2024年12月12日にフローレンスの障害者雇用の試行錯誤をまとめた書籍『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』の出版報告会を開催しました。
報告会には、これまで関わりのあった特別支援学校、支援センター、出版関係の皆さん、障害者雇用に興味をお持ちの企業担当者などをご招待しました。
前編はこちら
オペレーションズメンバーに聞いてみよう!
ここからは、本日の受付やアテンドなどでお客様をお迎えした、障害のあるスタッフが所属する「オペレーションズ」チームメンバーの登場です。
フローレンスは、特別支援学校卒業生の入社を2018年7月からスタート。法定雇用率達成のためでなく、フローレンスらしい障害者雇用を実現することを目指し、特別支援学校を卒業した18歳での新卒採用を定期的に行っています。
現在は、20代前半を中心に、9名の発達障害・知的障害のメンバーがおり、全員総務チームに配属されています。総務業務だけでなく、社内の各事業部からの社内アウトソーシングを請け負い、一人一人が組織への貢献をやりがいに感じながら、社内の重要メンバーとしてイキイキと働いています。
フローレンスで働いている今の気持ちを聞いてみました。
質問①担当しているお仕事で、1番好きな仕事は?
・他の事業部からの依頼の作業が好きです。
・経理代理申請の仕事です(決められたエビデンスをしっかりと期限を守って申請するという勇気のいる作業ですが、ある意味判断能力が試されるいい機会ですし、頭の体操にもなっています)。
・kintone(業務管理アプリ)作成です。
・フィーカ(社内カフェ)での準備接客、総務の問い合わせ受付です。
・施設勤務です。おもちゃ拭きをしているとき。こどもと同じ空間で掃除ができるからです。
・ファイリング作業です。
・キャビネット作業や環境整備・チラシ発送のセッティング、トンボカットです。
・フィーカ(社内カフェ)での準備接客です!他の事業部の方と関われたりコミュニケーションも重ねられるステキな機会だと思うのですがわたしが担当する曜日は本当に人が来ないときが多いのでやりがいを感じるかって聞かれたら正直「うん…?」とは思います。
・保育補助の仕事。幼い頃から保育士になることが憧れで、こどもたちとも関わることができるし保育スタッフからもさまざまなことが学べるのですごく有り難いです。
質問②フローレンスに入ろうと決めた理由は?
・フレンドリーさ。部活があることを知り、興味を持って入ろうと思った。副業ができることを知り、入ろうと思いました。
・人生どん底でもう何もしたくない生きるのもしんどいって時期にここの会社で実習させてもらってこんな自分でもここで楽しく働いてたくさんのこどもたちを救いたい!もっと自分のことを色々な人に知ってほしい!って気持ちで今まで生きてきた中で一番の本気と覚悟で就職しました。
質問③フローレンスに入職して良かったと思うことは?
・他の会社では学べないことや経験が出来ないとこまで経験が出来たのが良かったと思います。
・今現在、自分の夢と近いことを職業に出来ていてそれはフローレンスに入社できたから実現したんだなと感じます。
質問④フローレンスの「こんなところが良いな」と思うことは?
・皆さんの温かい雰囲気がいいですし、何よりもミスをしたときに一方的に責めるのではなく、フィードバック制度を設けているので会社定着の大きな要因になっているのではないかと思います。
質問⑤これからやってみたいなと思うことや将来の夢は?
・お仕事:アプリ開発に携わることです。
・プライベート:持ち家を持ち、大きいお風呂に入ることです。
質問⑥仕事をしていて、1番嬉しいことや楽しいことは?
・依頼された仕事を終えたときなどに「ありがとう!とても助かってます!」など一言褒めてくださると頼りにしてくれているんだなととても嬉しく思います。
進行:渡辺
日頃、あまり聞けないオペレーションズの思いが詰まった良い時間でした。
みんな自分の言葉で、1つ1つ丁寧に答えてくれていて、進行していても胸が熱くなりました(思わず時間が押してしまいました)。
障害のあるなしに関わらず、良い人間関係の中で、いろいろな仕事に挑戦できる環境があり、日々イキイキと働きながら、成長しているオペレーションズのメンバーを見て、わたしも「頑張らなくちゃ!」とあらためて思った貴重な時間でした。
ディスカッション 学校側から見たフローレンスとは?
最後に、オペレーションズメンバーの出身校進路指導の先生方から見た、「生徒の就職先としてのフローレンス」についてお話いただきました。
進行:渡辺
わたしもフローレンス歴はまだ2年目ですが、入社してオペレーションズのお仕事ぶりを見て、本当にびっくりしたんです。受付やキッティング(パソコン設定)や、入社してすぐのオフィスツアーなど、幅広く担当していてくれて、わたしが困っていると、本当に丁寧に教えてくれました。
先生方から見て、卒業生がフローレンスに入職してからの変化はありますか?
小澤信幸先生
卒業生が2024年にフローレンスに就職して1年めですが、とても楽しく仕事をしています。先程のオペレーションズの皆さんが、自分の言葉で自分のことを語っているのを見て、「こんなことを考えていたんだ」とあらためて気付かされる場面もありました。
フローレンスさんだからこそ、引き出してくれた本音なんだなと感慨深かったです。
木田賢一先生
5年前にフローレンスに就職した卒業生は、自分が当時担任をしていた生徒で服飾を専攻しており、パソコンをあまり触ることがありませんでしたので、「パソコンは苦手だろうな」と勝手に思っているところがありました。
入社してからパソコンで事務作業をしている姿を見た時に、職場で可能性を広げてもらえているのだなと、胸が熱くなりました。
金野拓郎先生
就職した卒業生は、入職前の実習の機会に大きな変化がありました。実習前は働くことへの具体的なイメージがもてず、意欲が感じられない様子もありましたが、フローレンスさんの実習を終えてからは「フローレンスに入社したい!」と働くことに大変前向きになりました。
実習で実際の仕事に触れて自信がついたり、職場の人たちのサポートを感じて安心したりしたのだと思います。本当に良い経験ができたんだなと思いました。
先生方には、卒業生がみんなそれぞれ成長し、楽しそうに働いている姿を見ていただけました。
この日のオペレーションズのおもてなしも、受付やウェルカムドリンクなどの提供が「パフォーマンス」でなく、「フローレンスの文化として当たり前な風景になっている」と仰っていただき、フローレンスらしさを、わたしたちも改めて実感することができました。
最後に~参加者の感想~
・人は障害の有無などに関係なく「求められ、期待されて成長する」こと、職員の方それぞれが、お互いの成長を支え合う温かい空気を感じました。
・改めて本をじっくり読んで、ああ、こんな細かい工夫をしてくれてたんだーーと初めて知ることもありました。本当に実用書として多くの方に届くといいなと思います。
・それぞれのつながりで、フローレンスの障害者雇用に興味関心をお寄せくださっていることが、コミュニケーションからたくさん伝わってきて、胸が熱くなりました。
・ステキな時間をありがとうございました。オペレーションズの皆さんの姿が、なんと活き活きとしていることでしょう。もう、感激です。そんな素敵な会社に出会えたことにも感謝です。
書籍の著者2名、出版関係者トークセッションの様子をまとめた前編はこちら
障害者雇用の講演受付中
フローレンスでは、障害者雇用に関する講演などのご依頼も承ります。
障害のある人と一緒に働く時に知っておきたいこと、障害者雇用社員のための仕事の切り出し方法・工夫など、ニーズにあった内容でお話いたします。
視察や見学のほか、書籍で紹介しているフローレンスの障害者雇用チームの業務内容を体験する、サポート担当者向け1日実習の受け入れも行っています。
フローレンスの書籍、発売中
わたしたちの7年半にわたる障害者雇用の試行錯誤をまとめた書籍『障害者雇用の「困った」を解決! 発達障害・知的障害のある社員を活かすサポートブック』はAmazon、全国の書店で発売中です。
障害者採用の基礎知識から、支援体制の整え方、業務の切り出し方、採用した障害のあるスタッフに「どのような業務を、どのようにやってもらうのか」のノウハウ、お仕事ハックを、実際の事例をもとに紹介。これから障害者雇用を始めたい企業や、既に取り組んでいる方に向けた実践的な1冊です。