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4月保育塾【子どもだけじゃない、大人も学ぼう!シチズンシップ】

4月保育塾【子どもだけじゃない、大人も学ぼう!シチズンシップ】

#研修

シチズンシップという言葉を聞いたことがありますか?

シチズンシップとは、直訳すると、「市民性」を意味し、「一人ひとりが社会の一員として、よりよい社会の実現のために、積極的に多様な人々と協働して課題解決する資質、能力」のことを指します。

具体的には、なにか問題があったときに誰かが解決してくれるのを待つのでなく「自分になにができるか?」を自発的に考え、積極的に関わる姿勢であったり、文化の違いや生活環境の違い、障害の有無などさまざまな多様性を受け止めて、他者と関われる姿勢であったりします。

フローレンスが運営する保育園では、「私たち保育園は、みんなの未来をつくることに自ら参加し、貢献し、そして楽しむ心を育みます。」という保育理念を実現するための保育を「シチズンシップ保育」として、日々実践しています。

4月の保育塾では、シチズンシップ保育を行う私たちフローレンススタッフが、「そもそもシチズンシップとは?」と立ち止まって振り返り、私たち自身が体現出来ているのか見つめ直しました!

サポーターには、長年保育現場で活躍し、フローレンス入社後はおうち保育園の園長を経て、保育スーパーバイザーとして各園の保育や園運営のサポートをしている塩田由美子さんを迎えました。

 

保育塾とは、フローレンスの全スタッフに向けた自主参加型の研修です。毎回異なるテーマをもとにサポーターをお呼びし、アクティブラーニングを通じて学びを深めています。今年度の保育塾は「子どもにとってより良い環境を考える姿勢をもちながら、日々の業務に取り組むきっかけとなる場」をデザインしています。

なぜフローレンスはシチズンシップ保育を掲げているのか

今までの日本の保育や教育では先生が一方的に教えるという方法が主流でしたが、貧困や環境問題、ジェンダーや福祉など複雑で、未知の課題で溢れている変化の激しい社会を生き抜くには、自らの体験を通じて主体的に学ぶ「非認知能力」を身につけていくことが大切であると考えられるようになりました。

 

4月保育塾子どもだけじゃない、大人も学ぼう!シチズンシップ

 

また、非認知能力は就学期からいきなり身につくものではなく、就学前の乳幼児期から少しずつ育まれていくことがわかってきています。

こうした方向性を盛り込んで2017年には学習指導要領が、2018年には保育所保育指針が改訂されました。

このような背景から私たちフローレンスもシチズンシップ保育を掲げ、心の育ちに大きく影響する乳幼児期の保育から実践しています。

4月保育塾子どもだけじゃない、大人も学ぼう!シチズンシップ (1)

「指示待ちの子どもではなく自分で考え行動する子ども(大人)」

子どもが自ら考え行動するには、保育者が指示命令する管理型の保育ではなく、子どもが主体性を発揮できる保育をしていくことが重要です。

小さい時から年齢・発達に合わせて少しずつ自分で決める練習、選択する練習、表現する、伝える練習を行うことでシチズンシップを身に着けていきます。

そのため、私たちは保育者中心(主導)の保育から子ども中心の保育への転換を行い、「あなたはどうしたい?」「どう思う?」と聞きながら、子どもたち一人ひとりの気持ちや意見を大切に保育をしていきたいと考えます。

今回の保育塾では、子どもにとってより良い環境を考えるきっかけになるよう、シチズンシップ保育を行うスタッフ自身がシチズンシップについて、日々の生活を振り返りつつワークを行いました。

 

保育塾では、グループディスカッションを通じてさまざまな意見交換をしています。保育現場や事務局に限らずフローレンスの全スタッフが参加可能なため、事業部の垣根を超え学びを得られるのは保育塾ならではの魅力です。

ワーク①シチズンシップが難しかった場面を考えよう

 

ワーク①では、日々の業務や生活を振り返り、参加者にとってシチズンシップが難しいと感じた場面を共有しあいました。

あるスタッフからは、「シチズンシップは正解がないもの。よって、考え方や捉え方は千差万別。ただ、自分と相手と考えが異なったときに、何を基準に判断したり、対応すべきなのかが分からないときがある」といったような意見が出てきました。

その意見に対し、「正解がないということで、思考停止にはなりたくない。正解がないから人それぞれでいいよねで終わらせるのではなく、一人ひとりが持つ考えを尊重しつつ、どうしていくかを考えて、進めていきたいです。」といった意見や、「(話し合うことや理解しようとすることを)諦めたくないですよね。」といった意見がありました。

この意見を通じて、不安になったり、分からなくなかった時にはどこかに正解を見つけようとしたり、無理に正解を引っ張り出そうとするのではなく、話し合いを通じて自分にも相手にも耳を傾け、見つめ直していくことが本当の意味での問題解決に繋がるのではないか、と考えました。

ワーク②シチズンシップが体現出来たと思う場面を考えよう

 

ワーク②では、自分の普段を振り返り、シチズンシップが体現できたと感じる場面を共有しました。

ここでは、「日々の業務でコミュニケーションにすれ違いを感じたときに『時間をとって話し合いませんか?』と声をかけ、チームで話し合い、1人ひとりの思いを知ることが出来たのは良かったと思います。」と共有がありました。

この意見に対し、サポーターである塩田さんは「意見と意見がぶつかっているだけであって、人と人とがぶつかっているわけではないですよね。」とコメントをされており、この意見を通じてフローレンスにあるフローレンスWAY(行動指針)が私の中で思い浮かびました。
(フローレンスWAYの詳細はこちらからWay― 私たちの行動指針 ―

WAY:バーチャル背景(全)

フローレンスWAYの1つに、「アイデア相撲を取れ!」というものがあります。

これは、遊びのトントン相撲に見立てたもので、本来であれば土俵で戦わせるのは紙で作ったお相撲さんであったりしますが、フローレンスWAYではアイデアを戦わせるというものです。

相手の気持ちやその場の雰囲気を鑑みて自分の意見を伝えることに躊躇してしまうこともあるかもしれませんが、よりよいチームにしていくには、よりよいものを作っていくにはアイデアを戦わせることは必要不可欠なことです。

よって、普段からこういった考えをもつことはシチズンシップの要素の1つになるかもしれないと感じました。

おわりに

 

今回の保育塾では、シチズンシップ保育を行う私たちフローレンススタッフ自身が、シチズンシップについて振り返ることを行いました。

サポーターの塩田さんより、好きな言葉の1つとして、「誤解し、誤解されながらも思い直し、思い直されていく、心の柔軟さを持って話し合うのが本当の対話」を挙げていただきました。

日々の生活では、人間関係に悩んだり、あの時こういえば良かったと思ったり、発言しなければよかったと後悔することだってあるかもしれません。そういった日々の中でも、少しずつ前を向いて進んでいく、対話を諦めない姿そのものがシチズンシップなのかもしれない、と思いました。

シチズンシップは、これからの社会を生き抜くためにいち市民として育むべき資質です。フローレンスでは、子どもたちにそういった力を育んでほしいと願っていますし、私達自身もそうでありたいと考えています。


 

フローレンスでは、シチズンシップ保育に共に取り組んでくれる仲間を探しています。
フローレンスに興味がある。フローレンスで働いてみたい。そんな方はぜひ!お待ちしてしています!


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