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お知らせ

2018/02/20

違和感に気付いたらどうしたらいい?気になる親子の情報の集め方と整理について学ぶ【1月保育塾】

 


日々の保育の中で、「なんだか気になるな」「おかしいな」と親子に対して違和感を感じることはありませんか?

違和感には気付いているけど、どうしたらいいか分からず、気持ちが悶々とすることもあると思います。
ですが、「親子に課題がある」と決めつけて対応するのは大変危険です。

そこで、1月の保育塾は「気になる親子の情報の集め方と整理について学ぼう」をテーマに開催!
正しく情報を収集・整理し、適切に対応していく方法を学びました。

 
保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修のことです。
現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

今回の講師は、赤ちゃん縁組事業部で相談業務に従事するスタッフが担当しました。
担当講師は、母子生活支援施設で母子支援員として勤務後、現在は赤ちゃん縁組事業で相談員として日々相談業務に従事しています。
相談員の仕事は、日々の会話の中から様々な情報を収集し、課題を整理し、必要に応じて支援を行うことです。

これ

気になる親子ってどんな親子?

親子が問題を抱える背景は、子どもの性格や発達状況、保護者の仕事や関係性、住居や地域性といった養育環境など、複合的な要因によって引き起こされます。

気になる親子と言っても様々ですが、例えばこんなことに気になったことはありませんか。

「両親になついていない気がする……」
「子どもの発達がやや遅れがちで、お母さんが少し神経質になっているような……」
「毎日服が汚れてたり、破れてたりしている……」
「子どもを怒鳴りつけたり、人格否定するような関わりをしていて気になる……」
「保育料を滞納したり、食事がレトルトや菓子パンのお預かりが多い……」
などなど。

こういった「ちょっと気になるな」という状況が重なり合うと、なかなか家庭だけで解決できないような状況に陥ることもあります。

では「ちょっと気になるな」と思った時、どうしたらいいでしょうか。

保育塾2

違和感に気がついたら

実際に親子の様子で気になる点を見つけたら正しい情報を把握することが大切です。
「あれ?」と思った時に先入観を持たずに、客観的に情報を収集・整理し、観察をすることがとても大切です。
先入観や独自の解釈が入り、主観的に判断してしまうと事実とは異なった判断へと繋がり非常に危険です。まずは、主観や解釈を含まず、客観的に事実を的確に整理して、その違和感が何なのかと判断するように心がけましょう。

効果的な情報収集のポイント

では客観的に情報を整理し判断するにはどのようにすれば良いでしょうか。

以下のように情報を収集することができます。

①直接的情報収集

親子の会話、子どもの身だしなみ、健康状態(身長・体重など)

“直接的情報”は、まさに直接目で見たり、耳で聞いた情報を指します。

②間接的情報収集

子どもとの会話や遊びの中から読み取れる家庭の様子や、親子の関係性。
また、お弁当の内容やビニール袋、コンビニの箸など、お預かりしたものから読み取れる情報などです。

“間接的情報”は、子どもの生活の様子や会話の内容など間接的に得た情報を指します。

これらの情報を得た際には、的確に記録をつけることが大切です。

的確な記録をつけるポイント

記録のとり方には様々な方式がありますが、このような手段が紹介されました。

①チェックリストの作成

・子どもに関すること
 (爪が切れているか、耳垢がたまっていないか、など子どもの生活習慣に関すること)
・保護者に関すること
 (清潔な身だしなみか、提出物に滞りはないか、食事の内容など保護者の様子や子どもとの関わり方に関すること)

など気になる親子の様子を項目にあげ、チェックリストを作成していきます。

予め気をつけて確認するポイントを表にすることで、どの点を意識的に確認していけばいいか分かりやすくなります。また該当する項目が増えるほど、何らかの介入が必要だと客観的に判断ができます。

②時系列(カレンダーなど)に記録をまとめる

カレンダーなどに朝の食事内容・お迎え時間・こどもの様子の変化などを記入していきます。
例えば、月曜日のみにおむつかぶれの記録が続くと「週末にあまりおむつ替えできていないのかもしれない」と情報が可視化され、問題はどこにあるのか頭の中が整理されます。

こうして情報が整理されたら、記録を続け経過を観察していきます。

また、ひとりのスタッフの独断で判断することは厳禁です。
以下のことを意識しましょう。

●必ず他のスタッフや上司に気になっていることを報告し、情報をリアルタイムで共有する
●チームとして情報を収集し、どのような関わりが出来るかを話し合う
必要に応じて児童相談所や保健所などの社会資源に繋げる

 
今回参加したスタッフからは、
「先入観だけで誤認してはいけないことに気付いた」
「その時の子どもの様子を見て決めつけてしまうことが多かったが、事実を整理することが大切だと分かった」
など、情報を整理し客観的に見ることの大切さに気付いたという感想が多くありました。

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さいごに

保育の現場で働くスタッフは、誰よりも親子の変化に気づくことができる、一番身近なプロフェッショナルな存在です。
また、子どもに違和感を感じることはマイナスな側面とは限りません。
子どもたちが健やかに成長していくための子どもの未来への気づきなのです。
少しでも気になったり、もやもやしたことは絶対に一人で抱え込まず、園や上司に相談したり、情報を整理し記録にまとめてみて下さい。

これからも、保育塾では、保育スタッフの「学びたい!」に応えられるような研修を展開していきます。

2月は保育塾初の2名の講師陣で開催します!
みらいの保育園事業部の栄養士・田崎さんと櫻井さんより『「食事中の困った!」への工夫を栄養士に教えてもらおう!』をテーマに実施します。

レポートをお楽しみに!


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書いた人:重松千佳


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