以前「こども宅食」に1箱16枚入りの「熱さまシート」をご寄付いただいた、国内大手の医薬品・日用品メーカー、小林製薬株式会社。同社が手がける医薬品や健康食品、化粧品は多岐にわたり、私たちの生活の一部となっています。
創業100年を超える同社は、創業時から社会貢献活動にも注力されています。 2017年には、社会の“あったらいいな”をカタチにするために「小林製薬青い鳥財団」を設立。
フローレンスは、健常児、障害児、病児、すべての子どもが保育を受けることができる新しい形の保育施設『おやこ基地シブヤ』開設において、同財団より「障がいや病気を抱える子どもたちとそのご家族にとって“あったらいいな”をカタチにする、著しい成果を収めた事業」として29年度顕彰事業に選出され、同賞を贈呈いただいています(贈呈式の模様はこちら)。
たくさんある団体の中から、なぜフローレンスを選出くださったのか?
財団創設者の1人でもある小林製薬株式会社 専務取締役 山根 聡さんに『おやこ基地シブヤ』を見学いただき、お話を伺いました。
ーー今回財団賞の受賞という形でご支援いただけたことを、改めて心からお礼申し上げます。「青い鳥財団」はどのような活動をされていますか?
山根:当財団は平成29年、小林製薬創立100期記念事業の一つとして設立されました。
いろいろな社会課題が複雑にからみ合う難しい時代ですが、私たちは、障がいや病気を抱える子どもたちとそのご家族をサポートする、また、そういった方々の“あったらいいな”をカタチにする分野で活動している人々を見つけ、支援し続けることで、社会全体の「快」の増大に貢献したいという思いから、当財団を立ち上げています。
本日『おやこ基地シブヤ』に来て、障害の有無だけでなく、ほんとうにいろいろな子どもたちが、一つの建物の中であたたかく1日を過ごしていることがよくわかりました。
また、駒崎さんをはじめ、サポートする先生やスタッフみなさんの「志」に触れ、胸が熱くなりました。
おやこ基地シブヤの園内を視察する山根さん ※写真中央、グレーのスーツ
これからも子どもたちの明るい未来を創っていく、「志」のある活動を応援していきたいと思っています。
ーー嬉しい限りです。ところで、たくさんある団体の中から、なぜ私たちを選んでくださったのでしょうか?
実は、以前からフローレンスさん、駒崎さんの活動に注目していました。病児保育問題だけではなく、障害児保育問題や子どもの貧困問題など、数々の難しい社会課題を、小さな解から社会全体を巻き込んで解決しようと奮闘する姿を知って以来、ずっと応援しようとしていたんです。
また、個人的な話ですが、私には孫がおります。
孫との関わりを通して子どもの未来を少しでも明るいものにしたい、今の親子をとりまく課題解決は他人事ではないな、と思うことが増えたということもきっかけの一つです。
ーー私たちがご支援いただいた顕彰や助成は、どのように運営されているのですか?
社業に影響されず安定的に、またより専門的に活動できる仕組みとして、小林製薬が保有する自己株式を拠出し、財団を設立しています。
また、その株式配当を活動原資としています。
こうすることで、小林製薬の業績が上がると、お客様にも喜ばれ、株主さんにも還元され、社会貢献活動にも力を入れることができる。好循環がうまれやすい方法だと思っています。
ーー三方よしのすばらしいアイデアですね!
そうですね。民間企業が業績を社会に還元するしくみを作って、志ある人たちや団体を支援し、それを持続させていくことも、社会課題解決の一つのあり方だと思っています。
これからも関係する皆様の理解を深めながら、社会貢献活動を続けていきたいと思います。
事業の株式配当をもとに社会課題解決支援を進める小林製薬青い鳥財団。
これも社会課題解決の「あたらしい当たり前」の一つの姿かもしれません。
親子を取り巻く社会課題は日々増え、複雑さを増していきますが、今回のように、フローレンスのビジョンやミッションに共感してくださる企業や団体のみなさまが、それぞれの強みを生かして参画することで、私たちと一緒に「親子の笑顔をさまたげる社会問題」の解決をスピードをもって進めていくことが可能な時代です。
同じ想いを持ついろいろな分野の方が、あらゆる垣根を超え、それぞれが、できること、得意なことから「社会課題解決集団フローレンス」の仲間として、有機的につながり協働していくことで、今までできなかったことができるようになっていくケースは、これからますます広がっていくでしょう。
小林製薬株式会社のみなさま、青い鳥財団のみなさま、本当にありがとうございました!
今後とも、どんな境遇の子どもたちも未来に希望が持てる社会をめざして、ともに歩いていきたいと思います。
フローレンスでは、企業とのタイアップによるご支援をお待ちしております。
私たちNPOだけでは社会を変えることはできません。多くの仲間となってくださる方々と協働して、新しいソーシャルインパクトを起こしていきたいと思います。