「◯日までに申請してください」とルールがあるのに期日を守ってもらえず、期日を過ぎてからが催促や再依頼(以下、リマインド)の本番……人事や経理、法務部門などのバックオフィス部門の仕事のうちリマインドが業務の50%以上を占めているといっても過言ではないのではないでしょうか?
「もしリマインドが不要で、全ての申請が期日までに揃っていたとしたら……」
結果、他の業務に割ける時間が増え、リマインドを行う管理職や中間管理職の負担も軽減され、リマインドを受けるスタッフも再提出の手間から解放されるはず。
リマインドによる組織全体の負担が軽減されることで、一体どれだけの時間が創出されるのか……!?
これが、わたしたちの取り組みのスタート地点でした。
フローレンスのカルチャー「誰かじゃない。わたしがやる。」
フローレンスは事業開発、政策提言、文化創造の3つの軸で、日本のこども・子育て領域の社会課題解決と価値創造に取り組む団体です。
「今を生きるわたしたちとまだ見ぬこどもたちが希望と手をつないで歩める社会。さあ、心躍る未来へ。」をビジョンに掲げ、「事業をつくり、しくみを変え、文化を生み出し、ともに「新しいあたりまえ」を未来に手渡そう。」というミッションのもと、多様な保育事業を運営する他、「こども宅食」「おやこよりそいチャット」「にんしん相談」「赤ちゃん縁組」などの福祉事業と支援活動を全国で展開しています。
「大人もこどもも希望と手をつないで歩める社会」を目指すには、「新しいあたりまえ」の力で、社会を切り拓いていかなければなりません。
そのためにわたしたちが大切にしている行動指針が「カルチャー」です。
度重なるリマインドにより業務が圧迫される状態は、
・リマインドを生じさせる依頼側の仕組み化不足
・「あとでやろう」「そんな重要じゃないだろう」といった対応者側の意識の問題
など、いろいろな要素が組み合わさって生じるものであると考えています。
リマインドが頻繁に生じている状態は、フローレンスの行動指針である「誰かじゃない。わたしがやる。」と真逆の状態であるといえます。
この負のスパイラルを変えるため、フローレンスのもう1つのカルチャー「いろいろあるさ。それでも、ごきげんでいこう。」から生まれたのが、不毛なリマインドを地球から撲滅するためにやってきた「きまりまもるくん」というキャラクターです。
きまりまもるくん 誕生秘話
ある日の「未来の組織づくりミーティング」(経営陣+マネージャーの会議体)でのことでした。
社会情勢の変化に柔軟に対応できる働き方にシフトしていきたいものの、現時点で各種申請の期日が守れておらず、社内ルールを守った自律的な働き方をしているとは言い切れない。
強制ではなく、スタッフが自律的にルールを守ろうとする意識を高めてもらうことで、結果として「フローレンスのカルチャーの実践」に繋がるのではないか。カルチャーを体現し、実行できる施策にしたい。
どうせやるなら、面白く、わかりやすく、そして意識が高まるような形で実行できないか。
誰かがポリスに扮して社内を巡回するという案(笑)も浮上したのですが、ここは2次元キャラクターを作り、キャラクターから代弁してもらうことにしました。
ルール、つまり「決まり」をあたりまえに守る、ここから「きまりまもる」というキャラクター名が決定しました。イメージは、可愛い顔してちょっと牙を持っている某クマのぬいぐるみからインスパイアされて、このようなビジュアルになりました。
きまりまもるくん サポート活動
人事のリマインド3大トピックスである「勤怠ルールを守る」「健康診断(事後措置を含む)を期日内に受診することを守る」「年末調整を期日内に申請・提出することを守る」からスタートしました。
守ることができなかったスタッフ宛に、きまりまもるくんから直接以下のようなメッセージが届く仕組みです。
「●●を期限までに提出してください」という一方的なリマインドでなく、きまりまもるくんというキャラクターから注意を促されることで、よりライトに、しっかりとルールを守ってもらうためのサポートを行ってくれました。スタッフ皆さんの意識改革にも一役買ったと感じています。
きまりまもるくんのこれから
きまりまもるくんのサポート活動により、人事からのリマインド回数は約50%減少しました。
これは、リマインドにならないように上司が事前にインプットしたり、人事労務担当がチェックを強化するようになったことも影響していると考えられるため、スタッフ自身の「私がやる」を促せているか、という点ではまだ道半ばといったところですが、社内の意識改革にきまりまもるくんも一定の効果を上げていることは間違いありません。
スタッフの自律的な行動がフローレンスの「あたりまえ」になったとき、きまりまもるくんは地球から、家族の待つ故郷の星へ帰ることができます。
「きまりまもるくんを早く故郷の星に帰してあげたい!」そんな想いを胸に、フローレンススタッフの自律的な行動を叶えるべく、きまりまもるくんと人事チームは今後も二人三脚で活動を続けます。
フローレンスは20周年を迎え、スタッフ数も事業の幅も広がり多様化してきました。多様さを下支えすることが、わたしたちバックオフィス部門のミッションです。
今回ご紹介したきまりまもるくんの活動や、これまでにない新しいあたりまえを作る事業の基盤を支える仲間になりませんか?
フローレンスで活躍するスタッフが、「この組織にいて良かった!」と心から思えるような人事制度を企画したり、多様な職種・雇用形態のメンバーを採用したり、その土台となる労務管理や福利厚生などの手続きを滞りなく進めるなど、走りながら試行錯誤を繰り返す日々です。
今回ご紹介したきまりまもるくんの活動や、これまでにない新しいあたりまえを作る事業の基盤を支える仲間になりませんか?