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アクション最前線

2016/06/15

LGBTが理解される社会はみんなが生きやすい社会 【LGBTプライド月間】当事者・明智カイト インタビュー

  


6月はLGBTプライド月間であるということを知っていますか?

「LGBT*」という単語は知っていても、「LGBTの人たちを傷つけない行動をとっている」と断言できる人は少ないのではないでしょうか。フローレンスでは、今まで就業規則の改訂やLGBTに関する研修の実施など、先進的な取り組みを進めてきました。

同僚や顧客に対してハラスメントの加害者・被害者にならないために、そして誰もが気持ち良く生活する社会にしていくためにできることについて、フローレンス社員でLGBT当事者の明智カイトが語りました。

*LGBT…レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーを表す略語

■LGBTは人種や宗教など「違い」のひとつ 

-入社する際にゲイであることをなぜカミングアウトしたのですか。

私はゲイですが、今まで勤めていた民間企業ではカミングアウトしていませんでした。カミングアウトするメリット、デメリットを考えたときに、できる状態ではなかったんです。フローレンスでは、入社前から知り合っていた代表の駒崎に理解があることを知っていたので、従業員の方も受け入れてくれるのかなという期待がありました。  

ところが入社してみると、「男性トイレと女性トイレのどちらを利用しますか」と聞かれたんです。ゲイ、レズビアン、バイセクシャル、トランスジェンダーが区別されていないなと感じました。でも、就業規則や研修を提案すればやってもらえる感触はあった。それならどんどん提案してやってもらおうと。実際に就業規則を変更することができました。

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-日本のほかの企業の取り組みについてはどう思いますか?

外資系は進んでいますね。LGBTというのは、人種、宗教、民族、言語などの違いのひとつです。グローバル企業はいろんな人種や宗教の人を雇用しているので、積極的に取り組んでいるのだと思います。

経営側も従業員側も、オープンに(カミングアウト)するのが当たり前だという風土がありますね。 6月がLGBTプライド月間というのも、アメリカの動きです。2000年に当時大統領だったクリントン氏がそう定めて、2009年にはオバマ氏もLGBTプライド月間であると宣言しました。

これに対し、日本は島国で人種や言語の問題があまりなく、従業員が多様ではないので遅れているのかな、という感じはします。でも、今年に入ってパナソニックが同性婚を支援する社内ルールの改定がニュースとしてありました。ほかの企業、自治体があると「うちでも」という動きが出てきやすいので、フローレンスがロールモデルになれるといいですね。

■制度があっても風土がなければバッシングの対象になりかねない

-仕組みを整えた後、企業に求めることは何ですか?

制度があっても、当事者以外の人に理解がなければ使えません。理解がなければ、制度を使うことで結果的にカミングアウトしたことになり、周りから白い目で見られる――といった状況になりうるからです。

バッシング、反動にも気を付けなければいけません。かつて、男の子も女の子も中立的に扱うといったジェンダーフリー教育が(学校現場で)進められたとき、保守派からすごいバッシングを受けました。無理やりリベラルなことを理解のないままにやると、保守派や批判する人たちからバッシングを受けて、余計に悪い方向へ行ってしまう。 制度、規則を変更するときは慎重に、合意を得られる形ですることが必要です。

-どうすれば理解ある社内風土になりますか。

研修は必要です。LGBTについて、学校でも家庭でもきちんと教えてくれる機会がなかったので、企業で教えてもらわないとわからないわけです。何気ない一言、例えば「お前女っぽいな、気持ち悪いな」といった言葉だけでハラスメントになってしまいます。

被害者、加害者にならないために、スムーズに仕事をするために研修は重要です。

■社内だけでなく、顧客にもLGBTがいることを想定して

-今後、多様性に向けた取り組みはどのようなものが必要だと思いますか。

LGBTの当事者は、人口の3-5%ほどだと言われています。一緒に働く人だけでなく、お客様にもLGBT当事者がいるかもしれないと考えて、企業は対応できるようにしなくてはいけません。

例えばフローレンスでは、現場職員向けには、保育園の園児がLGBT当事者の子どもかもしれない、親御さんが当事者かもしれない、ということを想定して保育業務を考える必要があります。 このような配慮は、LGBT当事者以外の人にもメリットのあることです。「なんで結婚しないんだ」「彼氏彼女はいないのか」「(男性に対して)女っぽいな」などと言われるのは、異性愛者もいやに思うこと。こういう言動がなくなることで、一般の人も気持ちよく生きていける社会に近づきます。

日本にはどこか、マイノリティの人、被害者の方が批判されたり、我慢を強要されたりするようなところがある。そういう人が理不尽な扱いを受けない社会を作っていくために、フローレンスが突破口になっていけばよいなと思っています。


LGBTは一人ひとりの違いの一つに過ぎない…。フローレンスでは、LGBTも含め多様性あふれる組織づくりを進めています。こんな組織で働きたい!という方は採用情報もぜひご覧ください。

フローレンスがこれまでに行ってきた就業規則の改定や研修についてはこちらの記事もどうぞ。

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書いた人:大島迪子


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