未来への新たな船出:フローレンスが事業報告会で新体制と力強いビジョンを発表
9月20日(土)に寄付者向け事業報告会をハイブリッド形式で開催しました。会場となった日本出版クラブには約20名が、オンラインでは約70名の申し込みがあり、終始温かな雰囲気の中、フローレンスの新たな一歩が共有されました。
新経営チームが掲げる「変革者魂」
本報告会では、赤坂代表理事をはじめとする新しい経営体制が紹介されました。赤坂とともに、新副代表理事の杉山、黒木が登壇し、皆さんにご挨拶を行いました。
新経営体制が大切にしたい価値観として掲げたのは「変革者魂」です。「変化上等、わくわく変わろう」「カオスの荒れ地を突き進め」といったフローレンスが定めるカルチャーにも通ずる、スタッフ一人一人のエネルギーを活かして社会課題の解決に向けてさらに前進していく決意を表明しました。

また、年末に会長を退く創業者の駒崎がビデオメッセージで登場。これまでの感謝とともに自身の新たなチャレンジについて語り、フローレンスへの変わらぬ支援を熱く訴えました。
現場から社会を変える――具体的な事業報告
報告会では、フローレンスの活動の柱である各事業の成果報告を行いました。
政策提言:現場の課題を「新しいあたりまえ」に

政策提言チームからは、支援現場で見つかった課題を社会の仕組みに変え、「新しいあたりまえ」を実装していく取り組みをご紹介しました。2024年度は特に大きな成果があった年として、主に2つの法制度の実現が挙げられました。
「こども誰でも通園制度」の実現:親が働いていなくてもこどもを保育園に預けられる制度で、2026年度からの本格実施が決まりました。これにより、孤立しがちな未就園児家庭への支援が大きく前進します。
「日本版DBS」の創設:こどもと接する職場で働く人の性犯罪歴を確認する仕組み「日本版DBS」の創設を含む法律(こども性暴力防止法)が成立しました。これはフローレンスが長年訴え続けてきた悲願であり、こどもたちを性被害から守るための重要な一歩です。
こども冒険バンク:体験格差をなくし、こどもの未来を育む

「こども冒険バンク」は、国内ではこどもの約9人に1人が相対的貧困の状態にある中、さまざまな事情により体験が不足しがちな家庭のこどもたちに体験を届ける事業で、こどもの「やってみたい」を社会で応援する仕組みづくりを目指しています。
2024年8月1日に事業をローンチし、1,695世帯の会員登録を達成。29社の企業の皆さんより6,704枠の体験提供をいただきました。(2025年8月15日時点)
報告会では、実際の体験の映像や写真が紹介されました。
ハイブリッドソーシャルワーク(HSW):制度の狭間で孤立する親子に寄り添う

複雑な課題を抱え、既存の公的支援だけでは支えきれない親子に、オンライン(LINE相談)とオフライン(対面支援・訪問)を組み合わせた「伴走型支援」を届けるのがハイブリッドソーシャルワーク事業です。2022年の事業開始から、これまで15,564世帯の子育てに伴走してきました。
「なかなか相談窓口に出向くこともままならない中で、LINEで色々な相談を聞いていただき、訪問相談まで繋いでいただいて、大変救われました」といった利用者の言葉もご紹介しました。
支援者の声が活動の力に

事業報告のあとで、長年寄付を続けてくださっている方からコメントをいただきました。元々はフローレンスの病児保育会員だったというその方から、次のような声が寄せられました。
「フローレンスの病児保育がなければ、夫婦ともに仕事を続けられなかった」
「社会で一番困っている人に支援を届ける、その目線が素晴らしい」
「今後はボランティアなどでも積極的に関わりたい」
この言葉は、フローレンスの活動を支援することが自身の人生を支え、それが社会全体の支援の輪へとつながっていくことを象徴していました。
未来を育てる新たな取り組み
今後の活動として、フローレンススタッフ一人一人の「やりたい」という想いから生まれる「イシューリーダー」の取り組みも紹介されました。現場の情熱を起点とした新しい挑戦を、寄付者の皆さんとともに育てていきたいというメッセージをお伝えしました。
会場参加者のみで行われた交流会も大いに盛り上がり、「政策提言をこれほど本格的にやっているとは知らなかった。ノウハウが素晴らしい」といった、フローレンスの多角的なアプローチに対する驚きと称賛の声も寄せてくださいました。
今回の報告会は、フローレンスが支援者の皆さんとの信頼関係を基盤に、新体制のもとで力強く未来へ向かっていくことを示す、貴重な機会となりました。
なお、当日のイベントの様子は、今後映像コンテンツとして一部公開する予定です。
フローレンスは、これまでも社会の片隅にある声なき声に耳を傾け、多くの課題解決に挑んできました。
皆さんからいただくご寄付が、まだ光の当たらない問題に最初の一歩を踏み出す勇気となり、支援を待つ親子の未来を拓く力となります。
すべてのこどもたちが希望をもって歩める社会を実現するために、フローレンスの活動を応援してください。




