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「医療的ケア児の4月の入学準備にむけて、最初の一歩は?」~悩みを一緒に考え、寄り添い、地域の支援へつなげる取り組み

「医療的ケア児の4月の入学準備にむけて、最初の一歩は?」~悩みを一緒に考え、寄り添い、地域の支援へつなげる取り組み

4月に迎える小学校入学。年明け頃から就学説明会が始まったり、通学帽やランドセルの準備が進んだりして、わくわくした気持ちをお持ちのお子さんや親御さんは多いのではないでしょうか。

満開の桜の画像

このような大きなイベントを控える中で、医療的ケアがあったり、難病を抱えていたり、肢体不自由の障害があったりするなど、さまざまな事情を抱えたお子さんを養育されている親御さんは、ときに大きな負担がかかることもあります。

一般的な入学準備に加え、お子さんが学校に通うために何をどこに相談したら良いのか、自治体にはどのような支援があるのか、膨大な情報から探していかなければいけないためです。

10年の障害児保育事業で聞こえてきた「どこに相談すればいいか」という悩み

医療的ケア児とは、NICU(新生児集中治療室)等に長期入院した後、退院後も人工呼吸器、胃ろう、たんの吸引、経管栄養など、日常生活で恒常的に医療的ケアが必要な18歳未満の児童のことです。新生児医療の進歩により救える命が増えた一方で、在宅での日常的な医療的ケアが不可欠なこどもが増加しており、全国で約2万人いると推計されています。

2021年に医療的ケア児支援法が施行されたことで、医療的ケア児に対して徐々に支援の体制ができつつあります。

一方、医療的ケア児と一言で言っても、その子が必要とするケアの内容は千差万別

例えばたんの吸引の必要があるといっても、自分で歩ける子もいれば、肢体不自由があり車椅子での登校が必要な子、発語も難しい子など、さまざまです。また、支援に関しても、自治体によって利用できる制度やルールは多岐にわたります。

「自分が住んでいる自治体にはどのような支援があるのか」「自分のこどもはどの支援が使えるのか」、お子さんやご家庭の状況に合わせて、一つ一つ確認していかなければなりません。また個別性が高いため気軽に相談できる人や共感が得られる人も限られており、孤独を感じることも少なくありません。

フローレンスは2014年、医療的ケア児を含む障害児保育事業をスタートしました。現在は、施設でお子さんをお預かりするだけでなく、保育者や看護師がご家庭に伺って支援を届ける「訪問型」のサービスも展開しています。医療的ケアがあるお子さんや、肢体不自由があるお子さん、難病をお持ちのお子さん、重度心身障害のあるお子さんなどをお預かりする中で、利用者の方々からは「どこに相談したら良いのかわからない」「自分たちが使える支援があるかすらわからない」といった声が寄せられていました。

日常の悩みをつぶやけるLINEで家庭の孤立を防ぐ

日々の生活や医療的ケアに追われる中で、利用可能な制度や適切な相談先を自ら探すことは、ご家族にとって非常に大きな負担となります。 特に医療的ケア児のご家庭は、医療、障害福祉、保育、教育といった多岐にわたる領域で課題を抱えることも多く、「どこに相談すればよいのか分からない」と孤独感を深めてしまうケースも少なくありません。

こうした障害児・医療的ケア児家庭の不安や葛藤に寄り添うため、LINEを通じて専門の相談員と気軽につながることができるサービス「医ケア児おやこよりそいチャット」を、仙台にて2023年より開始いたしました。

よりそいチャットでのやりとりの一例

わたしたちが「医ケア児おやこよりそいチャット」で提供している支援は大きく分けて2つあります。

1つ目は、複雑な制度をわかりやすくする「情報的支援」です。

例えば障害福祉の制度は複雑で、手続きも煩雑なこともあります。そこでわたしたちは地域に合わせた情報をプッシュ方式でお伝えしたり、利用者さんからの疑問点を解消するサポートをするなど、双方向のやり取りを通じて手続きへの不安を解消しています。

2つ目は、感じた孤独を独りにしないための「心理的支援」です。

「医療的ケア児を育てる中で、やり場のない想いを吐き出せる先がない」「社会から孤立しているように感じる」という声を多くいただきます。わたしたちは、親御さんが時間と場所を選ばず今の気持ちをこぼせる場所をつくり、傾聴することで一人で悩みを抱え込まずに済む環境を提供します。

実際に利用された方の声を一部ご紹介します。

【利用者の声】

こどもに対する支援は増えてきましたが、支援の内容を調べたり、申請したり、忙しい中自分自身のメンタルを保ったりするための支援はなかなかありません。

外出することも困難で、気軽に話をすることも難しい中、相談もあれば、ぼやきも出たり……。そういうことを受け止めてくれるLINEチャットに救われる気持ちでした。

この取り組みはまだまだはじめたばかりの事業で、手探りの状態です。

それでも、「利用して良かった」、という方からの声をうけ、2025年8月より対象エリアを拡大することを決めました。

現在は仙台に加え、東京23区や神奈川県の一部エリアでもサービスを展開しています。肢体不自由や重症心身障害、医療的ケアのあるお子さんを育てているご家庭へLINEを通じて必要な支援を届けています。

家族を支える取り組みを継続し、広げていくために

例えば、こどもが「学校に通いたい」といった、ごくあたりまえの願いを叶えるために奔走するご家族を支えたい。

悩みを一緒に考え、寄り添い、地域の支援につなげて行く。そんな新たな取り組みにトライできるのは、皆さんからの寄付があるからです。

現在ご利用いただいているご家庭へ継続的な関わりをもつため、そして、今後より多くのご家庭とつながっていくために……。

ご寄付でこの活動を応援お願いします。


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