フローレンスでは、社内のすべての保育スタッフを対象にしたスキルアップ研修「保育塾」を月1回開催しています。 6月保育塾のテーマは「子どもに「イヤ!」と言われた時、保育者はどうする?イヤイヤ期について学ぼう」。
今回の講師は、小規模保育事業部 森永紗希子が担当しました。森永は小規模保育事業部の保育スーパーバイザーとして、保育スタッフ育成や保育相談対応を担当しています。森永の講座はいつも「楽しくわかりやすい!」と評判です。
今回の保育塾では、
●なんで「イヤ」になっちゃうの?イヤイヤ期のメカニズムを知ろう!
●焦らないで大丈夫。イヤイヤ期の保育者のあり方を知ろう
の2つのねらいで、イヤイヤ期への理解を深めたり、その時期のお子さんとの関わり方を学びました。
言葉で上手にコミュニケーションを取れない「イヤイヤ期」の子どもと接していると、「なんで怒ってるんだろう?」「どうしたら泣き止むの?」と途方に暮れてしまうこともありますよね。 大人にとって、イヤイヤ期に対する印象はネガティブなものになってしまいがちです。
森永は、そんなイヤイヤ期について、
「自我が芽生え、自分の要求をぶつけてくる第一次反抗期。 発達段階において避けては通れない、みんなが通る道なんです」
と説明します。
では、なぜ子どもは「イヤ!」というのでしょうか? その行動の理由も、具体的な例を交えながら説明してくれました。
「言葉の理解が未熟で複雑なことは伝えられません。でも『イヤ!』ってすごく言いやすいですよね」
「例えば、ブロックを積もうとしてうまく積めなかったとき、イメージと現実のギャップに癇癪を起こしてしまうこともあります」
参加者は、説明を聞きながら一生懸命メモをとっていました。
説明の後は、「イヤイヤ期の子どもの心の様子は?」というテーマで、近くにいるスタッフ同士で一緒に考えてもらいました。
「何でも自分でやりたい!って思ってるんじゃないかな?」 「大人にかまってほしいんじゃないのかな」 他事業部の保育スタッフと話し合う中で、活発に発言が飛び交いました。
森永の
「子どもは、イヤイヤ期を通して成長しているんですよ。自分の感情を人にぶつけたらどうなるのかな? 言葉以外にも思いを伝える方法ってあるのかな? などなど、子どもなりに大人の反応を見て考えているんですね。なので、実はイヤイヤするのは大好きな大人にしかできないんです」
という言葉に、参加者は「へぇ~」と大きく頷いていました。 また、イヤイヤが「好きな大人にしか見せない」姿というのを聞いて、多くのスタッフが、安心したような表情を見せていました。
そして、何と言っても一番知りたいのは、イヤイヤ期のお子さんとの接し方や対応方法です。 森永からは、保育者のあり方や対応の方法として、いくつかアドバイスがありました。
「子どもがイヤイヤをしている時、頭の中はもつれた毛糸のように”ぐちゃぐちゃーっ”としていることが多いです。保育者としては理解できないイヤイヤであっても、『イヤだったね』などと共感してあげて、もつれた糸をほぐしてあげましょう」
「イヤイヤ期の子どもは、大人から何か言われて行動するのではなく、『自分で選んで行動したい!』という気持ちもあります。『○○もあるし■■もあるよ。▲▲もあるけどどれがいいかな?』など、なるべく複数の選択肢を出して、子どもに選んでもらいましょう。子どもが答えやすいように会話の流れを作るといいですね」
開催後のアンケートでは、
「イヤイヤ期の子どもとの関わり方が分からず、戸惑うことが多かったので、今回の保育塾を通じて、イヤイヤ期がなぜあるのかという基礎から、関わり方まで知ることができ安心できました!」
といったコメントが見られ、参加者はこの講座を通して、イヤイヤ期のイメージがポジティブに変わったようでした。また、
「今日のお話を聞けて、『やっぱり保育者はみんな同じ気持ちなんだ』と少しホッとしました」
という声もあり、 保育で悩んでいるのは自分だけではないという安心感を感じることができるのも、保育塾の良さのひとつです。
さて、次回7月の保育塾は身近なもので簡単にできる「おもちゃづくり」がテーマです。レポートをお楽しみに!
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