9月は防災月間。小学校などで行われる避難訓練はイメージしやすい一方、保育園では、どのように避難訓練を行っているのか、具体的には知られていないかもしれません。
災害が起きたとき、自分で状況を判断したり、避難したりすることが難しいこどもたち。保育園では、スタッフがこどもたちを安全に避難させるため、さまざまな状況を想定した訓練を行っています。
フローレンスは、東京都・仙台市内で11の保育園を運営しています。そのうち9園が、定員6~19人で0~2歳児(原則)を少人数できめ細かく保育する「小規模保育園」です。
このフローレンスの小規模保育園「おうち保育園」では、毎月の避難訓練で災害の種類や時間帯を変え、実際にこどもたちと一緒に動きます。訓練後にはスタッフ同士で振り返り、「この場合はどうするか」「もっと安全にするにはどうしたらいいか」を確認。そこで見つかった気づきを、次の訓練や日々の備えに反映しています。
では、実際にどんな訓練をしているのでしょうか。今回は「おうち保育園」各園で行っている取り組みをご紹介します。
毎月の避難訓練を、日々の備えにつなげる
保育施設では、毎月1回以上の避難訓練を行うことが定められています。
フローレンスの保育園でも毎月訓練を行っていますが、想定するのは地震や火災だけではありません。水害や不審者など、園の立地や周辺環境から考えられるリスクに加え、夏の暑さなど、季節によって注意が必要なケースも想定します。
訓練する時間帯も、朝の登園直後や午睡中など、毎回同じにはしません。災害は、いつ、どのような状況で起こるかわからないからこそ、さまざまな条件で実際に動いてみることが大切です。
「この場合は、誰がこどもを連れて避難する?」
「この時間帯なら、どの動きが必要?」
スタッフ同士で確認しながら訓練し、そこで得た気づきを、日々の備えにつなげています。
0~2歳児と一緒に、避難の動きを繰り返し確認

入園したばかりのこどもたちは、いつもと違う雰囲気に驚き、泣いてしまうこともあります。
一方で、毎月の訓練を重ねる中で、少しずつ変化が見られることもあります。スタッフの声かけや周囲の様子から、いつもとは違う状況だと感じ取ったり、訓練の際に自分から進んで防災頭巾をかぶろうとしたりする姿も見られます。
0~2歳という年齢では、災害について言葉で理解することには限りがあります。そのため、スタッフと一緒に避難の動きを繰り返し経験しておくことを大切にしています。
避難訓練は、スタッフ自身が実際に動き「この状況なら誰が何をするのか」を確認する機会でもあります。
園の立地やこどもたちに合わせて、備えを見直す
園によって、周辺の環境や想定される災害、こどもたちの状況は異なります。
そのため、全園共通のマニュアルを基本としながらも、それぞれの園で「自分たちの園ではどうするか」を考え、訓練しています。
訓練後にはスタッフで振り返りを行い、移動のしやすさや避難経路、役割分担などを確認します。
「この動きなら、もう少しスムーズにできそう」
「この場所にも避難用品があったほうがいいかもしれない」
実際に訓練することで、普段の準備だけでは気づきにくいことが見えてくることもあります。そうした気づきを次の訓練や日々の準備に反映しながら、備えを見直しています。
ここからは、各園で実際に行っている取り組みをご紹介します。
江東区・おうち保育園しののめ|水害を想定して、2階以上への避難経路を確認

海抜ゼロメートル地帯の江東区に位置する「おうち保育園しののめ」では、水害を想定した避難訓練を行っています。この日は、通常の避難経路ではなく、ベランダから非常階段を使って上の階へ避難する動線を確認しました。
避難用に準備した靴を実際に履かせてみると、「もう少し大きいサイズも用意したほうがスムーズかもしれない」という気づきもありました。実際の動きを確認することで、普段の準備だけでは気づきにくい課題も見えてきます。
品川区・おうち保育園ごたんだ|災害によって、避難先を変える

「おうち保育園ごたんだ」では、災害の種類に応じて避難先を変えることを想定しています。地震の場合は広域避難場所の公園、水害の場合は園が入る建物の上層階へ避難するなど、状況に応じて判断します。
この日は、まだ歩けないこどもを抱っこしてカートに乗せる手順と、歩けるこどもが靴を履いて移動するまでの動きを確認しました。こどもたちの年齢や発達の違いも踏まえ、一人一人を安全に避難させるための動きを確認しています。
江東区・おうち保育園門前仲町|暑さを考慮して、屋外に出ない避難も

夏の暑い時期には、屋外への避難がこどもたちの負担になる場合もあります。「おうち保育園門前仲町」では、気温やこどもたちの体調などを考慮し、屋外に出ず、まずは室内で安全を確保する訓練も行っています。
この日は、室内での人員確認や避難姿勢、スタッフの役割分担などを確認し、時間を測ってスピーディーに決めたことを実施できるか訓練しました。「外に避難する」ことだけを前提にせず、その日の状況に応じて、こどもたちの安全を確保する方法を考えています。
杉並区・おうち保育園えいふく町|医療的ケア児の避難に必要なものを確認

医療的ケア児も一緒に過ごすフローレンスの保育園では、災害時にも必要なケアを継続できるよう、日頃から準備しています。
「おうち保育園えいふく町」では、現在医療的ケアが必要なお子さんを2人お預かりしています。避難訓練では、通常の避難用具の他に、酸素ボンベなど必要なケア用品を持ち出す手順や、誰がどの役割を担うかを確認します。災害時にも必要なケアを継続できるよう、こども一人一人に必要なものを適切に持ち出せるように避難計画を考えています。
「もし今日起きたら?」を、毎月の訓練で考える
災害が起きたとき、こどもたちをどう安全に避難させるか。その答えは、園の立地やこどもたちの年齢、発達、季節によっても変わります。だからこそ、実際にこどもたちと動いてみる。
「この時間帯だと、いつもと動き方が違う」
「こどもをカートに乗せるまでに、もう少し時間がかかる」
「この避難用品は、ここに置いておいたほうが使いやすい」
訓練をすることで、普段の準備だけでは気づきにくいことが見えてきます。
フローレンスでは、毎月の避難訓練を、こどもたちの命を守るために必要な動きを確認し、備えを見直す機会としています。
こどもたちのを命を守るために、日々できることを
普段の保育からは見えにくいところにも、こどもたちの安全を守るための準備があります。
今回ご紹介したのは、その一部です。
毎日の保育を大切にすることはもちろん、災害が「もし今日起きたら」と考え、一人一人のこどもをどう守るかを考えることも、保育園の大切な役割です。
これからも、日々の訓練と振り返りを重ねながら、こどもたちが安心して過ごせる環境をつくっていきます。
保育園入園をご検討されている方へ
フローレンスの保育園では、入園を検討されている方向けに各園で保育所体験や園見学も実施しています。「参加してみたい!」という方はぜひ各園にお問い合わせください。
おうち保育園
0-2歳児のこどもたちのための小規模な保育園です。園名には、「おうちにいるような安心感を感じられ、こどもたちにとっての第2のおうちになりたい」という願いが込められています。
(東京都 江東区/品川区/杉並区/渋谷区/宮城県 仙台市)
みんなのみらいをつくる保育園
0-5歳児のこどもたちのための認可保育所です。園名には、「”みんなのみらいをつくる人”に育ってほしい」という願いが込められています。
(東京都 江東区/渋谷区)




