先日、シンガポールの社会福祉団体 Montfort Careの皆さんがフローレンスオフィスに来てくださいました!Montfort Careは、シンガポールで家族支援や高齢者支援などに取り組まれている団体です。
今回、日本の福祉現場における親子・こども領域での支援や予防的アプローチに強い関心を持たれ、こども・子育て領域の社会課題解決を掲げるフローレンスを訪問先に選んでくださいました。
フローレンスは関連団体のこども宅食応援団と連携し、「こども宅食」という事業を全国に広めています。こども宅食は、食品の配送をきっかけに親子とつながり、虐待など重篤な事態に至る前に次の支援につなげていく、予防的アプローチの一つです。
当日はフローレンスでこども宅食事業に関わる3名が応接し、日本のこども福祉に関する現状や、支援が届きづらい親子へのアプローチについてお話させていただきました。

支援が届きづらい親子へどうアプローチするか?―フローレンスから見た現状
まずフローレンスから、現在の日本におけるこども福祉の現状や課題をお伝えしました。
近年、地域コミュニティの希薄化によってひとり親世帯などの困窮や「孤独・孤立」が深刻化していること。そして、本当に支援が必要な親子ほど情報や制度にアクセスできておらず、既存の窓口型支援ではニーズを取りこぼしてしまっている現実をお話ししました。
その上で、わたしたちが全国への普及を目指している「こども宅食」をはじめ、制度の隙間で孤立する親子へ、こちらから出向いてつながりをつくるアプローチ方法について詳しくお伝えしました。

日本もシンガポールも、国は違えど「本当に支援を必要としている人に、どうやって支援を届けるか」という本質的な課題意識は同じ。Montfort Care の皆さんも、わたしたちの事例を非常に真剣な眼差しで聞いてくださいました。
意見交換する中で見えてきた、「誰一人取り残さない」ためのヒント
後半の意見交換会では、お互いの国のリアルな課題をもとに、ディスカッションを行いました。
支援が必要なのに届いていない家庭にどう気づけるか?
シンガポールでは困窮が見えにくい反面、支援団体は虐待の通報や情報共有において、病院や学校などの地域ネットワークと深く連携をしているとのこと。できるだけ早期に介入すること、また小さなサインを見逃さないようにすることが重視されています。
一方、どれだけ訪問を重ねても、なかなか心を開かない家庭も少なくないという現実も。「だからこそ現場では、『困難を抱える家庭を待つ』のではなく、『地域の中で気付き、つながり続ける』姿勢が何より大切」という言葉に、フローレンスが掲げる「待つのではなくこちらから出向く(アウトリーチ)」姿勢との親和性を強く感じました。
形は違えど、「孤立させない、見落とさない」というアプローチの本質は共通しています。

多文化社会におけるアウトリーチの難しさは?
多民族・多文化国家のシンガポールでは、同じ文化背景を持つコミュニティを巻き込むことを重視しているとのこと。単なる言語の翻訳だけでなく、子育て観の違い、家族内の役割意識、宗教的背景などを理解したうえで関わることが、支援の入り口になるといいます。
また、支援の申請手続きや家庭記録のデジタル化が進む一方で、デジタルが苦手な人や言語に不安がある人のために、窓口で直接サポートする体制も維持されているそう。デジタルと対面の両輪で「誰一人取り残さない」仕組みが目指されていました。
現在、日本でも外国ルーツの家庭が増えていますが、「多文化対応を特別視せず、最初から多様性を前提に仕組みを作る」というシンガポールの姿勢は、これからの日本の福祉にとっても、非常に大きなヒントとなりました。
今後も海外からの視察を受け入れていきます!
今回の視察にとどまらず、Montfort Careの皆さんとは連絡を取り合い、情報交換を継続していけたらと願っています。

(視察の最後には、素敵なアートフレームやトレー、お菓子などをお土産にいただきました!ありがとうございます!)
フローレンスでは、今後も海外からの視察受け入れを行っていきます。(海外の方向けの英語ページはこちら)社会課題解決に関する視察、講演を企画している方はぜひお問い合わせください。




