1781年創業、言わずと知れた国内最大手製薬メーカー「武田薬品工業」。医療従事者であれば現場を下支えする医療用医薬品の取扱トップメーカーとしてご存知かと思います。一般の方は、アリナミンやベンザブロックなど日用医薬品でおなじみかもしれません。
「優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する」という企業ミッションが示すように、武田薬品工業の企業活動は、事業そのものが社会貢献の理念に基いています。
同社コーポレート・コミュニケーション&パブリック・アフェアーズ(CCPA)CSR企業市民活動・寄付担当部長の吹田博史さんによると、「弊社では社会貢献活動を企業市民活動と表現した上で、企業市民活動の基本原則の中に「従業員の自発的な社会参加を支援する」という項目を掲げています。従業員が社会に対する視野を広げ、社会課題の解決に取り組むことが、持続可能な企業と持続可能な社会の実現につながると考えているからです」とのこと。
そんな武田薬品工業の社内で昨年スタートした非常にユニークなプログラムが、「年休取得で社会貢献!プログラム」です。
社員の年次有給休暇取得率に応じて会社が選定したNPO法人へ寄付をするというもの。
従業員の休暇取得が増えることでプライベードの時間が充実するだけでなく、社会の課題解決の応援にもつながるという個人・社会貢献の双方にアプローチできる仕組みです。
寄付支援先にフローレンスを選定いただいており、先日初年度のご報告をいただくとともに、寄付金の授与式に出席させていただきました。
「年休取得で社会貢献!プログラム」初年度の成果は
6月30日に行われたセレモニーには、同じく寄付支援先である放課後NPOアフタースクールさんと共にフローレンスからは代表理事駒崎弘樹が参加し、2016年度のご報告と多くの寄付金を賜りました。
武田薬品工業の従業員の皆様、本当にありがとうございます。
2016年度は、年次有給休暇取得率65%を目標に掲げて取組んだ結果、目標を上回る66.5%の取得率を達成されました。プログラム実施以前には62%だった有給取得率が飛躍的にあがったとのことです。
製薬メーカー業界では、営業部門の年休取得率が低いという課題があるそうですが、同社グローバルHR 日本人事室 労務管理ヘッド 寺川澄夫さんによると「年休取得と社会貢献を組み合わせることで”取得したほうがいい”空気が醸成できたことに加え、営業部では部門長自らが部内に働きかけて、年休を取得する心理的ハードルを下げたことも、仕掛けが成功した大きな要因だと捉えている」とおっしゃっていました。
イクボス宣言もそうですが、組織において企業の理念発信や部門のボス自らが牽引することの大切さを感じました。
CCPA CSR企業市民活動・寄付担当部長の吹田博史さん(左)/日本人事室労務管理ヘッド寺川澄夫さん(右)
2017年度は70%を目標として、引き続き取り組みをされていくとのこと、フローレンスもご期待に負けないよう、自らも「働き方革命」を進め、親子の笑顔をさまたげる社会問題解決に邁進していきます。
<参考>武田薬品工業株式会社プレスリリースより
「年休取得で社会貢献!プログラム」 概要
<コンセプト>
従業員のプライベートな時間の確保に加え、社会の問題解決にも役立てる取組み。
- <寄付先>
「子ども」に関連する国内の社会課題に取り組む2つのNPO法人を選定
「親子の笑顔をさまたげる社会問題を解決する」をミッションとし、安心して子育てができる環境づくりを支援。病児保育のほかに、待機児童問題、障害児保育問題等にも関与。
「小1、小4の壁」問題の解決のため、安全安心に放課後を過ごせるアフタースクールを提供。「市民先生」としての大人ボランティア受入れ等、従業員がボランティアとして関わる機会も提供。
- <期間>
取組み期間は、2016~2018年度の3年間。
企業のCSRご担当者の皆様へ
従業員の皆さんの地域社会での活動や、企業理念の発信として、企業が社会貢献に関わる機会が増えてきていることと思います。どんな環境の親子も笑顔で暮らせる国を目指して、日本の未来を担う子ども達への支援パートナーとしてフローレンスを選んでいただけますと嬉しいです。ぜひお気軽にお問合せください。