フローレンスは2019年5月8日からスタートした【#この髪どうしてダメですか? 地毛の黒染め指導はやめてください 署名キャンペーン】に賛同しています。
本日2019年7月30日、東京都庁にて東京都教育委員会に署名をお渡ししましたので、お知らせいたします。
本署名キャンペーンは、2019年5月8日~2019年7月26日までに、約2万人もの方からご賛同をいただきました。
このうち海外からの署名も1,925名あり、反響の広がりに関係者一同驚きました。
署名だけでなくコメントも1,471筆寄せられています。
ご賛同いただきました皆さん、本当にありがとうございました!
本日は多くのメディアがかけつけ、既に様々な媒体で報道がされはじめています。
ハフポスト【学校での、地毛の「黒染め」指導はやめて。約2万人の署名が集まる。】
国内外約20,000人の要望を、教育現場へ
フローレンスも賛同する「#この髪どうしてダメですか・署名プロジェクト」は、”地毛の黒染め指導問題” がなくなることを後押しするために国内外から集まった19,065人(7月26日集計時点)の署名を東京都教育庁指導部高等学校教育指導課長 佐藤 聖一氏、東京都教育庁総務部教育情報課長 中西 正樹氏に提出しました。
提出の場には、発起人としてフローレンス代表駒崎弘樹、過去に地毛の黒染め指導を経験した大学生(U.O.さん)、弁護士の瀧口徹さん、賛同団体の株式会社キズキ/NPO法人キズキ代表の安田祐輔さんが出席しました。
駒崎は「子どもたちのために学校教育現場の改善に向けて、皆様と対話を繰り返したいと思っています。」と教育現場への期待を込めて署名をお渡ししました。
大学生(U.O.さん)は、「こういう経験をしている人たちは自分たちだけではなく、他にも何人かいる現状があると思います。皆さん辛いと感じていると思うので、一人で抱え込まずに、学校の先生や親御さんに相談してほしいと思っています。」とコメントしました。
署名を受け取った東京都教育委員会教育庁指導部の佐藤氏は、「頭髪指導を行うにあたり、学校と生徒、保護者の信頼関係を構築し、丁寧に対応することが必要だと考えています。」とコメント。さらに佐藤氏は、こうした認識のもと、生来の頭髪を一律に黒染めするような指導は行わないとする方針を明言しました。
東京都教育委員会に提出した内容は以下です。
要 望 書
内容
・東京都教育庁所管の都立学校において黒染め指導が行われないよう明確に通達してください
・各学校HPで校則の内容を掲載するなど情報公開を推進してください
現状と要望理由
私達は以下の理由から、学校現場での頭髪の黒染め指導撤廃を要望いたします。
(要望の経緯)
2019 年 3 月 18 日(月)に、ヘアケアブランド「パンテーン」が学生の髪型校則をテーマにした「#この髪どうしてダメですか」キャンペーンを開始しました。その中で実施した「髪型校則に関する調査」により、生まれつきの茶色い髪や天然パーマなどを証明するために「地毛証明書」の提出を義務づける中学や高校が全国的に多数あることがわかりました。そして地毛証明書を出したにも関わらず、生まれつき茶色い地毛を黒く染めるように促された経験がある人は、13人に1人に及ぶことがわかりました。
「パンテーン」のキャンペーンは全国で瞬く間に広がり、Twitterにて約18万件の関連ツイート、Webムービーは約1000万回再生、さらには数多くのTVをはじめとした主要メディアで取り上げられ、現在、この問題を社会全体で考える機運が高まっていると考え、2019年5月8日にインターネット上で「この髪どうしてダメですか?地毛の黒染め指導をやめてください」署名キャンペーンを立ち上げました。
2019年7月29日現在19,138人の署名が集まっています。
都民を含む多くの皆さんが学校教育現場の校則・および頭髪に関しての画一的指導に反対している現状を、お伝えすべく署名をお届けします。
(なぜ東京都の教育現場への署名提出なのか)
本プロジェクトは教員・保護者・生徒さんらによる対話を促し、学校教育現場で画一的な指導について見直しがされることを目的としているため、直接現場をもつ教育委員会にお届けしたいと考えました。
また、東京都は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、多様性とひとりひとりの可能性を輝かせる社会づくりを牽引しています。これからの日本を担う子ども達を育む学校教育現場では、髪の色をはじめ子どもたち1人ひとりが持つ個性を認め、生徒が共にのびのびと育ち合う環境をつくることを提言したい次第です。
東京都が所管外の私立学校教育現場、各自治体の教育現場に指導的立場にないことは承知しており、これら所管外の教育現場にまで施策の実行を求めるものではありません。
しかし、東京都が率先して教育現場の課題に取り組まれることは、私立学校や、全国自治体教育委員会への啓発にもなると考え、まず東京都教育委員会に署名および要望を提出しました。
<署名活動詳細 >
プロジェクト趣旨:「教育現場での地毛の黒染め指導」に焦点を当て、教育現場や社会全体で「対話」が生まれるきっかけをつくり、学生の「個性が尊重される社会」を目指します。
プロジェクト特設サイトURL:http://konokami.com
署名ページURL(change.org内):http://change.org/konokami
子どもの人権を真ん中に。フローレンスのアクション
フローレンスは現在25の保育施設を運営し、約7000を超える家庭に訪問型保育を提供する事業者として、多様な個性とバックグラウンドを持つ子ども達と接しています。
障害児や外国籍の子ども達も含め、フローレンスの保育現場では互いの個性を尊重しあい、自分の考えや意思を表現する自由を認めあっています。こうした子ども達が、将来就学年齢になった時に、地毛を黒染め指導されるような学校教育現場であってほしくはないと思います。
社会的なムーブメントをきっかけに教育現場で前向きな対話が行われることを期待し、本キャンペーンに賛同しました。
また、フローレンスの運営する保育園にも外国籍の子ども達が増えており、園によっては半数以上の割合である保育現場もあります。
在留外国人の子ども達(0~18歳)は約40万人いるとされます(※出典:在留外国人数「法務省在留外国人統計2018年6月」)。およそ50人に1人の割合です。
いわゆるハーフ(ダブル)の子どもを含めると多様なバックグラウンドの子ども達は更に多いでしょう。こうした子どもにとっても、地毛証明の提出および黒染め指導は差別的な対応と言えます。
認定NPO法人フローレンス 駒崎弘樹コメント
髪型や服装を統一することにパワーをかけるより、子ども達一人ひとりの個性をしっかり見てあげてほしい』
そんな願いが、一筆一筆の署名に込められていたキャンペーンでした。
署名はまずは10000人を目標にスタートしましたが、10日足らずで10000人を突破し最終的に国内外から2万人近くの方が関心を寄せてくれました。
海外から見れば、髪の色を学校に指定されるような文化は理解できないといった感想も寄せられています。
2020年オリンピック・パラリンピックを控えダイバーシティや国際化と謳う日本で、黒い髪だけが正であるという指導が行われているとしたら、ナンセンスではないでしょうか。
頭髪指導に限らず、学校教育現場での画一的な指導について教員・保護者・生徒さんを含めた社会全体による対話が推進されるべきと考えます。』
フローレンスは、「新しいあたりまえ」をつくっていくソーシャルアクション団体として、これまでもさまざまな社会課題を皆さんに投げかけてきました。
【お願い】「全ての子ども達に学ぶ機会を!」給付型奨学金の創設を求める署名にご協力ください!
【お願い】「もう、一人も虐待で死なせたくない。」総力をあげた児童虐待対策を求めます!署名にご協力ください。
新時代の「新しいあたりまえ」も、多くの皆さんが一人ひとり意見を持つことで生まれていくと私たちは考えます。
どんなささいな意見や感想であっても、たった1つのアクションであっても、社会を変化させていていく力になります。
ぜひ、本キャンペーンが多様性や自分らしく生きる権利について考えるきっかけになれば幸いです。
平成から令和に変わった今、社会になかった「あたらしいあたりまえ」を一緒につくっていきませんか。