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アクション最前線

2019/05/15

電力会社が生み出した、あたらしい助成の形。共に事業を育てる「ビジョンパートナー」とは

  


フローレンスの関連団体である一般社団法人こども宅食応援団が一般社団法人自然基金(以下、自然基金さん)の助成第1号となることが決定し、そのプレスリリースが5月13日に出されました。

自然基金とは?(自然基金webページより

「自然基金」は、太陽光・風力・小水力などの自然エネルギー発電所設置、運営、保守事業を行っている自然電力グループのDNAを引き継いで生まれた、新しい基金です。

インフラ、食の安全、子育て、医療、教育…地方でも都市部でも、人々が暮らしを営む地域の中では、日々様々な課題が生まれています。ただ、多くの課題は他の地域で現在または将来に起こりうるものであり、これらを解決することはその地域を超えてこれからの社会づくりの鍵となります。

自然基金は、地域に根ざした自然エネルギー事業を展開する自然電力グループの取り組み「1% for Community®」から生まれました。地域との共創により社会システムの変革を促し、新たなお金の流れを生み出す事に挑戦していきます。

一般社団法人こども宅食応援団とは?

文京区で取り組んでいる「こども宅食」を全国に展開するために2018年10月に設立。活動拠点である佐賀県を起点として、こども宅食事業の立ち上げの資金助成や伴走支援、ノウハウ提供、コミュニティ形成、広報や情報発信などを行い、全国の各地域で「こども宅食」が行われるような環境を整備していくことを目指している。

一緒に作り上げた「ビジョンパートナー」という新しいカタチの関係性

今回、縁あって自然基金さんからこども宅食応援団にお声がけを頂いたのですが、実は、今回の助成の話がまとまるまで、担当者間でかなり議論を重ねており、「そもそも目指す助成とは?」といったコアの部分に至るまで、互いの意見のすり合わせを行ったという経緯があります。

最初の顔合わせでは、自然基金さん、こども宅食応援団双方で、お互いが何を目指しているか、どんなことをやっていきたいかという話をして、お互いの事業に強い関心と共感を覚えたのですが、その際、どちらともなく「いわゆる普通の助成でいいのだろうか」という話になりました。

というのも、お金を渡す/もらうという「普通の」助成だと、助成をする側が「助けてあげる」、助成を受ける側が「助けてもらう」という上下の関係になってしまうのではないか。けれど実際に私たちが取り組もうとしていることは、お金をあげてやってもらう、お金をもらったからやる、というわけでもない。

金銭の授受はあるけど、自然基金とこども宅食応援団は対等な関係でいられるといいですよね

目指すべき方向のためにお互いがやれることをやる、それが一方は助成で、もう一方は事業の推進だというだけですよね

助成する側も「助成したら終わり」という気持ちでいてはいけないのでは

双方にとって今回が初の助成ということもあり、このように助成の意義やコンセプトについて担当者間でかなり深く議論することになりました。

そうした議論の中で出てきたのが「ビジョンパートナー」という言葉でした。

「ビジネスパートナー」というのは双方利益がある、いわゆるwin-winの関係を指す言葉だと思いますが、それだと同じ方向を向いているとは限りません。

対等な関係のもとで同じビジョンを共有し、その実現に向けてお互いがベストを尽くすことで相乗効果を生む、という今回の新しい関係には「ビジョンパートナー」という方がふさわしいのでは、ということで、助成の方向性が決まりました。

実際に今回の助成では、目標設定の考え方が従来のものとは全く異なっています。

通常の資金助成の場合、助成先が提出した事業プランに対して目標値を設定し、助成元がその結果を評価するという形が一般的です。

今回の助成では、助成元である自然基金さんは第三者としてこども宅食応援団の活動を評価するというだけでなく、パートナーとして事業推進にも一部コミットして頂くことになっています。

これは大変珍しい取り組みであり、ビジョンを共有し、その実現のために役割分担する「ビジョンパートナー」としての関係性を助成に反映させることで、理念だけでない、実のある関係を目指していこうとしています。

キャプチャ

今回の助成によって目指すこと

それでは、今回の助成で具体的に何をやっていくのかということですが、以下のことが決まっています。

こども宅食応援団

助成して頂いた資金を活用し、全国各地で類似の事業を推進している団体を取材しコンテンツとしてまとめて、今秋リリース予定のWebページにて公開。

事業及び地域団体の活動の認知を上げていく。また、取材を通じて出会った全国各地の団体が一堂に会する「こども宅食ミートアップ(仮称)」を主催し、各地の事例を関係者間で共有し連携できる状況を作り出す。

自然基金さん

自然電力グループの関わる、各地の自然エネルギー発電所の収益の一部を基盤とした資金の助成だけでなく、自然電力グループが培ってきたネットワークを活用し、各地域の自治体に対し、こども宅食事業についての案内を行う。事業に興味をもっていただける自治体があった場合、先述のミートアップに招待する。

また、自然基金さんとは上述の内容だけではなく、自然電力グループの持つ資源や、関係を築いてきたパートナーとこども宅食を具体的に結び付けることができないか、といったことも、現在進行形でディスカッションを続けています。

こうしたやり取りができているのは、既存の助成する/されるの関係にとらわれない、「ビジョンパートナー」として並走できているからだと思っています。

こうした関係を築いていけるのは、自然エネルギーの発電所を各地域のパートナーたちと作り、そこで生み出される電力と利益を地域、引いてはより良い社会作りのために還元していきたい、という自然電力グループの理念が確たるものだからであると、今回の助成で強く感じました。

こども宅食応援団としては、頂いた助成金を事業推進のために確実に役立てていくのもそうですが、助成団体に限らず、こうした考え方をもった企業、団体が増えていくことに少しでも貢献できればと思っています。

また、自然基金さんの目指す未来やアプローチ(投資・助成基準)について興味がある方は自然基金さんのwebページをご覧ください。

自然基金さんのホームページはこちら

こども宅食応援団では活動資金をふるさと納税で集めており、こちらのページから寄付を受け付けています。返礼品なしで事業のためにすべての寄付金を活用させて頂く形になっておりますので、ぜひご支援頂ければと思います。

このよき縁を活かして、共有するビジョンの実現に向けて、一歩ずつ進んでいきたいと思います!ご支援、よろしくお願いいたします。

こども宅食の全国展開の応援はこちら



書いた人:今井峻介


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