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インタビュー

2020/09/17

集団保育を希望していた親も、入園後“マンツーマン保育”を推すワケとは?【障害児訪問保育アニー保護者座談会】

  


こんにちは!アニー事務局の大木です。
保育園というと、子どもたちが集団で過ごす施設型の園を思い浮かべる方も多いかと思います。そのため、一人ひとりのご自宅に担任の保育スタッフが毎日訪問してマンツーマンで保育する「障害児訪問保育アニー」は、集団保育を望まれている親御さんにとっては想像しにくいかもしれません。

「やっぱり子ども同士のふれあいができる施設型が良い」といった声もちらほら…。

そこで、アニーについて一番よく知っているアニー利用者の皆さんに、急遽集まっていただき質問をぶつけてみました。 障害児や医療的ケア児を育てる親ならではの悩み、障害の有無に関わらず、育児をしながら働く親が抱える葛藤など、本音をたくさん伺うことができました。

すずきさん:会社員。
息子のRちゃんは現在1歳。酸素吸入が必要で2020年入園。最近一人でおすわりができるようになり、毎日が驚きの連続!

みのださん:会社員。
息子のSちゃんは現在3歳。導尿の医療的ケアが必要で2019年入園。絶賛、トイレトレーニング中!

わたなべさん:会社員。
息子のMちゃんは現在4歳。経鼻経管が必要で2017年入園。おしゃべりを親子で楽しんでいます。おすわり練習中!

はなわさん:会社員。
息子のYちゃんは現在5歳。経鼻経管と酸素吸入が必要で2014年入園。
リズムで体動かすのが大好き。お返事するときにボタンを押す技を練習中!

医療的ケアが理由で保育園に入れず 絶望感を味わった出産後

ーー今日はお忙しい中座談会にご参加いただきありがとうございます!ママだけじゃなくパパの参加もあってとっても嬉しいです!では、早速伺っていきましょう!

皆さん、医療的なケアが必要なお子さんの育児をしながら仕事もしている親御さんばかりです。お子さんに障害があるとわかり、アニーに入園するまではどんな気持ちで過ごされていたんですか?

(敬称略)

はなわ出産後、休職を1年間していましたが、この後どうするんだろうっていう絶望感だけでしたよね。使える社会資源がまず見つからないっていったところに苦労していました。

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NICUに入院していた頃のはなわさんの息子

わたなべ:私も同じく絶望していましたね。私たち家族だけでは、この子を育てられる自信がなくて、早くから訪問看護を利用したり、わりと周りの皆さんの手をお借りしながら、なんとかこの子の生活を良くしたいなって思ってもがいてたのを今思い出しました。

みのだ子どもは先天的な病気で医療的なケアが必要だったために、区の保育園には入園を断られていました。もうこのまま仕事にも戻れず無職になるんだろうか……という絶望感を私も当時味わったことを覚えています。

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幼い頃から医療的ケアが欠かせなかった、わたなべさんの息子

ーー皆さんから「絶望感」という言葉が出てきましたが、何人かの方が、地域のアニー利用者第一号だったりもするので、障害児を保育園に預けるという前例が少なくて手探りの中の子育てだったのもありますよね。

わたなべ:保育園を探し始めたとき、ちょうど「保育園落ちた日本死ね!!」と伝えたブログが話題になっていたときでした。同じような内容のブログを、ある障害児の親御さんも書いていたのを見つけたんです。

自分自身も、「障害のある子を産んじゃったけどどうしよう…」と思っていたところで、同じような境遇のお母さんのブログを読んでいたら、そのブログに寄せられたコメントの中に、「アニーというサービスがあるよ」と書き込みしているものを見つけました。「これだ!」と思って調べて知ることができました。

ーー偶然見つけたんですね!

わたなべ:そうなんです。見つけられてよかった。

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NICU入院中のすずきさんの息子

すずき:私は、退院後に自宅に訪ねてきた区の担当者から、「保育園の申し込みがもうすぐ締め切られる」っていうのを聞いて、急いで区役所に行ったときに知りました。当時、息子は酸素吸入を24時間使っていたのですが、それだと地域の保育園に入れないということで、区からアニーを紹介してもらいました。

ーーそうなんですね。医療的ケア児がいる中区役所まで行くのも大変だったと思います。頑張りましたね。

アニーと一緒に子育てすることで得た “子どもへの思いの変化”

ーー皆さん、無事入園することができて、変わったことはありますか?

はなわ:変わったよね…(笑)絶望感は少なくとも消えましたね。未来に希望を見いだせるようになりました。

わたなべ:確かにそうですね。

みのだ:やっぱり仕事を続けられたっていうのが一番大きなことでした。アニーに出会う前は、私は仕事を辞めてずっと家族だけで子育てをすることになるのかなって思っていたので。

すずき:そうそう。産休中は、子どもは1人で見てるという感じだったので、これからどういうふうに成長していくのかとか想像がつかなくて、漠然とした不安の中にいました。でも、アニーの担任の先生とか看護師さんを通して、子どもの成長を第三者の視点で話を聞けるようになって漠然とした不安が消えていったんです。

それまでは、どうしても子どもの“できないこと”ばかりに目を向けがちだったんですけど、少しずつできることが増えてるんだなって思えるようになって、安心感に変わっていきました。

ーーなるほど。育児が初めてな上に医療的なケアが必要となると最初はどうしたらいいのかわかりませんよね。

わたなべ:私は当時、どうやって息子と遊んだらいいのかがさっぱりわかりませんでした。今はけっこう活発に動きますけど、当時は起きてるのか、寝てるのかよくわからない状態でしたし、寝返りも打てないし、ご飯も口から食べられず、遊び方もわからずで…。

アニーの先生たちが遊び方を教えてくださったり、「こんなことが好きみたいですよ」って教えてくださったので、今では子供との関りがちょっぴりだけど上手になったんじゃないかなと思っています。

外出が好きなことも先生たちが教えてくださったので、今ではしょっちゅう出かけては、いろんな場所で大好きなプリンを食べて帰ってきております(笑)。

一人ひとりに合った保育を通して起きた “我が子の変化”

担任の先生とお絵かきを楽しむはなわさんの息子

担任の先生とお絵かきを楽しむはなわさんの息子

ーー入園後、お子さんは何か変わったところはありましたか?

みのだ:変わりましね。親以外の人に、「自分」を出せるようになってきたと思います。入園前までは他人との接点がほとんどなかった。

わたなべ:うちの息子も、親以外の大人と接するのが全然平気な子になりましたね。こんなに愛想のいい子供だったのかとびっくりするくらい外面がいいというかですね…(笑)それはとても嬉しいですね。

はなわ:うちも、人によって反応や表情を変えるようになりましたね。若い女性の先生とかだったりすると、リハビリとかやる気が違います。

ーー(笑)おもしろいですね!

わたなべ:私たち親だと、どうしても日々に追われて、何かをやるにしても親が焦ってしまって、「どうしたいの?! どうしたいの?!」って、息子をせっついちゃってたと思うんですよね。でも、アニーの先生たちは息子から反応が返ってくるまで待ってくださるので、息子自身も「自分のペースでやっていいんだ!」って、認めてもらっている気がしているんじゃないかな。

それが本人の発達に繋がっているんじゃないかなって私たちは思っています。

初めは集団保育を望んでいたけれど…今はアニーでよかった

みのだ:実は、初めは集団保育を希望して保育園を探していましたが、医療的ケアの問題で、うちの地域ではアニーしか預かり先が見つかりませんでした。でも、今では、アニーで良かったと思っています。

アニーの先生たちがきめ細かに息子のことをを見てくださったおかげで、本人の得意不得意など、息子のことがよくわかるようになりました。連携している看護師さんも細やかに見てくれたおかげで医療的な面でもわかったことがたくさんありました。親でも気づかなかったことをたくさん知ることができたのは、マンツーマン保育の大きなメリットだったなと思っています。

初めて座位保持椅子を試乗した、わたなべさんの息子

初めて座位保持椅子を試乗した、わたなべさんの息子

わたなべ:うちの息子もマンツーマンでよかったって思っています。息子は、新しい環境に慣れるのに時間がかかったり、変化に弱かったり、周りに合わせるのが苦手です。でも彼なりのペースがきちんとあって、そこをきっちり見ていただいてるなぁっていうのはすごく感じます。

集団では周りに合わせなきゃいけないことも、アニーでは息子に合わせて見てくださっているので、毎日心から満足してお迎えの時間になっているというのが見ていてよくわかりますね。だから、息子はすごく精神的に安定して過ごせているだと思います。

あとは、集団保育と比べて接する人が少ない分、感染への不安が少ない点も、障害児の親としては良かったなって思っています。

ーーそういうお話を伺うと、すごくアニーをやっていてよかったなって感じます。パパから見て感じることはありますか?

はなわさんパパ:今はコロナで休止中ですが、地域の保育園の子どもたちと交流保育も行ってくれていましたよね。アニーに入園しなかったら、息子は住んでいる地域の子どもたちと関わりを持てなかったかもしれない。そういった喜びもありますね。

ーーぜひ、コロナがおさまったら、交流保育も再開したいですね。

担任の先生とお散歩を楽しむはなわさんの息子

担任の先生とお散歩を楽しむはなわさんの息子

新型コロナの流行、緊急事態宣言の中のアニーの存在

ーー新型コロナウイルスが流行して、アニーも緊急事態宣言中には、地域の保育園と同様にお子さんを預かることができませんでした。

短時間ですが、提携している訪問看護ステーション「ジャンヌ」が、できる範囲で訪問中お子さんと遊んだり支援をしましたが、皆さんも大変だったでしょう?

わたなべ:実はコロナ中も、私たち夫婦両方とも在宅勤務でしたが普通に働かなくてはならなくて、息子は食事に1時間かかる子なので、食事介助を看護師さんにやってもらえただけでも非常に助かりました。

家族以外の方に支えてもらえることで精神的にも楽になりましたし、訪問してくれたおかげで、子どもにとっても生活リズムは整いました。

ジャンヌは子どもたちと「遊び」の支援も行っています

ジャンヌは子どもたちと「遊び」の支援も行っています

すずき:コロナもそうですけど、やっぱりコロナ以外の色々な感染症がありますし、こういった不安はこれからも続くと思っています。でも、アニーの先生たちも感染対策を工夫してくださって、子どもも元気に過ごせているので、本当によかったです。

ーーありがとうございます。私たちも試行錯誤しながら、辛い状況の中何ができるのかを模索しながらやっていた時期だったかなと思います。まだまだ予断は許しませんが、子どもたちが元気に楽しく過ごせるようにがんばります!

利用希望者向け オンライン説明会実施中!

「障害児保育園ヘレン」「障害児訪問保育アニー」では、今年度、来年度、再来年度に渡って、職場復帰をお考えの方を対象に、利用希望者向け説明会を実施しています。直近の入園をご検討の方もご相談ください。

現在、アニーはすぐに入園選考ができます。お早めにご相談ください。

説明会は毎月オンラインで開催しております。ご自宅で気軽にご参加いただけますので、少しでもご興味がある方はぜひご参加ください!

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書いた人:石垣藍子


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