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「もしかして、うちの子発達障害?」専門医に60分相談できるマーガレットこどもクリニックの発達外来とは?

「もしかして、うちの子発達障害?」専門医に60分相談できるマーガレットこどもクリニックの発達外来とは?

#こどもと女性のためのクリニック

テレビで取り上げられたり、関連する本が続々と出版されるなど、年々人々の関心が高まっている「発達障害」

その特性や対処法が世の中に広まりつつある一方で、日頃の育児に難しさを感じている親御さんの中には「もしかしてうちの子も……?」と、調べるほどに悩みを深めている方もいらっしゃるかもしれません。

 

フローレンスグループの「マーガレットこどもクリニック」では、『親子の「つらい」にともに立ち向かう』というビジョンを掲げて診療を行っており、2020年2月より、発達外来の診療をスタートしました。

 

ここでは、お子さんの言葉や運動の発達の評価や、発達障害の診断、必要に応じて療育施設へつなぐなどの診療を行っています。

 

※療育:
発達の遅れや特性があるお子さんに対して、個々の状態に応じた支援や働きかけを行うこと

 

とはいえ、「これって誰しも通る成長の過程?それともなにか診断がつくような特性?でもこんな悩みで受診していいのかな?」「発達障害の診断がついたらどうしたらいいのだろう…」と、なかなか受診へ踏み切れない方も多いのではないでしょうか?

 

そこで、今回はマーガレットこどもクリニックの田中純子院長と、実際に同院の発達外来を受診したAさんにインタビューを実施。

 

発達外来の受診目安や、お子さんがどう変わったかを詳しく伺いました。

また、診療にあたる室伏先生のコメントもぜひご覧ください。

 

(聞き手:フローレンス広報)


子育ての伴走者・マーガレットこどもクリニックとは?

田中純子院長:千葉大学医学部を卒業後、千葉大学医学部附属病院、松戸市立病院、千葉市立海浜病院、千葉県立東金病院、千葉メディカルセンターで勤務。2014年マーガレットこどもクリニックを開業。2017年、渋谷区代々木に移転。専門は一般小児科 小児感染症。2児の母。

 

ーマーガレットこどもクリニックの診療の特長はどんなところですか?

 

田中:患者さん一人を見るための時間を長く取り、症状の他になにかありますか、と聞くようにしています。すると、「実は夜泣きがひどくて困ってます」とか「離乳食を食べなくて困っています」といった日常の困りごとがポロポロと出てくるんですね。親御さんがそうしたささいなことを相談しやすい雰囲気づくりを心がけています。

 

ー育児相談がたっぷりできるんですね。

 

田中:はい、患者さんを対象に行ったアンケートでも、「色々な相談ができるというのが助かっています」という声を頂いています。

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クリニックでは診察時間の他に30分の「子育て相談」の受付もおこなっています

 

ーそんな中で、発達外来の診療がスタートしましたが、大きな病院ではなく、クリニックで受診できるというのは珍しいのではないでしょうか?

 

田中:国内ではそもそも児童精神科が少ないんです。それでも東京は豊富なほうですが、小児科に併設されていることはまれで、小児の発達外来専門クリニックか大きい病院かという選択肢しかなく、3か月から半年待ちのところもあります。私たちのクリニックで診療が可能になることで、少しでもそうした状況を改善する事ができればと思います。

発達外来の診察の内容は?受診の目安は?

 

ー発達外来の診察はどのような内容ですか?

 

田中:診察は小児神経疾患や発達障害が専門の室伏佑香先生が担当しています。受診される方には、まずはWEBで問診表の入力をお願いしています。

「生まれた週数」「頭囲」「胸囲」「歩きはじめ」「言葉を話し始めた時期」「どういう経緯で心配になったのか」など、たくさんの項目にお答えいただきます。受診前にあらかじめ聞いておくことで先生と親御さんとのやり取りの時間を増やし、診察の時間を濃くしたいというねらいがあります

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発達外来を担当している室伏佑香先生

 

田中:診察では親御さんからお話を伺う時間、大きなお子さんの場合は親御さんと別で本人とやり取りする時間をとる場合もあります。他にも、特徴を知るために簡単なテストを受けてもらったりもしますね。

 

ー子どもに発達障害があるかも…と思っても、発達外来を受診をするには勇気が出ないなど、腰が重くなると聞きます。受診の目安や、受診を検討したほうがいい状態を教えて下さい。

 

田中:お子さんに発達障害があっても、親御さんも周りも困っていないケースもあります。その場合は受診しなくてよいですし、診断をつける必要はありません。でも、ちょっとのでこぼこでも、親御さんや周りの人が、お子さんとのやり取りや対処に困っていたり、お子さん自身が困 っているなど日常的に困りごとが多い場合は受診をお勧めします。

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※画像はイメージです

 

ー困っているというのは例えばどんな状況が挙げられますか?

 

田中:わかりやすい例でいえば、

・言葉が出にくい
・集団行動ができない
・かんしゃくがひどくて親も怒ってしまう
・行動の制限ができなくてバッと外に飛び出ていってしまう
・激しい兄弟げんかが多い
・お友達とのやり取りでけんかになりがち

などですね。

周りに理解されずに孤立しているといった「困り感」が多いご家庭は、一度受診すると解決のきっかけが見つかると思います。

 

ー受診をして診断がつくことでどう変わるのでしょうか?

 

田中:診断をつけることによって大きく何かが変わる、というわけではありません。ですが、発達障害の特性や傾向は世の中に知られるようになってきているので、診断がつくことによって、親御さんや周りの人たちが子どもを理解しやすくなり、その子に合った対応ができるメリットはあります。

また、クリニックだけでは子どもの行動を変えることは難しいのですが、療育と繋がることでお子さんにプラスの影響があるほか、親御さんが療育的な関わり方を取り入れることによって周りの環境が整い、お子さんが安定していくんです

受診をとおして、ちょっとでも子育てに前向きな気持ちになれて、親子の笑顔が増えたらいいなと思っています。

これが「普通」なら普通ってなに?育児に困り果てた保育園時代

 

では、実際にマーガレットこどもクリニックで発達外来を受診したAさんは、どのような状況で受診に至ったのでしょうか?これまでの経緯や受診後の生活について伺いました。

 

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Aさん:都内在住の2児の母。長男(受診当時小1)の育てづらさに悩み、、区の発達支援センター、児童精神科のクリニックを受診した後、マーガレットこどもクリニックの発達外来を受診。(※画像はイメージです)

 

ーAさんは子育てに関してどのような困りごとがあったのですか?

 

Aさん:小1の長男が、気性が荒かったり、落ち着きがなかったり、4歳くらいまでは手を離すとすぐどこかに走っていっちゃうということがあって、「この子はでこぼこがあるな、なにか診断名がつくんじゃないかな」とずっと感じていました。

でも、そのことを夫や保育園の先生に話しても「やんちゃで大変だけど病気ではないんじゃないの?」と言われて。これは特性なのか、特性といってもこんなに大変なのか……と思う日々でした。

 

ー発達外来や相談に行くことになったきっかけにはどんなことがあったのでしょうか?

 

Aさん:長男が年中の頃に引っ越しをして、保育園を転園しました。すると、予想以上に新しい環境に適応できず、チック症(※)とかも出てきたんですね。家でも手を付けられないレベルのかんしゃくを起こしたり……。これはもう無理だと感じて、知人の紹介で区が実施している発達支援センターで面談をしてもらいました。

※チック症:本人の意思とは関係なく、身体の一部が突然不規則に動いてしまったり声が出てしまうことが繰り返されるもの

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※画像はイメージです

 

でも、結局は「発達障害の診断が出て、療育に通うといった状態ではなさそう」といった結果でした。折り合いをつけながら付き合っていくしかなく、日々難しさを抱えながら生活していました。

 

自己肯定感が下がっていく息子。本人も周りとの関わりに困っていた

 

ー保育園から小学校に上がって、お子さんにはどんな変化がありましたか?

 

Aさん:小学校に上ると、予想を上回る大変さでした。

はじめは学校がいやで泣いて登校できませんでした。学校生活に馴染んできたと思ったら今度は友達にちょっかいを出したり授業に集中できなかったりといった状況でした。

改めてやっぱりでこぼこがあるなと感じたので、一度ちゃんと検査をしてもらおうと思って友人に紹介された病院に行きました。

 

ーマーガレットこどもクリニックを受診する前に、別の児童精神科のクリニックを受診されたんですね。

 

Aさん:はい。そこでもWISC(ウィスク)検査や発達障害の診断テストを受けましたが、それほど大きなでこぼこはなく、いわゆる診断名がつくほどではないという結果でした。先生との相性もあまり良くありませんでした。

 

そんな折に、マーガレットこどもクリニックで発達外来がスタートするという話を聞きました。

息子が小学校生活を送る中で、私も困っ ていたけど、本人も困っていることがわかってきたんですね。例えば、友達になにかされて言い返したりやり返したりすると、周囲からは「またAくんがやってる」と見られてしまい、息子だけ怒られることが多いんです。先生からすると問題児なんですよね。やることなすことを全部怒られて、どんどん自己肯定感が下がっていってしまって。まだ小1なのに、息子は自分はバカで怒られてばっかりのダメな子だ、と思うようになっていました。

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※画像はイメージです

 

あと、衝動性が強いところがあり、面白くなるとやめられなくなってしまって、相手が嫌がっていても気づけない、といったこともありました。

そういったことにどう向き合ったらいいのかを知りたくて、マーガレットこどもクリニックの発達外来に相談に行ったんです。

 

 

「言葉よりも態度で教えてもらった」子どもの特性との向き合い方

 

ーマーガレットでの診察は、どんな内容でしたか?

 

Aさん:我が家の場合は、私と息子と1人ずつの問診があり、最後は二人でいっしょに話を聞きました。以前受診した児童精神科のクリニックでは、心理士さんが別にいてテストをしたりなど1時間ほどかかる一方で、実際に先生と話すのは5分あるかないかでした。とにかく待つし半日ががりでしたが、マーガレットでは先生と60分たっぷりお話することができました

 

ー室伏先生の診察はどうでしたか?

 

Aさん:まず行ってよかったなと思いました!問診でも「否定する」ことがまったくなく、息子のそのままを受け入れてくれる姿勢でした。それがわかるのか、息子も安心して話していたし、すごくよくみてるんですよ、子どものことを。

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発達外来では担当の室伏先生が丁寧にお話を伺います

 

Aさん:初めて入る診察室なので、息子もキョロキョロしていて……。先生が話しかけていても、またいつものように聞いてないなと思って見ていたんですが、ちゃんと質問に回答したので、「えっ?聞いてないようにに見えるけどそうじゃなかったんだ」と驚きました。室伏先生はしっかり見てくださっていて、「視覚情報が色々入っちゃうからキョロキョロしてましたけど、ちゃんと聞いてましたよね、ずっとすごく真剣に」って。

 

Aさん:印象的だったのは、先生のスタンスでした。

『親もそうだけど、私もその立場に実際になったことがないから、視覚情報がどんどん入ってくることがお子さんにとってどういう状態なのか、本当に理解してあげることはできない。そこが難しいんですよね。でも、完全には理解できなくても、想像することはできるし、持っている特性によってお子さんが困らないように環境を整えてあげたり、お子さん自身にこういうことに気をつければいいよと伝えたりすることで、大人が助けてあげることは出来ますよね』といったスタンスで、話をしてくれました。

診断名がつくほどではないという点では結果は同じだったんですが、何に困ってて、どういう状況で、それを受け入れるとはどういうことなのか、先生の態度から教えてもらった感じがしていて、それが一番良かったなと思っています。

 

ーAさんご自身の受け止め方や接し方の考えが少し変わった、といった感じでしょうか?

 

Aさん:そうですね。あと、先生が子どもにわかりやすい言い方をしてくれたのも良かったですね。こんなやり取りがあったんですよ。

 

 

お子さん:嫌なやつがいて、いつもなにか嫌なことをされるとやりかえしちゃう。

先生:あー、わかるわかる。先生もね、すごく嫌いな人いるよ。でもそういうときね、先生大人だからいいこと知ってるんだ。

お子さん:?

先生:無視するの。だってそんなやつにやりかえして、先生に怒られたらイヤじゃん?だから、無視するといいよ~。そしたら相手も絶対、つまんなくなって何も言ってこなくなるから。じゃあそれやってみる?

 

 

こういういう感じで話しかけてくれたことは、息子も覚えていて頭の中に入ってるんですよね。受診からしばらく日が経ったときに、また友だちとけんかをして帰ってきたときがありました。でもそのときも、室伏先生のお話を思い出して、「わかった。明日もむろっちルールでがんばる」ってなったんですよ。

子どもに寄り添う、っていうと言葉は簡単になってしまうんですが、でもこういうことなんだなーって親にも伝わってきました。

 

 

自分だけで悩まないで、専門家にぜひ相談を!

 

ー様々な窓口やクリニックで相談をされてきた今、どんな方に発達外来をおすすめしたいと思われますか?

 

Aさん:ちょっと心配だったら受診していいと思います。私は最初のハードルが発達支援センターでした。もっと明らかに病名がついている子が行くところだと思っていたので、ちょっとした発達の悩みを相談できるって全く知らなかったんです。まし てや発達外来となると、ものすごく勇気がいるように感じますが、話を聞いてもらうだけでも救われると思います。

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※画像はイメージです

 

Aさん:自分だけで悩んでいると、この子は病気なんだろうかとか、病気だとしたらどうしたらいいのかが分からないんですよね。でも、専門家が診たら、特性が分かるし、それに応じてこうすると親子ともに楽ですよっていうアドバイスがもらえる。診断名がつくかつかないかの問題じゃなくて、より適切な関わり方ができるようになることが大事だと思います。

「なんか育てるの大変だな」とか、「この子はちょっと落ち着きがないな」とか「なんとなく心配だな」と思うことがあれば発達外来を受診してみる価値はあると思いますね。

 

ー実際の経験に基づく貴重なお話、ありがとうございました!

 

 

お子さんの自尊心を育て、自信を持った幸せな大人になることをお手伝いしたい

 

最後に、実際に診療にあたっている室伏佑香先生からのコメントです。

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忙しい毎日の中でお子さんに向き合い、困難に共に戦っていらっしゃるご家族のお話を聞かせていただいて、本当に頭が下がる想いです。

 

いらいらしてしまう、しんどくて逃げ出したくなる、将来を不安に思ってしまうなど、お話いただくことがありますが、きっと私も同じような気持ちになるだろうなと思いながら、お話をお伺いしています。

お子さんのことを誰よりもよく知っていて、誰よりも想っていらっしゃるのはご家族であり、ご家族にはかないません。でも、外の人間だからこそ、客観的にちょっと視点を変えて見ることができたり、日々の困難さに埋もれてしまった強みが見えたり、その大変さにはこんな対応が合うかもしれないとご提案もできるのではないかと思っています。

 

お子さんがどんなふうに感じて苦しんでいるか、なぜそんな言動にいたるのか、それをご本人、ご家族と一緒に考える中で、お子さんの大変さとその頑張りを理解し、それに合わせた対策を考えていけたらいいなと思います。

 

診断は、園や学校、療育などお子さんを取り巻く周囲の方々の理解を得るために時に必要なこともあります。

ただ、同じ診断であっても、お子さんが感じていること、困っていること、特性、家庭や学校の環境は、一人一人違い、必要な対応もぴったりくる対処法もきっと異なるので、これらをゆっくり一緒に探っていきたいです。

 

最終的には、もしどこかに困難さがあっても、お子さんがこれらとうまく折り合いをつけて、自信を持った、幸せな大人になることが一番の目標だと思っています。

これには、困りごとに対する工夫や、達成感や自信を感じられるような関わり方や課題設定、安心を感じられる環境調整が大切だと思います。大事な大事な幼少期に関わり、自尊心を育てるお手伝いが少しでもできたら嬉しいです。

 

受診の動機は、みなさま異なっていて、診断をつけてほしい、こういった行動が障害にあたるのか知りたい、検査をしてほしい、対策が知りたい、将来が心配、とにかく大変でどうしたらいいのか分からない、など様々です。あまり気負わず、気になることがあれば、お気軽にご相談ください。

 

マーガレットこどもクリニックでは隔週土曜日の午前中に発達外来の予約を受付しています。

少しでも子育ての悩みや不安が和らいで、親子が笑顔でいられるお手伝いができれば幸いです。

発達外来の詳細は、下記サイトをご覧ください!

 

マーガレットこどもクリニックの発達外来についてはこちら


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