新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、フローレンスの各保育現場では感染リスクの最小化に努めながら、新たな生活様式の中でそれぞれ工夫を凝らして保育をしてきました。
各保育現場で働くスタッフ全員が不安がありながらも奮闘した数ヶ月。
8月の保育塾では、みらいの保育園事業部、病児保育事業部、障害児保育事業部(アニー/ヘレン/ナンシー)のそれぞれから、ゲストスピーカーをお呼びし、新型コロナウイルス感染症対策をテーマに、横断的な学びの場を実現。
事業部の枠を越えて、コロナ禍で子どもたちがやりたいことをどうやって実現していくか?各事業部での学びや工夫を共有しました。そこには、今までにないピンチをチャンスに変えようと、フローレンス全体で支え合い、前向きに保育に取り組むスタッフの姿がありました。
8月保育塾のゲストスピーカー 左から
・木場 直子さん(病児保育事業部 こどもレスキュー隊員 組長)
・横山 麻由さん(みらいの保育園事業部 保育スーパーバイザー)
・高橋 由美子さん(障害児保育事業部 ヘレン 看護スーパーバイザー)
・森永紗希子さん(障害児保育事業部 アニー 保育スーパーバイザー)
・金丸 元子さん(障害児保育事業部 ナンシー 看護師)
保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。
~より良い保育に向かって~各事業部で行っている感染症対策と保育の工夫
新型コロナウィルス感染症の拡大に伴い、それぞれの現場で働くスタッフは、自分が媒介者になってはならない緊張と、コロナ禍の新しい生活様式の中で子どもたちのやりたいことを実現させることへの葛藤の中で、日々子どもたちに接してきました。8月保育塾では、各事業部がどんな感染症対策を行ったのか、そのような中での保育の工夫について紹介し合いました。本記事でも抜粋して紹介します。
●みらいの保育園事業部
認可保育園を運営するみらいの保育園事業部では、各園で子どもたちが楽しんで感染症対策ができる工夫を行いました。
・園の先生たちが主体となった「先生たちの手洗い歌動画」や「手洗い手袋シアター」を配信。
・ゴーグル、マスクの着用。表情が見えないことの子どもへの影響を考慮しつつ、充分な距離が取れる等、リスクの少ない場面では透明マスクを使用。
・食事の場面では、ひとつのテーブルに座る子どもの人数を減らす、部屋を分けて使用する等、食事中の距離が保てる工夫。
●病児保育事業部
病児保育事業部のゲストスピーカー木場さんからは、コロナ禍の事業部の新たな取組みや、保育スタッフの感染対策について紹介がありました。
・全国の保育園や公⽴⼩中⾼校の⼀⻫休園休校の措置が取られた緊急事態宣言中、緊急⽀援策として健康なお⼦さんのお預かりを実施。また緊急事態宣言中も、病気のお子さんを預かる病児保育サービスを継続。
・訪問する保育スタッフは、ウイルスを持ち込まない、持ち帰らないをモットーに、会員さんのご自宅へ訪問時、もしくは帰宅時には洗面所で即着替え、こまめなアルコール消毒を実施。
・保育スタッフが自宅に帰宅後、すぐにシャワーで体を洗い、家族の洗濯物と分けて洗濯をするなど徹底した感染症対策を実施。
●障害児保育事業部ヘレン
障害児保育事業部ヘレンでは、人工呼吸器のお子さんや気管切開のお子さん、呼吸器系・循環器系の病気のある子どもたちが多く、コロナ感染を起こすと重篤化する可能性があるため、感染リスクを抑えた集団保育を心がけています。
・おもちゃは、週単位で入れ替え制にし、個数を減らす。 活動毎に区切り、次亜塩素酸を使用しこまめに消毒。
・クレヨンや粘土など制作を行う時には、トレイに個別に準備し、複数で使用しないよう工夫。
●障害児保育事業部アニー
障害児保育事業部アニーでは、様々な対策をどんなときに、どのぐらいやるのかを具体的にガイドラインに落とし込み、各保育スタッフへの周知に取り組んでいます。
・ アニー看護SVとアニーの看護師が保育スタッフ向けの感染対策のスライドを作成。 文字だけでは伝わりにくい部分はわかりやすいよう動画をアップし、視覚的にわかりやすくする工夫をし、保育スタッフ全員が理解できるように。
・医療的ケアが必要なお子さんのお預かりをしているアニーでは、吸引・食事介助・おむつ交換・口腔ケアの際に、エプロンの上から使い捨てビニールエプロンを着用することを推奨。
・次亜塩素酸消毒薬で環境整備。
●障害児保育事業部ナンシー
障害児保育事業部ナンシーは、他2つの障害児保育事業同様に、医療的ケアが必要なお子さんの養育を行うため、徹底した感染対策を行っています。スタッフは、動作ひとつひとつが感染につながらないか常に意識して、お子さんだけでなく、親御さんにとっても安心安全な療育を提供するよう努めています。具体的には、以下のような対策を講じています。
・勤務時間外の行動について帰宅時の手洗い、うがいを徹底することはもちろん、スポーツ観戦、飲み会、パーティ、スポーツジムなどの3密が発生する場所へは出入りを行わないよう感染予防を実施。
・訪問先では、カバンや自分の上着は玄関に置き、お子さんと過ごす部屋には持っていかない。 訪問準備の際、
・おもちゃ等の物品はアルコールで拭いてからカバンに入れ、訪問時には使用する物 だけカバンから出し、再度アルコールシートで拭いてからお子さんのそばに持っていく。 音楽や動画を流すスマホやiPadは、各ご家庭保存のジップロックに入れて使用。
このようにそれぞれお預かりしているお子さんの特徴に合わせて、保育の工夫を行っていますが、「子どもたちがやりたいことをコロナ禍でもどうやって実現していくか?を常に考える姿勢」は共通していることがわかりました。
励まし合える仲間がいる!
コロナ禍では、常に緊張の糸が張り詰めた毎日に心身ともにダメージを受けているスタッフは少なくありません。保育塾に参加した多くのスタッフも「自分が媒介者になったらどうしよう」という不安を特に抱えています。
そこで8月保育塾では、行き場のない不安を少しでも解消できるようにと、ゲストスピーカーからの提案で、「コロナ禍における不安」を共有するワークショップを開催しました。ワークショップでは、それぞれ異なる事業部のスタッフがいるため、自分と異なる事業部でも共通した工夫や不安を知り、驚いたり安心したりするスタッフの姿が見られました。また参加者の中には、「自分で考えて発言する場があることで、ストレス解消になった。」「してきたことをお互いに励まし合え、1週間の疲れが飛んでいきました!」などの感想があり、参加したスタッフが他事業部のスタッフと交流の中で、前向きになれた様子が伺えました。
他の事業部の工夫を取り入れたい!グループワークで感想をシェア
保育塾の最後には、参加者とゲストスピーカーがグループに分かれて、今まで自分が行ってきた保育の工夫を共有し、各事業部からの感染症対策の紹介について感想や質問を話し合いました。いくつかのグループの意見をご紹介します。
”フロレ全体で刻々と変わるなか、そのときの最善の方法をみんなで考えて動いたこと改めてすごいなと思いました。病児保育事業部の保育スタッフなので、みらいの保育園事業部の保育園でのソーシャルディスタンスの取り方工夫をきいてみることができてよかった” ”障害児保育事業部ナンシーが行っているバックの中を消毒を見習いたい。事業部内外での交流など、コロナ禍では人との交流がとても大切なんだと実感しました” ”違う事業部の方と直接お話ができること自体が今の時期貴重だと思う。同じフローレンスにいながら知らずにいることは失礼かつ勿体無いとおもうのでお話がきけてよかったです。” |
またゲストスピーカーの皆さんからは、 ”ピンチをチャンスに変えることができる。団結力が芽生えた。” ”参加者の皆さんの保育に前のめりな姿勢に感動しました!感染対策については、これ危ないかもしれないって意識して扱うこと、その意識が大切だよねって改めて思いました。”とゲストスピーカー自身も前向きな気持になったり、学びを深められたという感想がありました。
事業部は異なっても、保育という同じ土壌のなかで子どもたちがやりたいことを実現できるように、各現場のスタッフは工夫しています。 8月保育塾では、様々な事業部からの参加者が集まることで、お互いの知恵を共有し、お互いの工夫を持ち帰ることができました。 また、称え合い励まし合えるスタッフがフローレンスにはたくさんいることを再認識することができた開催となりました。
次回公開する保育塾のレポート記事は、「前向きに物事を捉えるコツとは?子どもたちと毎日余裕を持って向き合うために、必要な心のケア方法を知ろう!!」です。お楽しみに!
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