このたび、認定NPO法人フローレンス（東京都千代田区、代表理事：赤坂緑）は、株式会社PKSHA Technologyの対話エンジンを導入し、主に予期せぬ妊娠に関するご相談にLINEを活用してお応えするチャットボット「エナガさん 相談室」にAIを実装しました。これによりチャットボットの「対話機能」「分析機能」が2024年2月にアップデートされました。
「妊娠相談×AI」という先例の少ない領域で、今まで以上にユーザーが相談しやすく、求めている情報にアクセスしやすい仕組みを提供します。

LINEを使ったチャットボット「エナガさん 相談室」のこれまでの歩み

厚生労働省の調査によると、国内で起こっているこどもの虐待死の50％が0歳0ヶ月児ということがわかっています。たびたび報道される、予期せぬ妊娠の末に赤ちゃんが遺棄される（虐待死する）痛ましい事件では、妊婦さんが誰にも相談できず出産を迎えてしまう事例が多いという背景があります。
フローレンスが2016年から開始した赤ちゃん縁組事業において、相談員が予期せぬ妊娠に悩む女性からの相談に乗る中で見えてきたニーズに「深夜・休日・時間帯を問わず、匿名で相談したい」というものがありました。

こういった背景やニーズを踏まえて、全国で多くの人が日々利用しており相談者が匿名で質問できるLINEを活用し、相談・支援を必要とする方に正しい情報を24時間届けるシステムとして2020年4月にLINEを使ったチャットボット「エナガさん 相談室」のサービスを開始しました。

AIを活用し、さらに相談しやすいチャットボットへ

「エナガさん 相談室」トーク画面

・対話機能の進化
～質問選択から、より自分の言葉での相談へ～

ユーザーは妊娠に関する疑問・不安を、これまでの質問選択式の相談方法から、LINEで文字を入力して自分自身の言葉で相談できるようになりました。
入力されたご相談内容をもとに、AIが回答、もしくは回答の候補を導きます。

・新たな分析機能を搭載
～回答の精度が向上し続ける相談チャットに～

ご相談内容をAIが分析して機械学習をおこなうことで、相談に対する回答表示の精度向上を継続的に実現します。
入力された質問やフィードバック、表示された回答を分析して、ユーザーが必要な情報に素早くアクセスできる環境をアップデートし続けます。
切迫した悩みを抱えたユーザーがより相談しやすく、より迅速にサポートを受けることのできる仕組みを継続的に進化させます。

・倫理や情報の正確性に配慮したAI設計

また「エナガさん 相談室」は、AIが誤った情報をユーザーに返してしまうことがないように配慮して設計されています。AIはご相談への回答文の生成には用いられず、予め用意された回答の検索・重み付けや対話の分析に活用されます。

フローレンスは、AIに代表される先進技術を正しく用いることで、妊娠や特別養子縁組に関する様々なニーズに迅速かつ効果的に対応し、ユーザーが安心して利用できるサービスを今後も提供してまいります。

株式会社PKSHA Technologyについて

■株式会社PKSHA Technology

「未来のソフトウエアを形にする」をミッションに、企業と人の未来の関係性を創るべく自社開発した機械学習／深層学習領域のアルゴリズムを用いたAIソリューションの開発・AI SaaSの提供を行っています。自然言語処理技術を用いた自動応答や、画像/動画認識、予測モデルなど多岐に渡る技術をベースに顧客の課題にあわせた解決策を提供する他、共通課題を解決するAI SaaSの展開により、ソフトウエアの社会実装を多面的に支援し、人とソフトウエアが共に進化する豊かな社会を目指します。

会社名：株式会社PKSHA Technology
所在地：東京都文京区本郷 2-35-10 本郷瀬川ビル 4F
代表者：代表取締役 上野山 勝也
URL： https://www.pkshatech.com/