児童虐待の防止のためには、地域の自治体や民間団体など様々な関係機関が連携して、子育て家庭を見守っていくことが必要です。
フローレンスでは、子育て家庭にとって身近な存在である保育園等(※)が担ってきた「子育て家庭への見守り機能」に着目し、2023年度に以下の取り組みを実施しました。
・保育園等 地域の見守り機能を果たす施設の視察 ・保育事業者向け親子支援実態アンケート調査 ・自治体向け「保育園等を通した地域の見守り体制強化のための勉強会」の実施 |
本記事では、これまでの取り組みについてご報告させていただきます。
(※)本記事において、保育所、幼稚園、認定こども園、その他小規模保育事業等の総称として「保育園等」という言葉を使用しています。
保育園等地域の見守り機能を果たす施設の視察の実施
地域の子育て家庭への見守り機能を果たす施設の調査として、発達・養育両面からの支援に取り組む保育園のモデル事例や、フリースクール、在園児に限らず広く地域の子育て世帯の見守りを実践している事例を中心に視察を行わせていただきました。
視察の一部をフローレンスのウェブサイトでも公開しています。
▼視察レポート
各施設への視察やインタビューを通して、保育園等を通じた家庭への支援において、園内での体制づくりのほか、園だけで解決しようとするのではなく他機関や園外の協力者と連携することの必要性・課題など、様々な観点で教えていただきました。
視察にご協力いただいた各施設の皆さん、誠にありがとうございました。
保育事業者に向けた親子支援実態アンケート調査の実施
また、調査規模を広げ「在園家庭・地域の家庭の中でも支援が必要だと思われる保護者や子に対して、保育事業者が現在どのような支援を実施しているのか?」を明らかにすることを目的に、全国の保育事業者に向けたアンケート調査を実施しました。
本アンケートから、保護者やこどもの状況、保育園等に期待される役割が近年変化していく中で、それに見合った体制が園内で築けず、園が大きな負担や課題を抱えている状況が浮かび上がりました。
また、この状況を解決していくために、行政に対する期待として重みのあるメッセージも多数寄せられていました。
調査結果については、以下のリンク先からご覧いただくことが可能となっておりますので、ぜひご覧ください。
▼調査結果レポート
自治体向け「保育園等を通した地域の見守り体制強化のための勉強会」の実施
上記の「保育事業者向け親子支援実態アンケート」の結果を踏まえ、フローレンスでは自治体向け勉強会として「保育園等を通した地域の見守り体制強化のための勉強会」を実施しました。
【勉強会概要】 ◇タイトル: 保育園等を通じた地域の見守り体制強化のための勉強会 ◇主催: 認定NPO法人フローレンス みらいのソーシャルワーク事業部(現:支援を広げる事業部)保育ソーシャルワークチーム ◇内容: 1 . 保育園等を通じた地域の見守り体制強化が求められる実態・政策動向 2 . 保育事業者による事例紹介 – 幼保連携型認定こども園るんびにこどもえん(自治体と連携して家庭支援に取り組まれている事例) -フローレンスおうち保育園かしわぎ (地域の子育て支援拠点としての実践事例) 3. 保育園等を通じた地域の見守り体制強化のために大切なポイント |
▼勉強会の開催レポート
本勉強会には自治体・保育施設の運営団体の関係者など145名の方にご参加いただきました。
保育園等を通じた見守り体制の強化のためには、親子のサポートを園に任せるだけではなく、親子を支える園をサポートするための仕組みや地域の体制整備が必要です。
今回の勉強会が、親子を支える保育園等の可能性、そしてその保育園を支えるために仕組みづくりの必要性を知っていただくための1つの機会となっていれば幸いです。
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
保育現場を起点としたソーシャルアクション
フローレンスは、今後も保育現場を自分たちの手で運営しながら、日々受け取る親子や園スタッフの生の声や培った事業ノウハウを社会に広げ、日本のこどもを取り巻く環境を改善していくために、様々なアクションを行っていきます。
ぜひ、今後ともフローレンスの活動を応援いただきますよう、よろしくお願いいたします。
※本取り組みは「令和5年度見守り体制強化促進のための広報啓発事業」の助成を受け実施しました。