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2023/09/27

育休取得は僕たちが「家庭の当事者」になるためのスイッチだった【第1回フローレンス男性スタッフ座談会】

  


未来を変えるスイッチを押そう、男性育休で

フローレンスでは、男性にとっての育休は、「ママの『併走者』ではなく『当事者』へ意識を切り替えるスイッチになる」と考えています。

「男性育休=パパが育児サポート」の時代は終わりました。

男性も女性も関係なく、家事育児の当事者意識を同じだけ持ち、家庭を共同運営していける、そんな新時代の家族のあり方をフローレンスでは提案していきたいと思います。

男性も育休取得をきっかけに、並走者という存在のままでは得られない、一歩進んだ経験値を得られるはずです。さらにそんな男性が職場に復帰したとき、自身の経験や価値観を周囲に波及させることができます。個々の変化がこれからの社会を大きく変える力になるのです。

この考えを、まさに自身の人生で表現してきたのが、フローレンスの男性スタッフたちです。 フローレンス男性スタッフたちが、これまで家庭・育児の当事者として、いかに人生を変革させてきたのか。その姿を座談会形式で臨場感たっぷりにお伝えしていきます。

親子をとりまくあらゆる社会課題に取り組んできたフローレンスならではの、濃厚な男性育児論をお楽しみください!

◆第1回座談会のメンバー

山口裕介(ぐっさん)

40代後半。フローレンスでは保育ソーシャルワーク事業部に所属。二児の父。第一子誕生時は28歳。待機児童という言葉すらなかった時代で預ける保育園はまったく見つからず、半年間の育休を取得。男性育休超少数派時代を淡々と、そしてしなやかに生き抜いてきたフローレンス男性育児チームの精神的支柱。現在子どもは20歳と17歳に成長。

天野祐作(あまの)

30代後半。フローレンスでは総務オペレーションズチームに所属。一児の父。子ども誕生時に化学系メーカーの営業職というハードな職場に在籍しており家事育児に参加できない1年を過ごす。2016年フローレンスに入社したことをきっかけに、新しい家族の姿を再構築。現在子どもは7歳。家族の問題を趣味のボードゲームに例える秀逸なトークはぜひ本編で。

水野健(ずのけん)

40代前半。フローレンスでは代表室DXDチームに所属。二児の父。かつてはIT企業で「超」長時間労働をこなしていた屈強Webディレクター。第二子誕生時の家庭動乱期には長時間労働に加え、帰宅後さらに家事育児を担うという「ムリムリ期」を経て2020年にフローレンスに入社。「人生の理想のペースを手に入れた」と本人談。それによって生まれた産物とは? 現在子どもは7歳と4歳。

デレーター:中村慎一(にゃむら)

40代前半。フローレンスではみらいの保育園事業部所属。三児の父。本座談会企画の発起人。フローレンスでマネージャ職を勤める傍ら、兼業作家としても活躍。男性育休、ジェンダー、保育園の多機能化などのテーマで取材対応やセミナー講師としても実績多数。みんなの溢れる思いをズバリ言語化してくれる駆け込み寺的存在。主な著書に『お先に失礼します! 共働きパパが見つけた残業しない働き方』(KADOKAWA刊/2017年9月)、『探偵先輩と僕の不完全な事件簿』(KADOKAWA刊/2019年2月)、『江の島ひなた食堂 キッコさんのふしぎな瞳』(KADOKAWA刊/2022年1月) など。

ボロボロでバッターボックスに立ち続ける「丸出だめ夫」でした(ずのけん)

中村(にゃむら)家族のあり方、パートナーシップのあり方、子どもとの関係性、どれをとっても同じ人っていないと思うので、みんなの経験や思いを聞けるのがすごく楽しみです。あとジェンダーに対するみなさんの思いも、フローレンスとしては、常に語り続けていきたいと思っているので、どんどん発言してくださいね~! じゃあまずは、ずのけんさんからどうぞ!

水野(ずのけん)第一子が生まれて育児がスタートした瞬間思ったのは「聞いてなかったぞこんな世界観!!」っていう感じ。

 

全員:うんうん(強いうなずき)……。

 

水野(ずのけん)どこにもマニュアルがない、説明会なしの戦場に急に降り立った感じですよね。しかもパートナーである妻は常に「地雷」を抱えている。しかもその地雷は時々刻々と移動する……。

 

中村(にゃむら)動く!! 動くよねー!!

 
 

水野(ずのけん)第一子の産褥期、僕はその移動式地雷を踏みに踏み抜いて、それでもバッターボックスに立ち続ける日々でした。わけも分からずバットを振って、ボロボロになるという(笑)。でも仕事を優先して家庭に対して何もアクションを起こせなかった。これが私の「丸出だめ夫時代」です。

そこで、かなり細かいところまで書き出されている家事チャートを参考に、家事の見える化をしたんです。僕はそれまでかなり家事参加している自信があったのに、結果は妻9:僕1だった。これはまずい! 絶対5:5にしなければいけない! むしろ僕が10割を狙っていかないと現実的に5割に到達できないと思ったんです。

中村(にゃむら)いきなり10割!?

 
 

水野(ずのけん)はい……。同時に「夫婦の愛情曲線」も見たわけですよ(下図参照)。「妻の愛情はここで逃したらもう元には戻れない」って分かっちゃったのね……。ここでもまた、「説明会なかったのかよ!  みんな色々隠しすぎだろ!」って。だからこういう場で自分の経験を語らねばっていう使命感、めっちゃくちゃ感じてますよ。

【作図】前田晃平著『パパの家庭進出がニッポンを変えるのだ! ママの社会進出と家族の幸せのために』(光文社/2021年)

山口(ぐっさん)なるほど~。家事育児について、夫婦の「分担割合」の話が出てくるのが、時代や社会が変化した証拠かもしれないな。私は当時(約20年前)だと、恐らく今ほどは家事育児にコミットできていなかったと思います。でもパートナーには「よくやってくれてたよ」って言われました。寝ない子をドライブに連れ出すとか、ゴミ出しするとか、時代的に「わずかな協力でもありがたいと思わなくちゃ」みたいな女性の感覚があったのかもしれないなあと。社会の意識と女性と男性の意識、社会制度の整備、世論、全部の要素が急速に変化しているのが今なのかもしれないですね。

 

水野(ずのけん)私の時代は男性育休も本当に黎明期で、価値観は本当にバラバラでした。前職(IT企業勤務時代)は、理解者ゼロ!という状態でしたね。

 
 

中村(にゃむら)変化のただなかにいて、パートナーさんとどんな会話をしていましたか?

 
 

水野(ずのけん)2人目の子どもが生まれた時に物理的に手が回らなくなって、本当に無理が生じました。仕事は夜12時までやって、帰ったら1時とか2時。そこから絶対家事育児5割やるぞ!って思ったら睡眠時間を削って家事育児をやるしかない。そうすると寝る時間が1時間とか2時間になって。でもそれをずっと続けてたんですよ。

 

全員:それはヤバい!!! ヤバすぎる!!

 

水野(ずのけん)ですよね……今考えればすぐ分かることなんですけどね。そこまできてようやく、妻から「会社にそこまで貢献してるけど、あなたが倒れたら会社が補償してくれるの?」って聞かれたんです。すぐに「あ、してくれないわ」って思った。それが僕の立ち止まるきっかけでした。そこから1年くらいかけて会社との対話が始まったんです。妻とこれからどうするか、たくさん話をしたし、会社にも私の状態を伝えて、部全体の有り様を変えてもらいたいとも伝えた。1年をかけた「大調整時代」ですね。

中村(にゃむら)パートナーからその言葉をもらう以前は、独力でそのことに気づけたと思います?

 
 

水野(ずのけん)自分が追い込まれて、初めて妻の言葉が刺さったんですよ。余裕があるときって刺さらないの! これから全部が立ち行かなくなるのが目に見えている。その状態になって初めて丸出だめ夫から脱却する行動に移せた。余裕がある人には何言ったって響かないんですよ。

 

中村(にゃむら)大事な言葉は余裕がある人には響かない。大事だから声に出して言おう(笑)。

 
 

水野(ずのけん)だから提案なんですけどね。家族の運営の仕方は社会的なインフラに混ぜて教えるべきなんですよ。母子手帳にもね、子どもの成長の前に、誕生前に夫婦でこれ話しましょうとかちゃんと書いて欲しい。人生ゲームみたいに「この選択間違うと即地獄!」みたいなのあるでしょ? そういう情報は目の付くところに散りばめてもらわないと!! 地獄を見てからだと、上がるのが大変すぎる!

 

中村(にゃむら)人生ゲームもさ、「こうすると大損!!」とか、財産の残量じゃなくて、パートナーの愛情の残量で示してもらうといいかもね(笑)。

 

天野(あまの)僕ボードゲーム大好きだからそういうの作りたい!! あ~でもそしたら10分の9くらいで地獄に堕ちるゲームになるし、何度やり直しても、愛情ゲージは借金ばかりになりそう……(悲)。

 

全員:あまのさん、かわいそう(泣)!!!

 

山口(ぐっさん)ちなみにスイーツとか買って帰っても、ゲージは一向に回復しない(涙)。

 
 

全員:わかる~~~~~~!!!

 

男性ばかりの職場で子育てや家庭の情報が入ってこない。共有できない苦しみがジワジワきました(あまの)

天野(あまの)ずのけんさん世代でも、育児や家庭のことって周囲の人に相談しにくかったの?

 
 

水野(ずのけん)うん。それは男性の特徴、つまり個人的な話を共有する習慣がないっていう問題が深く根差していると思う。あと前職はほとんど共働きのファミリーがいなかったんです。そこは同じ仲間として話し辛かった部分かもしれないです。

 

天野(あまの)私30代半ばですけど、前職はゴリゴリの営業会社だったので、子育て情報が全く入ってこなかったのはめちゃくちゃ共感。こういうことって話す相手がいないと、ずのけんさんみたいに深夜まで仕事して、朝まで家事育児してみたいな異常さに、誰も気づかないことがすごく怖いなと思った。

 

水野(ずのけん)でもその後、僕がフローレンスに入ることになって、仕事と家庭と育児と、しっかり自分の思い描いたペースがセットされた瞬間に、それまで怒ってばかりいた妻がすごく笑うようになったんですね。そういうご褒美は待ってたんですよ。

 

 

天野(あまの)それはワークライフバランスだけはなくて、フローレンスの文化の影響もあったのかな?

 

水野(ずのけん)本当にそう。フローレンスに入って半年位経ったときに改めて妻と話してて、妻が「win-win-win」だって言ったんですよ。「私も自分の時間が持てて、あなたは職場でも育児の話をして楽しそうで、フローレンスにいることで知らない人たちにも貢献できてる。いいことしかない!」って言われた。それで心底、「報われた~~~」と思った。周囲の理解が十分に得られて生きているって、こんな幸せなことはないって思えた。

 

中村(にゃむら)なんて温度感のあるいい話なんだ……。じゃあここでぐっさん、お願いします!

 
 

育ての素人が2人集まっても、うまくいかない。それが育児!(ぐっさん)

 

山口(ぐっさん)僕が育休を取ったのは20年前で、それはただシンプルに、保育園に入れなかったから。正直オレが当事者としてやってやる! みたいな気持ちでは全然なかったです。待機児童の数がすごいのに、1年しか育休が取れない時代で、パートナーの育休期間が終わるから今度は自分が取るしかないっていう状態でした。キャリアについても、半年くらいの休業ならなんとかなるだろうと思っていました。僕自身は全くそれに抵抗がなかったけど、まだ男性育休自体が珍しくて、周りにはずいぶんびっくりされましたね。

 

水野(ずのけん)マジの理解者ゼロ時代ですよね。

 
 

山口(ぐっさん)女性ファッション誌とか見てるといまだに「パパをほめて伸ばす!」とか「パパを育児参加させる!」みたいな言葉を見るとね、もうがっかりするっていうか。いまだに社会と個人は擦り合ってないのかなと思う瞬間なんですよ。

 

中村(にゃむら)あれね……。男ってまだその程度に思われているんだなって、がっかりするよね。ぐっさんの中にはいわゆる産後や育児のクライシスはなかったんですか?

 

山口(ぐっさん)この間パートナーと、この育休座談会の話をしました。我々はどうやって産後と育児を乗り切れたのかって。そのとき「これ、という乗り切れた理由は思い当たらないけど、若かったからというのはあったな」という結論になったんですよね。

 

中村(にゃむら)それは身も蓋もないけど、めちゃくちゃ大事なファクター……!!

 

水野(ずのけん)天野(あまの)

めっちゃくちゃわかるね(笑)!!

 

山口(ぐっさん)一人目の子が生まれた時、僕はまだ28歳だった。毎日終電まで働くみたいな時代で、エネルギーに溢れていたんです。子育ての中で一番体力が必要な時代に全部やり終えた、というアドバンテージは、すごく感じました。キャリアが中断されても、巻き返せるかなと思える力があったんだと思うんです。お金なんて全然なかったけど(笑)。

 

水野(ずのけん)こういう話聞くと、ますます説明会が必要だと思う! 本当に。

 
 

中村(にゃむら)うんうん。育てるフェイズの方が俄然長期間だもんね。これから産む世代には、家族全体のライフプランをどう考えるか、教えたり議論したりする場が必要だなと思いますね。ぐっさんのお子さんはもう大きいでしょう?子どもが両親の姿を見て育っているなあっていうのは実感としてありますか?

 

山口(ぐっさん)子どもたちは、親が2人とも同じように家のことをやるのが当たり前っていう中で育ってますね。完全な共働きだと、どっちかが家に帰ったらどっちかは残業して帰るってシチュエーションが多いですよね? だから昔から子どもたちにとって「ああ、今日の親はこっちなんだな」っていう感覚なんだと思う。だからママがいい、パパがいいみたいな言葉は聞いたことがない。子どもたちは2人とも男だけど、2人共あんまり男女とか関係ないっていう子に育ったかも。偏見が全然なくて、多様さを受け入れる素養はすごく感じますね。長男は中学時代家庭科部だったから、僕の服のボタン付けまでしてくれます(笑)。

 

中村(にゃむら)「今日の親はこっち」っていいね(笑)。

 
 

山口(ぐっさん)うん。改めて今思うのは「子育ての素人が2人集まったところでうまくいかない」っていう結論なんですよ。夫婦共にやったことがないからうまくいかなくて当たり前ですよね。でも2人がかりで調べて考えて、それをもとに答えを導き出せばいいんですよね。2人して傷だらけになってなんとか生き残ることが必須ではないと思う。それで疲れ果てちゃう人もいるだろうし。それよりもいい思い出がたくさん残せるように考えた方がいいと思った。「こんなところ行ったね、こんなことしたね、子どもがかわいかったね」みたいな記憶が残った方が、家族全員にとっていいことだと思う。

僕ね、和光堂のベビーフードの成分表示を見て「これは僕には絶対作れない!」って絶望したことがあったんです。あれを真似して頑張って作ることより、子どもと一緒に笑って食べることの方がすばらしいと思います。

 

天野(あまの)すごいなあ、そんなに力を入れずに、自然体で乗り切ってこられたなんて!

 
 

中村(にゃむら)時代的に、ぐっさんは我々の想像もしない壁があって、傷だらけの中を開拓者としてよじ登ったって思いこんでいた!

 

山口(ぐっさん)だからね、僕は真面目な男性育休ムーブメントには、参加しちゃいけないよなって思ってたんだ(笑)。サバイバ-でなければ、サバイブを語れないっていう空気にはどうも飛び込めなかった。

 

中村(にゃむら)そうだね! サバイブだけを語らないというのはとっても大事! 開拓者は傷だらけであるという先入観は一度脱がなくてはいけないですね。ではあまのさんはどう?

 
 

家事育児の負担が「借金返済」感覚になっていった(あまの)

 

天野(あまの)私は前職が化学系メーカーで、大半が男性という業界でした。しかも営業職。会社の規定の説明を受けたときも、育休について触れられるときに「男性はほとんど取ってないからー」みたいな感じでした。「いかに家庭顧みないか自慢」もあったぐらいで。遅くまで飲みに行くとか、休日だけどゴルフに行く、みたいな世界観ですよね。

私は子どもの存在がフロ-レンス転職のきっかけなんですけど、誕生の翌年4月に保育園入れましょうとなって、妻が調べた保育園を見に行ったりしてたんです。それが2016年だったんで、まさに「保育園落ちた日本死ね!」の時ですね。我が家ももちろん入れなくて「保育園 待機児童」とかで検索していくなかでフローレンスと出会いました。

仕事でも30代でちょうど責任のある仕事も増えていってた時期でした。妻は結局育休を延長する一方、私はお客さんの接待とか、化学メーカーなのでどうしても土日深夜対応も入ってくる。疲れた体で妻と息子が寝静まった自宅に泥棒みたいにコソコソ帰っていく日が続きました。家はどんどん散らかっていく。もちろん言わなかったけど、「もうちょっと片付けたら」なんて、言ってたらどうなっていたか……。

水野(ずのけん)地雷どころじゃ……。

 
 

全員:うん……。

 

天野(あまの)ほんとに。それで泥棒みたいに帰るんじゃなくて、30代でこれからせっかく打ち込むなら子育て支援とか社会貢献とかをやりたくて、フローレンスに入ってきました。それでようやく育児参加できていなかった期間の「借金」を返そうと奮闘したんです。子どもの送迎したり連絡帳書いたり。必死だった。

でもコロナがあったときに「フローレンスの女性たちでも!?」って思ったんだけど、世の中のお父さんたちがずっと家にいる事態になりましたよね? そしたら皆さん一様にパートナーへの不満でめちゃくちゃ盛り上がっているわけです。それで本当に「こわ~!!」と思ってた。

それで妻に「今職場の女性たちがみんなこんなこと言ってる」っていったら「いや、あなたは今までちゃんとやってきてくれてたと思うよ」って、その時初めてそういう言葉をもらって、そこで初めて報われたというか、安心したというか。そこからは「どっちが何割!?」みたいな感覚から少し解放されましたね。

中村(にゃむら)そこまでは「借金」の苦しみに苛まれていたわけですもんね。

 
 

山口(ぐっさん)夫婦間の分担をポイント制で考えるのは本当に苦しいと思う。「昨日は私がやったから今日はそっちがお迎え行け!今週何回行ったんだ!」とかね。極端になってきて、1週間5日をどう2で割るんだみたいな話までしましたよ(笑)。ゲームだと、多くポイント稼いだ方が勝ちだけど、最終的にプレーヤー同士が「ポイントやめない?」って「降りる」ところまでいけると最高ですよね。体力・精神力も日によって異なるし、完全平等・イーブンにするのは難しいから。

 
 

「僕の人生が楽しい」がパートナーにも伝播した(ずのけん・あまの)

 

天野(あまの)ずのけんさんと一緒で、うちも私がフローレンスに入ってから、パートナーも自分がやりたい職業に転職したり、大好きなアクセサリーづくりを始めたり、パン教室を始めたり、どんどん人生を充実させていて。だから私もフローレンスに入って良かったと思ったんですよね。

 

中村(にゃむら)その後はモヤモヤは出なかったの?

 
 

天野(あまの)これはね、フローレンスにきたことで、私の周りには子育ての経験値を持つ人とか、自分の考えを持ってそれを言う人が実感値でそれまでの100倍くらい増えたんです。そこで自分のこと聞いてもらえたり、ちょっとうまくいかないことでも、「それうちもあった」とか、

さらに凌駕するエピソードを出されたりして自分のエピソードなんて取るに足らないなあと思えるんですよね。子育てには、こういう家族以外の人とのコミュニケーションが不可欠なんだって身にしみた。

 

水野(ずのけん)育休の話、特にパパ同士の話って、自分でどこかのコミュニティを開拓して入っていくぐらいの気概がないとシェアできる場ってないですよね。フローレンスでは日常的にできるけどね。

 

天野(あまの)だから私は、これから結婚をする若い方にぜひ言いたい。子育てとか育児をする上で、職場とパートナー選びってとても大事です!! パートナーとは子どもの計画について話をするかもしれないけれど、その先の育児となると、男性は普通に過ごしてしまうと、子育てとかの情報がまるで入ってこないんです。後手後手で気づくことばっかり。できることなら子育てに重きを置いている男性たちが集まる職場がどんどん人気が出るとか、そんな社会にしていきたい。その方向性がパートナーと擦り合っていると最高ですよね。

 

山口(ぐっさん)僕は極論を言えば、育児に対して夫婦の家庭運営の取り回しに気を取られるよりも、子どもの育ちに最適な環境が作られることのほうが常に優位、という状態でいることが大事なんだよなって思います。子どもの育ちにどれだけプラスか、どうやって親が愛情を注ぎ、子どもの精神をどう育むか、のほうが、親の精神健康状態よりも本来は優位にある。それが優先できるような社会が、本当にいい社会なんだと思います。

 

中村(にゃむら)いかに子どもと関わったか、子どもと周囲の関係性に対していかにコミットできたか、という「ケア」の部分は、生活運営のための家事育児の分担とは本質的に違いますね。本人の自立性のケアはまだまだ男性たちが見えてない部分なのかもしれないな。

 

天野(あまの)今日のこの場自体、楽しすぎませんか? ずっと話していられそう!

 
 

中村(にゃむら)淡々とした男性育休開拓者と、フローレンスで人生が変わってパートナーの人生も楽しくなったみなさんでした! 終わらないね、この話は。必ずまたやりましょう。


実は、フローレンスにはまだまだ濃い話をしたがっている話者たちが控えています。

座談会は続きます。男性育休が当たり前になる日まで。次回をお楽しみに!

男性たちが家庭の当事者になるには、この座談会のように

男性たち自身が主体的に「自分」を語ることがきっかけになります!

家庭のこと、育児のこと、「気持ちのシェア」始めませんか?



書いた人:酒井有里


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