会が少ない」という切実な声が多く聞かれました。

胃ろうやたんの吸引、酸素療法など、日常的に医療的ケアが必要なお子さんとの外出は、ご家族にとって負担が重く、大きなハードルとなっています。さらに「医療機器のアラーム音が響いてしまうかもしれない」「途中で吸引が必要になるかもしれない」「泣いたり声を出したりしてしまうかもしれない」といった不安から、映画館に足を運ぶことをためらう声も多く寄せられています。

そんな不安を払拭する方法の一つが”貸し切り開催”です。

貸し切りで開催した映画会では、周囲に気兼ねなく楽しめる環境を徹底しました。医療機器の音が鳴っても、こどもが声を出しても大丈夫。初めて映画を見るお子さんも怖がることなく楽しめるよう、また、日頃行っているケアもしやすいように一定の明るさを保ち、普段から使用しているバギーのままでも鑑賞できます。入退場も自由なので、各ご家庭の過ごしやすいペースで映画を楽しんでもらいました。楽しみつつも、急な体調変化にも対応できる空間です。

「映画鑑賞のハードルがグンと下がった」というご家族の声が、この取り組みの意義を物語っています。家族みんなが安心して鑑賞している光景は、医ケア児おやこ映画会だからこそ見られる特別なものでした。

家族みんな同じポースで映画を楽しむ様子。

家族みんなで「楽しい!」を共有できる場所

医療的ケアが必要なお子さんと「楽しかったね」と語り合うご家族の様子。

参加家庭のほとんどが『医ケア児おやこ映画会』に初参加!中には映画館へのお出かけ自体が初めてというご家族もいらっしゃいました。

今回、初めて映画館に行く機会を与えていただいてありがとうございました。
最近は体力もついてきて、体調を崩すことが少なくなってきたので、 色々な経験をさせたいなぁと思っていたところに案内を見て、 これだ!と思い申し込みさせていただきました。
本人は初めての環境にビックリし、映画の内容に怖くなってしまったようでグズり、 途中寝てしまいましたが、後半には起きて楽しんでいました。
今回のようなイベントがなければ映画館に行く経験はさせられませんでした。
参加させていただいて本当にありがとうございました。

きょうだいと一緒に遊びに来てくれたご家庭からは「弟のそばで見たい!」とお兄ちゃんからの希望もあり、椅子を運んで、弟の乗るバギーの真後ろに設置。弟に触れながら、時々顔を見合わせながら、楽しく鑑賞していました。
”家族みんなで映画を楽しんでもらう”が実現できた映画会でした。

きょうだいでいっしょに映画を楽しんでいます。弟に触れながら、時々顔を見合わせながら、楽しく鑑賞していました。

貸切で兄弟も一緒に見れて同じ体験を共有できて良かった。 次男は寝てしまうんじゃないかと思っていましたが、大画面で見やすかったのか、 最後まで起きて見て声を出して笑う姿が見れたことが、私はとても嬉しかったです。 長男も、弟と隣で観れたのがとっても嬉しかった!と言っていました。

一緒に活動してくれたボランティアスタッフからも「家族全員で初めて映画を見に来ることができた、とおっしゃっていたご家族の本当に嬉しそうな表情が忘れられません」という声が聞かれました。
参加されたボランティアの方からはこんな意見も。

映画をみる機会はあっても、映画館に出入りすることの難しさ、を考えると このような企画があることで、保護者の方も安心して連れて来れると感じました。

ご家族が「初めて映画館にこの子と一緒にこられた」「家族で久しぶりに映画館にこられた」と、映画鑑賞後も笑顔で帰っていく姿をみてこのような取り組みをぜひ自分たちでも行いたいと思いました。
アラーム音やケア時の音など、周りを気にしなくても良い環境がしっかりつくられておりスタッフの皆さんの気遣いも素晴らしく、ご家族も安心出来たのではないかと思いました。

劇場内でのケアの様子。上映中でも胃ろうやたんの吸引、酸素療法などを行えるのは医ケア児おやこ映画会ならでは。

あなたにもこの輪に”まざらいん”

第3回医ケア児おやこ映画会、無事に終了しました!集合写真のスタッフもニコニコです。

「まざらいん」とは、「いっしょにやりましょう」という意味の仙台弁です。この「まざらいんキャンペーン」を通じて、フローレンスは医療的ケア児のご家庭が抱えるさまざまな課題を解消し、誰もが当たり前に社会参加できる未来を目指しています。

過去に参加したご家庭からは「この映画会をきっかけに自分たちでも映画館にいってみました!」というお声がありました。

「医ケア児おやこ映画会」は最初のハードルを小さくする取り組みの一つです。
あたりまえに映画館へ行く、気軽に動物園や水族館に行く、お友達といっしょにスポーツ観戦に行く……何気なく見聞きする「日常」を送るのにハードルの高さを感じているご家庭が少なくありません。

フローレンスは「まざらいんキャンペーン」を通じて、たくさんのお子さんやご家庭を応援し、その輪を全国へ広げていきたいと考えています。
「まざらいんキャンペーン」についてはこちら

こうした活動を全国に広げ、続けていくためには、皆さんからのご支援が欠かせません。応援の方法は、毎月の寄付で継続的に支えていただく「マンスリーサポーター」と、1回ごとのご寄付の2種類があります。いただいたご寄付は確定申告で寄付金控除の対象となります。ぜひ、わたしたちの活動を応援してください。

毎月の寄付でフローレンスを応援する

第1回目の開催から継続して会場をご提供くださったイオンシネマ名取をはじめ、当日ご参加いただいた学生ボランティアの皆さん、映画会の告知にご協力いただいた地域の皆さんに、改めて感謝いたします。



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