7月9日~10日の2日間、市川高等学校の高校生5名がフローレンスの「学生インターン」プログラムに参加してくれました!
参加した高校生たちは、2日間にわたってフローレンスの支援の現場と事務局オフィスに足を運び、こども・親子に関わる「事業」と「政策提言」のリアルを学びました。
フローレンスの「現場」と「仕組みづくり」を体感する2日間
フローレンスは、「事業をつくり、仕組みを変え、文化を変える」を活動の3本の柱として、「新しいあたりまえ」の創出に取り組んでいます。
支援の現場から聞こえる声を「政策提言」へつなげ、社会全体の仕組みや文化を変えていく。
この一連の流れを体感してもらうために、このインターンプログラムでは、机上のワークにとどまらず、まずは現場へ足を運び、自分の目で見て聴くプロセスを大切にしました。
「障害児保育園ヘレン」での見学や小規模認可保育園「おうち保育園」での実習、現場スタッフとの対話を経て、2日目の最後には「赤ちゃんの遺棄を防ぐ」をテーマとした政策提言の作成に挑戦しました。

1. 現場を知る:障害児保育園ヘレン・おうち保育園
初日は、医療的ケア児や重症心身障害児のための「障害児保育園ヘレン」を見学。
障害や医療的ケアの種類が異なるこどもたち一人一人に寄り添う保育の様子を見ながら、職員からヘレン立ち上げの背景や1日の保育の流れなどの説明を受けました。
<参加者の声>
医療的ケア児が楽しそうに遊んだり人と関わっている姿を見て、このような場所があるかどうかでこの子たちの経験の幅は大きく変わってくるだろうな、ということを感じました。まだまだヘレンのような保育園は少ないですが、これから広まっていって、医療的ケア児がいろいろな経験ができるようになってほしいと思いました。
2日目には、0〜2歳児が通う小規模認可保育園「おうち保育園」で保育実習を経験。
言葉で気持ちを伝えることが難しい年齢のこどもたちと触れ合い、保育士の関わりを間近で見ることで、生徒の皆さんは、こどもと関わる楽しさと同時にその難しさや奥深さを肌で感じた様子でした。
<参加者の声>
- 小さいこどもと関わるのは難しく、先生方の声かけはどれもこどもたちの気持ちに寄り添ったものですごいなと思いました。0歳と2歳でもかなり違いがあり、その成長に関わる保育の仕事はとても大切なものだなと改めて感じました。
- 公園で水遊びをしている際に、自転車に乗った通行人に気づき水鉄砲をそらした保育士さんが、視野が広くて周りをよく見ていることに気づきました。こどもを見るだけでなく周囲に目を配っているのが本当にすごいと思いました。
- こどもが舌足らずであり、言っている内容がわからないし、喋らないと読み取れなくて難しいと思いました。

2. 社会を変える手法を学ぶ:政策提言ワークショップ
事務局オフィスでは、政策提言に携わるスタッフが政策提言の流れや、「誰に・何を・どう伝えるか」というポイント、フローレンスの事例などをレクチャーしました。
生徒の皆さんは真剣な眼差しでメモを取りながら耳を傾けていました。
社会課題を知って深めるー現場スタッフとの対話会
今回のワークショップのテーマは「赤ちゃん遺棄を防ぐための政策提言を考えよう」です。
日本では、2週間に1人、生後間もない赤ちゃんが遺棄され亡くなっています。
背景には、孤立出産があります。予期せぬ妊娠に悩み、経済的な理由で追い込まれたり、その状況を誰にも相談できず未受診のまま一人孤立してしまうケースが少なくありません。
政策提言を考案するワークに先立ち、まずは「にんしん相談」や「特別養子縁組」の事業に関わる現場スタッフとの対話会からスタートしました。

「なぜ、誰にもSOSを出せずに追い詰められてしまうのか?」
「命を救うために、どんな支援や制度が足りないのか?」
「もし自分が当事者だったら、本当に声をあげられるだろうか?」
スタッフの言葉に耳を傾けながら、当事者の置かれた状況に思考を巡らせます。
赤ちゃんの遺棄に至る社会的背景や制度の課題についてさまざまな角度から質問が飛び交い、他人ごとではなく「自分ごと」として深く考察する姿が印象的でした。
政策提言を考案!グループワークに挑戦
続くグループワークでは、2組に分かれてフレームワーク(実現したい未来/阻むボトルネック/解決の鍵となるセンターピン)を用いて議論を進めました。

議論を進行するファシリテーター、議事録をとるロガーなどそれぞれの役割を持ちながらグループごとに活発な意見交換が行われます。

そして、3時間弱に及ぶグループワークを経て、課題の根本の原因にも着目した、素晴らしい提言内容が完成しました。
グループワークで作成した提言は、フローレンスも実際に使用しているスライドのフォーマットに落とし込み、プレゼンテーション形式で発表してもらいました。
提言の一部をご紹介します↓
Aグループ
Bグループ
グループワークの中では、
「産む親も育ての親も幸せではないと、こどもも幸せになれないのではないか?」
「どんな選択をしても、その選択自体が責められることなく、社会から尊重されるべきだと思う」
などの意見もあがりました。
表面的な解決策にとどまらず、社会の文化や構造に目を向けて闊達に議論を進める姿は頼もしく、その場にいたスタッフ一同、胸が熱くなる時間となりました。
学校を飛び出し、事業の現場に入り込んだ「生の体験」が、生徒の皆さんの将来の選択肢を広げる経験の一つとなっていたら嬉しく思います。
<参加者の感想>
- フローレンスの方のアドバイスを受けながら政策提言を考えることができて、多くのことを学べました。(中略)また、赤ちゃん遺棄という問題1つにも多くの原因があって、赤ちゃん遺棄をなくすためにはさまざまな方向から考えてアプローチする必要があるということがわかりました。
- 2日間でいろいろなプログラムを体験できて、短い期間ではありましたが本当に多くのことを学ばせていただきました。自分の将来のことや日本の課題について考えるきっかけになりました。
さいごに
「赤ちゃんの遺棄」は、学校の授業や日常の会話では滅多に扱われない、触れづらいテーマかもしれません。
しかし、その背景には孤立や経済的な理由、制度の隙間など、社会全体で向き合うべき構造的な課題が潜んでいます。
今回、高校生がこの課題に向き合い、当事者の置かれた環境に思いを馳せながら議論を重ねたこと。それ自体が、非常に価値のある時間となりました。
現場の生の声に触れ、仲間とともに問いを深め、政策提言という社会を変える手法を体感すること。
それは生徒の皆さんにとって、「自分たちの手で未来を変えられる」という確かな実感にもつながったのではないでしょうか。
フローレンスはこれからも、現場での支援を続けるとともに、次世代を担う若者たちが社会課題に触れ、自らの頭で考え、対話を通じてルールメイキングを学ぶ機会をつくり続けていきます。
市川高等学校の皆さん、本当にありがとうございました!
今回の記事で紹介したような2日間のインターンプログラムの他、2~3時間のワークショップでルールメイキング体験を行うプログラムも実施しています。
ご興味のある方は下記メールアドレス宛にお問い合わせください。
お問い合わせ先
◆学生向けインターン(2日間)/ワークショップ(2~3時間)のプログラムを希望する学校関係者の方へ
認定NPO法人フローレンス 代表室
メールアドレス:rr@florence.or.jp
※「学生向けインターン/ワークショップの問い合わせ」であることを明記の上ご連絡ください。




