「気になるご家庭があるけれど、どう関わればいいか悩んでいる」
「どこに相談したら良いのか迷う」
保育園の先生方から、そんな声を耳にすることがあります。
保育の現場には、日々の関わりの中でお子さんやご家庭の小さな変化に気づける強みがあります。
一方で、そうした気づきをどのように活かし、適切な支援につなげていくかは、時間的な余裕や組織体制、地域の支援機関との連携など、さまざまな要因に左右されます。
現場に立つ先生方は、そうしたもどかしさの中で葛藤しながら、お子さんやご家庭とのよりよい関わり方を探っているのではないでしょうか。
国の新制度「こども誰でも通園制度」も創設され、保育園の利用対象が広がり、多機能化への期待も高まっています。しかし、現場からは不安の声もあがっており、今後の保育園に対する支援体制のあり方が問われています。
フローレンスは、保育園と専門職が協力して家庭を支援する仕組みとして、「保育ソーシャルワーク(以下、保育SW)」というアプローチを2017年から実践してきました。
そうした中で、全国の現場との関わりも広がり、同じように保育SWに取り組む方々とのつながりも徐々に広がってきています。
今回はつながった団体さんの一つである、福岡県で保育SWに取り組む《株式会社ソーシャルワーク福岡》さんにヒアリングをさせていただきました。ヒアリングの内容をレポートにまとめましたので、ぜひご一読ください。
以下のURLからPDFでダウンロードいただけます。お知り合いやご友人にもご紹介いただけましたら幸いです。
福岡で進む“保育園と専門職の連携”― 保育ソーシャルワークの実践から

今回お話を伺ったのは、《株式会社ソーシャルワーク福岡》の代表・豊福かよさんと、保育ソーシャルワーカーの中島有希子さんです。
2024年春に、オンラインで意見交換する機会があり、そこで初めて、現場での取り組みを直接お聞きしました。その後、同年秋に福岡を訪問する機会をいただき、今回の視察・ヒアリングが実現しました。
お話を伺う中で、ご家庭への適切な助言や相談・支援を行うだけではなく、園の方針や意向を尊重しながら園に合った形で、園長や保育士の皆さんと伴走し、ソーシャルワークがじわじわと園に長く息づくよう取り組む姿勢や仕組み作りが印象的でした。
今後のチャレンジを伺ったところ、「園が保育ソーシャルワークの価値を実感し、園の中に根付いた実践を他園にも伝えていけるように」といった、支援が全国の保育現場に根づいていくことを目指す姿勢に感銘を受けました。また、「保育ソーシャルワーク」という名称を掲げて、同じような課題意識のもとに実践している方々がいることに心強さを感じました。
今回のレポートが、同じような支援のあり方を模索している全国の保育園や自治体の皆さんにとって、新たな一歩を踏み出すヒントになればと願っています。
レポート目次
目次
1.フローレンスにおける保育ソーシャルワークとは
2.保育ソーシャルワーク導入事例:株式会社ソーシャルワーク福岡さん
- 団体概要
- 保育ソーシャルワーク事業について
- 保育ソーシャルワーク実践の流れや工夫
- 事業成果の分析―園や家庭にどのような変化が出たか?―
レポートの内容としては、「どうしてこの事業を始めたのか?」「実際に現場で何をしているの?」「先生たちのリアルな声は?」など事業立ち上げの背景から、訪問時のサポート内容、そして保育士さんたちのリアルなニーズなどを取り上げています。
▼レポートの中から一部を抜粋してご紹介



レポート全文はこちらからご覧いただけます。
※本取り組みは「令和6年度見守り体制強化促進のための広報啓発事業」の助成を受けて実施しました。
本レポートに関するお問い合せはこちら sw-mirai@florence.or.jp |
フローレンスは、今後も保育現場を自分たちの手で運営しながら、日々受け取る親子や園スタッフの生の声や培った事業ノウハウを社会に広げ、日本のこどもを取り巻く環境を改善していくために、さまざまなアクションを行っていきます。
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