日本の年賀状からひろがる「寄付文化」
年末が近づき、今年も年賀状の季節がやってきましたね。皆さんは、日本郵便株式会社の社会貢献プログラム「寄附金付年賀はがき・切手」をご存知ですか?
はがきは絵入りで1枚57円、内5円が寄付金で、切手は1枚55円と85円の2種類があり、それぞれ内3円が寄付金となります。
寄附金付年賀はがきや切手を購入した代金の一部が寄付される本プログラムは、寄付金額が年間約4~5億円の規模であり、日本でも有数の助成資金だそうです。
寄付者となるのは新年のはじまりに社会貢献がしたい!と「寄附金付年賀はがき」あるいは「寄附金付年賀切手」を購入された方々。身近な年賀状を通じて寄付をするという機会があることで、社会貢献の寄附活動に参加する裾野が広がっています。
2016年度「障害児訪問保育アニー」の事業を支えていただきました
フローレンスの障害児訪問保育アニーは2016年度、本プログラムの助成事業に選定いただきました。
2015年4月に豊島区・新宿区の3人の医療的ケアを必要とするお子さんのお預かりから始まったアニーは、サービスインから1年経った2016年度、専門保育スタッフを育てるために寄付や助成での支えを必要としていました。
障害児訪問保育アニーでは、医療的ケアのあるお子さんを1対1で長時間お預かりします。そのため、保育スタッフには、安心かつ安全な保育を継続的に提供するために、医療的ケアの手技を始めとして、さまざまな高いスキルが要求されます。
このため、アニーの保育スタッフたちは、社内だけでなく、外部機関が実施するさまざまな研修を受講しています。また、一度二度の研修だけでなく、保育スタッフを継続的に育成することが、お子さんやそのご家族と信頼関係を作っていくために必要不可欠です。
(写真は外部機関「NPO法人地域ケアさぽーと研究所」での研修の様子)
一方でこうした充実した研修の実施には長い期間と費用が必要となり、アニーを今後も拡大し、多くのご家庭に保育を届けていくための課題となっています。
こうした研修費用の面で、アニーでは日本郵便株式会社が実施した「2016年度年賀寄附金配分事業」により500万円の助成をいただきました。このたび1年間の助成期間の成果報告を致しましたのでお知らせします。
<特定非営利活動法人フローレンス(東京都千代田区)>
事業名 医療的ケアが必要な障害児の発達と親御さんの就労を支える居宅訪問型保育事業
事業種別 社会福祉の増進を目的とした事業
配分額 500万円
【事業内容】保育園に入ることができない重症心身障害者や医療的ケアを必要とする未就学の障害児に、「子ども・子育て支援制度」に基づく地域型保育給付内の居宅訪問型保育を行い、子どもたちの発達と親御さんの就労ができる環境を提供する事業。
<実施成果>(※2017年3月末時点)
①サービス対象地域の拡大 →東京都内2区(新宿、豊島)から新規5区(港、練馬、品川、渋谷、北)を追加、さらに他7区において自治体認可を取得。
②利用者数の拡大 →3家庭から新たに17家庭に増加。
③保育士の養成 →既存の3名から新たに20名の新規スタッフを採用・育成。
④保護者の職場復帰 →利用者3名が職場復帰。
<利用者のアンケートの声>
・保育スタッフの方が、非常に熱意を持って対応してくれるので、信頼できる。
・フローレンスのみなさんが、障害児を持つ家族の環境をなんとかしたいと心から思ってくれているのが伝わる。
・子どもの精神発達が非常に進んだ。たくさん話かけてもらい、いろんな遊びを一緒にしてもらえるおかげで、多様な反応がでてきた。
・丁寧にマンツーマンで保育していただいているおかげでたくさんのことができるようになったと思っています。親が自宅で孤立して介護しているだけではあり得なかったような成長を感じます。
(日本郵便株式会社ホームページ「年賀寄附金について」に掲載)
本助成により、保育スタッフの安定した採用・育成が実現したことで、アニーでは、その後も継続的にお預かりを拡大し、2017年10月時点で計26家庭に保育を提供できるようになりました。
全国の皆様から年賀寄附金としてお寄せいただいた気持ちを、スタッフ一同大切に受け止め、これからもアニーを必要とするひとりでも多くのお子さん、そしてそのご家族に保育を届けられるよう、引き続き邁進していきます。
障害児保育園ヘレン、障害児訪問保育アニー、そして2016年サービスインとなった赤ちゃん縁組事業は現在も寄付・助成金を必要しています。
ぜひ、引き続きご支援のほどよろしくお願いします。