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品川女子学院の高校生が「みんつく」に来園!対話から改めて考えた「こどもの気持ち」を大切にする保育  

品川女子学院の高校生が「みんつく」に来園!対話から改めて考えた「こどもの気持ち」を大切にする保育  

おうち保育園門前仲町園長 野口 恵美子 

おうち保育園門前仲町園長 野口 恵美子 

2016年フローレンスに入職。新卒では養護施設にて勤務、その後、認可外保育所、一般企業を経て結婚。4人の子を出産、専業主婦歴17年。2011年の東日本大震災をきっかけに保育の仕事に再チャレンジする。現在は、おうち保育園門前仲町園長。

皆さん、こんにちは。おうち保育園門前仲町 園長の野口です。

わたしは普段、フローレンスの保育園において、こどもを一人の人間・市民として尊重し意見や気持ちを認め合う「シチズンシップ保育」の浸透推進に取り組んでいます。

先日、品川女子学院の高校生たちが探究学習の一環として、「みんなのみらいをつくる保育園東雲」(以下、みんつく東雲)に取材と保育体験に来てくれました。

彼女たちがみんつく東雲を訪れるきっかけになったのは、「自分たちの日常の会話が『やばくね?』で済まされがちで危機感を抱いている」「もっと語彙力や伝える力を高めて良好なコミュニケーションを取りたい」という思いでした。

自分自身の課題に気付き、それに向き合いながら探究を進める中で、幼児期の非認知能力教育の重要性に行き着いたそうです。そこからみんつく東雲の取り組みを知って興味を持ち、学校を通じて保育園へ問い合わせてくれました。 

それを聞いたわたしは、「そう!それが日々現場で試行錯誤している『感情の教育』につながるのよね。そして、このような探究心と行動力が今のこどもたちに必要な力なんだよね!」と思い、胸が熱くなりました。

高校生たちが話してくれた「自分の気持ちをうまく伝えたい」という思いは、幼児期のこどもたちにも通じるものがあります。自分がいま何を感じているのかに気づき、それを自分なりの方法で表してみる。その経験を重ねることが、誰かと気持ちを伝え合うことにつながっていくのだと思います。

「いま、どんな気持ち?」を大切にする感情カード

今回、高校生たちが特に関心を寄せてくれたのが、フローレンスが進めている「シチズンシップ保育(※こどもを一人の人間として尊重し、自分の意見や気持ちを安心して表せるように育む保育)」の一環として保育園で実践している「感情カード」でした。

これは、朝登園したこどもたちが「いまの気持ち」に合ったカードを選び、ボード上の自分の顔写真のところに貼るというものです。カードには「楽しい」だけでなく、「不安」や「いらいら」といった感情も含まれ、何枚貼ってもよく、途中で貼り替えることもできます。

感情カードを見た高校生からは、「1人で5枚も貼っている子がいて可愛い!わたしだったら1つに絞っちゃいそう」「自分の幼少期にもこんなふうに気持ちを表す機会があったら、もっと素直に意見が言えるようになっていたかも」といった気づきの声が上がりました。

また、保育体験で直接こどもたちと触れ合う中で、人見知りすることなく自分から「あのね」と自然に話しかけてくるこどもたちに対して、最初は戸惑いつつもすぐに打ち解けて笑顔で接する姿も印象的でした。

今回の出会いは、わたしたちが日々積み重ねている保育の価値を、高校生の視点を通して改めて発見する素晴らしい機会となりました。

わたしは、フローレンスの保育園で「シチズンシップ保育」の浸透を進める中で、「感情を知る、感じる」ということを日々大切にしています。今回、高校生たちが感情カードを見て、自分自身の幼少期を振り返りながら言葉を交わす姿を見て、幼いころに「自分の気持ちを表していい」と感じられる経験を重ねることの大切さを、改めて考えました。 

わたしたちが大切にしている「感情教育」とは?

わたしたちが大切にしている「感情教育」の根本にあるのは、「いま、こどもたちがどういう気持ちでいるのか」に寄り添い、尊重する姿勢です。自分の中にある気持ちに気づき、「いま、わたしはこう感じている」と表してみる。そして、自分とは違う気持ちを持つ人がいることも知る。わたしたちは、そうした経験を日々の保育の中で積み重ねていくことを大切にしています。

「こどもの気持ちや意見を尊重する」というと「大人が我慢してこどもの言うことを全て受け入れること」と捉えられることがあるかもしれません。でも、わたしたちが大切にしている「対等な関わり」は、そういうことではありません。

一人の人間として対等に向き合うからこそ、ダメなことや危険なことはしっかりと伝えます。その際も指示や命令で従わせるのではなく、「なぜダメなのか」「先生も困ってしまうんだよ」と、2歳児であっても大人と同じように誠実に理由を説明します。そして「どうしたらいいと思う?」と問いかけ、対話を重ねることを大切にしています。

すぐに答えを出さず、「待つ」

こどもと対話するときには、大人が先回りせず「待つ」ことも重要です。

言葉に詰まるこどもに対しても、すぐに答えを与えるのではなく「どうしたの?」「どうしたい?」と問いかけて、じっと待つ。この「待つ時間」も、自分の気持ちを言葉にしていくための大切な時間だと考えています。

また、「そもそも、本当にダメなことなのかな?」と、これまでの「あたりまえ」を疑い、こどもと大人が一緒になって、その場でどうするのがよいかを考えることも大切にしています。

自分の気持ちを伝え、相手の気持ちも認めるために

これまでは、こどもに関することを大人が決めたり、物事の善し悪しや社会の常識を大人が一方的に伝えたりすることが多くありました。一方、こどもの権利条約には「こどもは自身に関わる事柄について自由に意見を表明でき、大人はその意見を尊重します。」と示されています。

小さなこどもが自分の意見を表すためには、まず自分の内側にある気持ちに気づき、それを言葉にする経験が必要です。つまり、「感情を知る、感じる」ということはシチズンシップ保育の基本でもあるのです。

自分の感情を素直に出し、同時に相手の感情も認められる環境をつくる。そのためにわたしたちは「感情カードの実践」と「対等な関わり」を大切にしています。大人もこどももみんな一人の人間として、互いを尊重し合う、そんな関係を目指しています。

 みんつく東雲ではおやつの後などに「サークルタイム(対話の時間)」を毎日実施しています。こうした取り組みを通じて、こどもたちは「自分の気持ちを伝えていいんだ」「違っても大丈夫なんだ」「否定されずに聴いてもらえる」と実感し、安心して発言できるようになります。

今回、探究学習で訪れてくれた高校生との交流を通じて、幼いころから自分の気持ちを知り、言葉にして伝える経験を重ねることの大切さを改めて感じました。そして、自分とは違う気持ちを持つ相手のことも知り、お互いの気持ちを認めながら対話する経験もまた、こどもたちにとって大切な学びなのだと思います。

自らの日常の課題意識に向き合い、保育園に足を運んでくれた品川女子学院の高校生のみなさんに心からの感謝とエールを送ります。

フローレンスの保育を、実際に見てみませんか?(保護者の皆さんへ)

フローレンスの保育園では、こどもたちの要望をただ受け入れるのではなく、一人の人間として、こどもたちの「伝えたい気持ち」を大切にしながら対話する保育を行っています。

こどもたちがどんな気持ちでいるのかに目を向け、一人ひとりと向き合う保育を、ぜひ実際に見に来てください。

フローレンスの保育に興味のある保育士の皆さんへ

こどもを「一人の人間」として対等に向き合い、共に成長し合えるやりがいにあふれた保育を、わたしたちと一緒に実践してみませんか?


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