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ニュースのアイキャッチ。こどもの体験とウェルビーイングに関するアンケート調査結果を公表

「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケート調査により、“自己決定”の大切さが示唆 ~体験を自己決定している層では、ウェルビーイングスコア4.0以上の割合が1.7倍に~

フローレンスは、体験格差に取り組む「こども冒険バンク」事業の利用会員を対象に、「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケート調査を2025年4月~5月と9月に2回実施しました。

<4~5月および9月調査のサマリ>

■体験を「(こどもが)自分から希望してやっている」と回答した層では、ウェルビーイングスコア4.0以上(5点満点)の割合が約6割で、「自分から希望してやっていない」と回答した層と比較してその割合は1.7倍だった。(9月調査より)

■体験を自分から希望しているかどうかについて「どちらでもない」「希望してやっていない」と自己決定度合いが下がると、ウェルビーイングスコア3.0未満の割合が増加する傾向が見られた。(9月調査より)

■年齢が上がるとともにウェルビーイングスコアの平均値は下がる傾向にあるが、体験を希望してやっているかどうかについて「とてもそう思う」と回答したこどものスコアの平均値は年齢が上がっても下がりにくい。(4~5月調査、9月調査より)

近年「こどもの体験格差」が社会課題として注目される一方で、こどもの体験はその頻度や豪華さに関心が高まりやすいのが現状です。本アンケート調査は「こども冒険バンク」の利用会員という限られた対象への調査ですが、体験においてこども自身が「自分で決めること」の大切さが示唆された可能性があると捉えています。

「こどもの体験とウェルビーイング」に関するアンケート調査 背景・概要

名称こどもと親のウェルビーイング調査
調査期間1回目 2025年4月~5月
2回目 2025年9月
調査対象「こども冒険バンク」会員の全ご家庭(※経済的にお困りの世帯、ひとり親・実質ひとり親世帯、障害者・障害児家庭)
1回目 こども:600回答
2回目 こども:890回答
調査方法「幸福度診断Well-Being Circle(こども版)(株式会社 はぴテック提供)」をベースに、こども冒険バンク・オリジナルの設問を追加し調査

<ウェルビーイングスコアの定義>

ウェルビーイングとは※:
ウェルビーイングとは身体的・精神的・社会的に良い状態にあることをいい、短期的な幸福のみならず、生きがいや人生の意義など将来にわたる持続的な幸福を含むものである。また、個人のみならず、個人を取り巻く場や地域、社会が持続的に良い状態であることを含む包括的な概念である。

文部科学省「教育振興基本計画」令和5年6月16日より 

アンケート調査結果の詳細

体験の自己決定とウェルビーイングスコアについて

■「体験を自分から希望してやっている」と回答した層ではウェルビーイングスコアが高い傾向にあり、「どちらでもない」「希望してやっていない」と自己決定の度合いが下がるとウェルビーイングスコアが低い層の割合が増える結果となりました。

こども冒険バンク会員のこどもに、こども冒険バンクや学校以外のお出かけ・イベント、習い事・部活動・クラブ活動について「自分から希望してやっていますか」と尋ねたところ、「とてもそう思う」が44.0%、「ややそう思う」が26.4%と、約7割が自分から希望して体験していると回答しました(9月調査・N=890)。

「自分から希望してやっている(とてもそう思う+ややそう思う)」と回答した層では、ウェルビーイングスコア4.0以上のこどもの割合が57.4%にのぼりました。「希望してやっていない」と回答した層の割合(34.5%)と比較すると、1.7倍です。
その一方で、自己決定の度合いが下がるにつれて、ウェルビーイングスコア3.0未満の割合が増加する傾向が見られました。(「希望してやっている」13.4%、「どちらでもない」32.0%、「希望してやっていない」37.9%)

年齢とウェルビーイングスコアの関係

■各年齢におけるこどものウェルビーイングスコアの平均値は、年齢が上がるほど低下する傾向が見られました。4月~5月・9月の調査で同様の結果となりました。

■一方で、体験を希望してやっているかどうかについて「とてもそう思う」と回答した層のウェルビーイングスコアの平均値は年齢が上がっても下がりにくい傾向が見られました。

こどものウェルビーイングスコアの平均値は、6歳~8歳で4.01/4.07(4~5月調査/9月調査)であるのに対し、15歳~18歳では3.39/3.24と年齢が上がるほど低下する傾向が見られました。この傾向は、4〜5月調査(N=600)と9月調査(N=890)のいずれでも同様でした。

なお、「とうきょう こども アンケート」2025年調査結果でも同様の傾向が見られており、「東京の子供は『今の自分は幸せだ』について肯定的に評価している割合は高いが学年が上がるにつれて減少傾向」とされています。

一方、この年齢による低下傾向を自己決定の度合い別に見たところ、体験を自分からやっているかどうかについて「とてもそう思う」と回答した層では、年齢が上がってもスコアの平均値が下がりにくい傾向が見られました。同層の15歳~18歳の平均値3.87は、同年齢層の全体平均3.24を上回っています(9月調査での比較)。

調査結果から見えてきたこと こども冒険バンク事業責任者・前田

今回の調査データで分かった「体験と自己決定」の関係はあくまでもお出かけやイベント、習い事・部活動・クラブ活動といった狭い定義の体験ですが、こどもの体験において自己決定の大切さが示唆されたことは意義深いと考えています。

わたしたちは体験格差に取り組む「こども冒険バンク」を2年間運営する中で、「令和になぜ体験格差が問われるのか」「こどもの体験の本質とは何か」を考えてきました。

体験格差という社会課題への注目が集まるなかで、ともすれば体験はその豪華さや頻度の多さで語られがちです。しかし、わたしたちは、本来、体験とは日々の生活や遊びを含めたものであり、誰と何をするかを自分で決めるという「日々の何気ない自己決定の積み重ね」にあると考えます。

わたし自身の幼少期を振り返ると、友だちと野山を駆け回り、秘密基地を作り、日々自分たちで工夫しながらどうやって誰と何をして遊ぶのか決めていました。しかし、核家族化が進み、共働きも増えるなかでそういった景色は失われつつあります。現在、平日の外遊び日数が「ゼロ」の小学生は78%に達し、東京都内では公園の8割以上でボール遊びが規制されています。また、こどもの体験は塾や習い事といった「外部市場」へと委託され、大人に管理された中で過ごす時間が増えています。こどもが自由に自分で決めながら遊ぶ機会は少なくなっている可能性があります。

誤解のないようにお伝えしたいのは、この結果は保護者の皆さんに「こどもにもっと自己決定させなければ」という新しい宿題を課すものではない、ということです。今の保護者は、かつてないほどこどものために日々頑張っています。こどもの選択の余地が限られやすいのは、個々のご家庭の努力の問題ではなく、そういった場が社会構造の変化により失われてきた結果です。

少子化が急激に進む今、こども一人あたりの大人の数は増えています。こどもに関わる大人の数をいかに増やし、こどもの「自己決定」を叶える場をどう設計していくか、NPO、行政、企業がセクターを越えて社会で考えていくことが求められています。

アンケート結果全文について

アンケート結果全文はこちらからダウンロード可能です。

※ご使用の際には、下記2点をお願いします。
①「認定NPO法人フローレンス(協力:株式会社 はぴテック)」と出典の明記をお願いします。(使用料なし) 
②弊会の取材申込フォームに用途をご記載のうえ、事前の申請をお願いします。
<取材申込みフォーム>https://florence.or.jp/publicform

「こども冒険バンク」について

「こども冒険バンク」は、さまざまな事情により体験が不足しがちな家庭が、企業などが無料で提供した体験コンテンツを自由に選び申し込みできるプラットフォーム事業です。こどもの体験格差という社会課題に取り組むため、フローレンスとサントリーホールディングス株式会社が共同で開発し、フローレンスが運営しています。会員は毎月付与される冒険チケットで、自由に体験を選び、希望の体験に申し込むことができます。

サービス名こども冒険バンク https://bokenbank.florence.or.jp/
サービス開始日2024年8月
サービス利用対象者さまざまな要因によって体験が不足しがちな家庭
・経済的に厳しい状況の世帯:世帯年収が400万円以下の世帯
・ひとり親・実質ひとり親世帯
・障害者・障害児家庭
実績(2026年6月末時点)・会員世帯数:2,200世帯
・会員登録人数:6,230名
・冒険提供企業数(累計):55社
・冒険提供枠数(累計):12,000以上

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