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2019/12/18

悩みを抱える子育て家庭に寄り添い支援できるのは、保育現場だった!〜保育ソーシャルワークを全国へ〜

    


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家庭内の「見えづらい課題」にアプローチする「保育ソーシャルワーク」とは

児童虐待、孤育て問題など、近年、日本では子育てに関するさまざまな社会課題があげられています。
例えば、全国212か所の児童相談所で年間に対応した児童虐待相談件数は159,850件にものぼり、事態は深刻です。(厚生労働省「平成30年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数」2019年8月より)

小さな子どもが、虐待によって尊い命を落とすことがないように。子育てに悩む保護者が、たった独りで苦しみ続けることがないように。いろんな家族の笑顔があふれる社会の実現を目指し、保育事業者であるフローレンスが今もっとも力を入れている取り組みの一つが、「保育ソーシャルワーク」です。

ソーシャルワークは福祉の専門用語で、少し聞き慣れない言葉ですよね。
簡単に言うと、ソーシャルワークとは、困りごとを抱えている人が過ごしやすくなるよう課題について一緒に考え、サポートすること。支援を必要としている人の話を聞き、例えば支援施設や行政サービスなど、必要な機関等との関係を調整することもあります。

ではなぜ『保育』ソーシャルワークなのでしょうか?

ソーシャルワークを保育現場で実施するのが有効な理由は、乳幼児と保護者が家庭外で早期に接点を持つ「保育園」という現場が窓口になることで、課題を抱えて誰にも相談できずにいる子育て家庭にいち早くアプローチできるからです。保育園で日々、子どもや保護者に関わる保育スタッフだからこそ気づくこと、できることはたくさんあります。

図1

フローレンスが運営する東京と仙台の保育園では、2017年から保育ソーシャルワークの取り組みを実施しています。

フローレンスの場合は「保育ソーシャルワーカー」という専門職を独自に設置し、各園を巡回するスタイルをとっています。実際に、DVなど家庭内だけでは解決しづらい問題について共に取り組んだり、余裕がなく子育てに手が回らないご家庭を行政支援と繋げるなどの活動を続けています。

この、保育ソーシャルワークの取り組みを全国に広げていけたら、課題に悩み追い詰められる子育て家庭への全国的なセーフティネットになり得ると私たちは考えています。

会場の様子1

フローレンス発! 仙台市で保育ソーシャルワークの勉強会

そこで、フローレンスの保育ソーシャルワーカーを講師とし、仙台市青葉区をメインとする各小規模認可保育園で働く先生方を対象に、「第一回仙台保育ソーシャルワーク情報交換会」を行いました。当日は仙台市内の保育園の先生方が集まり、これからの保育現場で求められる保護者支援について、真剣に話し合いました。

会場の様子2

支援が必要な家庭への対応に悩む保育スタッフ達

保育園ではお子さんをお預かりするだけでなく、保護者が感じている子育ての悩みを聞き、相談に乗ることも少なくありません。

しかしさまざまな事情により、保育園だけでは対処できない内容の相談であったり、支援を必要としていながらも保育スタッフに対してなかなか悩みを相談できない保護者がいることも、また事実です。

今回の情報交換会でも、各園の先生方からあがってきた悩みで多かったのが、「保育園だけでは対応できない問題に対してどうすれば良いか悩む」「必要支援機関との情報連携がうまくいかず、適切な支援を提供することが難しい」「家族からの直接の相談がなく、その家庭が抱える『見えづらい課題』に対し、どのように対応していけばよいか判断が難しい」という点でした。

事例を上げると、保護者も子どもも極端に笑顔が少なく、ときどき怪我をして登園してくる…、といったようなすぐに変化に気付けるケースから、通常より子どもの発達が遅いような気がするが気のせいかもしれない…、と迷うようなケースまで、さまざまです。

事態が深刻化する前に困っている家庭へ寄り添いサポートしたい、と思う保育スタッフたちも、「気になるけれども、おおごとにするほどではないかもしれない」「この問題を、どこに相談すればよいのかわからない」と、なかなか自分たちだけでは判断がつかず、対応に悩んでしまうケースが増えてきています。

子どもたちを取り巻く環境が大きく変化する中で、これからの保育現場でも多様な子育て問題への対応が求められています。

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保育ソーシャルワークは、今すぐ保育園ではじめられる! 

たとえば、これら保育現場の課題を解消し、支援を必要とする家庭をいち早くサポートするために、フローレンスでは専門スタッフ「保育ソーシャルワーカー」を配置し、定期的に園巡回を行っています。保育ソーシャルワーカーは、社会福祉士、臨床発達心理士としての業務を経験してきたスタッフが務めています。

親子にとっても保育園にとっても、より良い適切なサポートが行える体制を整えることが急務であると考えているためです。また虐待など緊急度の高いケースはもちろんのこと、これまで保育スタッフが判断に迷い、すぐにフォローできずにいたケースについても、丁寧に状況を確認し対応していくことが重要だと考えています。

しかし、「保育ソーシャルワーク」は専門スタッフ「保育ソーシャルワーカー」がいなくてはできないものでは、決してありません。

保育園の周りには保育園とともにご家庭を支援してくれる関係機関が多くあります。その仲間の力を借りて、『大きなチーム』で協働すれば、保育ソーシャルワークは可能になるのです!

図2

保育ソーシャルワーカーは必要関連機関で構成される『大きなチーム』を作り、多方面から家族の支援が行える形を整えます。

子育て家庭を見守り、伴走する支援にあたる上で特に大切なのは、

・みんで親子を守りたい!という想いを、まずは持つこと
・親子との信頼関係を築くこと
・チームで協働し、サポートしていくこと

だと、フローレンスの保育ソーシャルワーカーは言います。

会場の様子3

「支援機関との情報連携の難しさ」「家庭の問題にどこまで踏み込めばよいのか」など、保育スタッフ達が抱える悩みについて、どのように対処していけばよいのか意見を出し合いました。

虐待や孤育てといった深刻な状況ではなくても、それぞれの家庭では、それぞれが子育てに関する悩みを抱えているものです。そして、何らかのメッセージを発信しています。

保育中、子どもや保護者の何気ない動作や言動から「あれっ、ちょっと気になるな……」と感じたら、保育ソーシャルワークの始まり。

常にアンテナを張り、子どもや保護者の些細な変化を見逃さないよう心がけることが大切です。
そして問題が深刻化しないよう、できるだけ早い時点での家庭へのアプローチが、特に重要になってきます。
保育ソーシャルワークは、保育ソーシャルワーカーだけではなく、保育に関わる全ての人がチームとなり、行っていくもの。保育ソーシャルワーカーがまだ配置されていない保育園でも、今日から保育ソーシャルワークを行っていくことができるのです。

親子に寄り添い、その笑顔を守っていくために、フローレンスはこれからも保育園同士で情報交換をし合う「保育ソーシャルワーク情報交換会」を始めとし、さまざまな取り組みを行っていきます。
そうして保育ソーシャルワークが、日本全国の保育園に浸透していって欲しい。一つでも多くの、課題を抱える家庭の支援に繋げたい、と願っています。

次回の情報交換会は、2020年3月5日(木)に開催。保育ソーシャルワークの事例紹介や、保育園で保育ソーシャルワークを実際にどのように行っていくかワークを通しながら実践していく予定です(開催日、内容については変更になる可能性もございます)。

その様子もまた後日、お知らせいたします。情報交換会についてご興味のある方は、mirai-michinoku@florence.or.jp(NPO法人フローレンス仙台支社 担当:勝又/清水)までご連絡下さい。


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