25日、自民・公明両党は、待機児童の解消に向けて、保育士の給与を4%程度引き上げることや、小規模保育所の定員を弾力的に運用することを盛り込んだ緊急提言を取りまとめました。保育士の処遇改善に焦点が当てられたこと、小規模保育所の役割が評価されたことなどは、大変喜ばしいことですが、更に一歩踏み込んでほしいと考えています。
待機児童の原因の大きな理由は、保育士不足。
保育士有資格者は2014年で124.6万人。その内、保育士資格を持っているけれど、保育士として働いていない「潜在保育士」は68万人と言われています。
しかし、上記の「潜在保育士」68万人のうち、「条件がクリアされたら、保育士として働くことを希望するか?」を聞いたところ、なんと63%もの人が、「希望する」と答えています。
「保育士としての就業を希望しない理由」で最も多いのは、「賃金が希望と合わない」こと。
2013 年時点の保育士の月収は、20.7 万円であり、これは全産業平均の 29.5 万円を大きく下回っています。
解決策としては、公定価格、すなわち補助単価を上げることが求められます。
厚生労働省の調査によると、保育の量拡大に伴って必要とされる保育士数は、平成29年度末で約46.0万人、現在の保育所における保育士の離職率等を考慮して推計した保育士数は、平成29年度末で約38.6万人とされています。
結果、平成29年度末における保育士数は、約7.4万人不足します。
認可保育所の保育士数(常勤換算保育士数)は現在35.6万人。現在働いている保育士数の2割近くの人員が不足する、という未曾有の事態です。
今回の提言では保育士の給与を4%引き上げるという案が出ていますが、この案では月額8,000円、日給にすると400円、時給だと50円程度の増額にしかならず、根本的な保育士の処遇改善には至りません。
私たちフローレンスは、「特別処遇改善加算」等によって、保育士給与の月平均10万円の増額を可能にする、より一層踏み込んだ政策を強く要望します。