フローレンスは、さまざまな事情により体験が不足しがちな家庭が、企業などが無料で提供した体験コンテンツを自由に選び申し込みできるプラットフォーム「こども冒険バンク」事業を展開し、2024年8月のサービス開始から5,226名分の体験をご家庭に届けてきました(2025年4月末時点)。
このたび、以前からご支援くださっている企業さんが主催するイベントで、キッザニア東京での職業体験の機会をご提供いただき、フローレンスの「こども冒険バンク」を通じて障害や医療的ケアのあるお子さんとそのご家族60世帯を招待しました。
今回は、5月22日に実施された「キッザニア東京」招待イベントの模様をご報告します。
満を持して、キッザニア東京に参戦!
この体験は、企業さんが難病のお子さんや障害のあるお子さんを支援する団体にお声がけくださり実現したもので、「こども冒険バンク」を通じて、フローレンスの運営する「障害児保育園ヘレン」や「障害児訪問保育アニー」のお子さんや、卒業生のお子さんも参加。企業の社員ボランティアの皆さんに見守られながら、思い思いに体験を楽しみました。

「前もって教えると楽しみにしすぎちゃって、他のことが手につかなくなるから、ここに来ることは今朝教えたんですよ」という親御さんも。お子さんは始終満面の笑みでパビリオンを回っていました。
また、「体調を崩さないように、何日も前からいつも以上に気をつけて過ごしてきました。具合が悪くなって来られないとかわいそうなので、直前まで伝えていなかったんです」という声も聞きました。「満を持して来ました!」と嬉しそうにおっしゃるその言葉に、お出かけすることのハードルの高さがうかがえました。

家族揃って出かけられたのが、何よりも嬉しい
ご家族にお話を聞くなかで多く聞かれたのは「いつもなら、このような場所にチャレンジしようとはなかなか思えないので、来られて良かった」という声でした。
フローレンスが目指すのは、「障害の有無に関係なく一緒にいることが自然で、お互いに気にかけることがあたりまえの社会」です。そのような社会を実現し、障害や医療的ケアのあるお子さんとご家族が、「チャレンジ」しなくても来られるようになるには、まだ多くの越えなければならない障壁があることを痛感しました。

この日は、障害や医療的ケアのあるお子さんのきょうだいも招待され、次々とお仕事の体験に参加していました。アイスクリームを作ったり、パイロットになったり、消防士になったり、パンをこねたり、お医者さんになったりと大忙しです。
今回、お話を聞いたご家族からは、「家族そろって出かけられたのが、何より嬉しいんです。どうしても、別々になってしまうことが多いので、こういう機会がもっとたくさん作れたらいいなと思います」という声もいただきました。

わたしたちの目指す社会、「障害の有無に関係なく一緒にいることが自然で、お互いに気にかけることがあたりまえの社会」は、すぐに実現できるものではないかもしれません。それでも、今回の「体験」のような機会の積み重ねと、社会への広がりが、実現への道筋を作ってくれるのではないかと感じました。


日々の積み重ねの先に、特別な一日がある
実はこの日、フローレンスからもたくさんのスタッフが訪れていました。障害児保育園ヘレンの保育スタッフや看護師、事務局スタッフたちです。通常の業務を終えてから、こどもたちがキッザニアで遊んでいる様子を見たいと駆けつけたのでした。

フローレンスの障害児保育園ヘレンや障害児訪問保育アニーでは、親御さんの就労を支援することだけが目的ではなく、遊びを中心に楽しみながら発達を促す保育・療育を行っています。専門性の高い保育スタッフ、看護師が連携しながら、一人一人のお子さんの特性に合わせて丁寧に向き合っているからこそ、見えた気づきもありました。
「(感覚過敏があって)初めて触れるものをいつもなら苦手そうな反応をするけれど、今日は楽しそうに小麦粉に触っていたのでびっくりしました。キッザニアという夢の国だからこそですね」
「こういう特別な場所を訪れて、刺激をもらうことの大切さを感じました。普段、めったに見られないくらい楽しそうな笑顔を引き出してくれる魔法の場所です。招待してくださった企業さんには心から感謝しています」
驚きと喜びで盛り上がる保育スタッフ、看護師の話を聞いて、障害児保育園ヘレン荻窪の園長は、「日々の丁寧な保育・療育の積み重ねでこどもたちの反応を引き出し、少しずつ成長しているなかで、キッザニアで過ごす特別な一日があることの意味を噛み締めています」と、感じ入った様子で話していました。
この素晴らしい機会をご提供くださった企業さんと、あたたかく見守ってくださった社員ボランティアの皆さんに、改めてお礼申し上げます。
こどもの「やってみたい」を、未来の力に
自分の力ではどうにもならない理由で、やりたいことに手が届かないこどもたち。
やりたいことがまだ分からずにいるこどもたち。
「こども冒険バンク」は、そんなこどもたちにさまざまな体験の機会を届けています。
新しい世界に触れ、「やってみたい」と心が動く瞬間。
「できた!」という小さな成功の積み重ね。
その一歩一歩が、自信となり、未来を切り拓く力になっていく——わたしたちは、そう信じています。
こうした体験は、寄付者の皆さんや、体験を提供してくださる企業さんのあたたかな思いに支えられています。
皆さんのお気持ちが、こどもたちの心に届き、時には一生の記憶となって、成長の支えになることもあるはずです。
これからも、たくさんの「やってみたい」と「できた!」を届けていけるように。
こども冒険バンクの挑戦を、どうか応援してください。
フローレンスが運営する「こども冒険バンク」は、株式会社朝日新聞社などが構成するウェルビーイングアクション実行委員会主催の「ウェルビーイングアワード2025」モノ・サービス部門において、グランプリを受賞しています。

「こども冒険バンク」では、恒常的にご家庭に多様な体験を届けられるように、企業から体験の提供を積極的に受け付けています。
こどもたちの未来を応援したいと考えている企業の皆さん、自社商品やコンテンツを活かした体験をこどもたちに届けませんか?まずは下記の問い合わせフォームからお気軽にお問い合わせください。
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