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2021/08/10

“食”をきっかけに、支え、支えられが当たり前の社会に:菊地亜美×小原亦聡×駒崎弘樹(後編)

      


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地球上で最も輝くといわれ、ダイアモンドの約2.5倍の輝きを持つ人工宝石モアサナイト。一部の天然宝石の背景にあるような倫理的な問題から解放され、製造における環境負荷も少なく、さらに耐久性にも優れているサスティナブルでエシカルな宝石として注目が高まっています。

日本初のモアサナイトジュエリーブランド「Brillar(ブリジャール)」は、社会貢献活動に力を入れており、フローレンスとコラボしたチャリティジュエリーを展開しています。先日その第二弾として、売上の30%が「こども宅食」事業への支援となる<OHASHI>というチャリティジュエリーが発売されました

株式会社ブリジャール 代表取締役の小原 亦聡さんと、ブリジャールのジュエリーを愛用し2020年に第一子を出産したタレントの菊地亜美さん、そしてこども宅食応援団/フローレンス代表理事・駒崎弘樹が対談を行いました。
さまざまな親子を取り巻く環境や福祉のこと、子育てにまつわる話について、子を持つ親でありビジネスパーソンでもある3人が語った内容を前後編でお送りします。

―――先週公開した前編では、菊地亜美さんにご参加いただいたきっかけや、貧困の中でもサポートを求めにくいという「こどもの貧困」問題の実情についてお話ししました。

“食”をきっかけに、支え、支えられが当たり前の社会に:菊地亜美×小原亦聡×駒崎弘樹(前編)
地球上で最も輝くといわれ、ダイアモンドの約2.5倍の輝きを持つ人工宝石モアサナイト。一部の天然宝石の背景にあるような倫理的な問題から解放され、製造における環境負荷も少なく、さらに耐...

後編となる今回は、引き続き子どもの貧困問題や、困りごとを抱える家庭に支援を広げるための「こども宅食」の取り組みについて、菊地さんの体験談も交えながらお話ししています。


「まだ頑張れる」と支援を遠慮する家庭に、支援を届けたい

駒崎:ここまでは「サポートしてほしいと言いたいのに言えない」方がいらっしゃるとお話ししましたが、それだけではなく「自分はまだいう必要がない」と思っている方もいらっしゃるんです。

小原:まだいう必要がない、ですか?

駒崎:はい。厳しい環境の中にいるひとり親の方からお話を聞いていると、生活保護ライン以下の収入の方もいらっしゃいます。ところが生活保護の制度の説明をしても、あるお母さんは「いえいえ、私そういうんじゃないので」とおっしゃるんです。「日本人の権利として受けられますよ」とお伝えしても、「いえ、大丈夫です。私はもっと頑張れます」と…。既にダブルワークをされてもう十分頑張っていらっしゃるのに、もっと頑張れるから支援は必要ないと遠慮される。すごく立派なお心持ですが、歯がゆいです。

でも、実はこれってすごく日本人らしいスタンスで、制度や支援に頼ることに対し、「人に迷惑をかけたくない」という思いが強くて、福祉につながりにくいという現状があります

菊地:「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」となってしまうのですね。私も仕事面ではなかなか人に頼れなかったり、大丈夫です、という言葉が口癖になってしまっていたことがあるので、とてもよくわかります。でもある時パンクしてしまう…ということがあったので、今ではパンクする前に自分からキツイ時はキツイと言おうと思っています

駒崎:その心がけ、大切だと思います。福祉用語で“援助希求力”というのがあって、英語では“ヘルプシーキング力”と言い、つまり「助けてほしい」とSOSを出すのも実は能力であるということなのですが、実はその力、日本人は相対的にとても低くて

菊地:援助希求力、初めて聞きました!

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駒崎:日本人は「迷惑をかけるな」とか、「泣きごとを言うな」とか、そういうふうに育てられがちなので、苦しくても「もっと頑張れる」とどうしても思ってしまうんですね。そうすると、日本の福祉は基本的に「困ったら来てくださいね」という、お店のような待ちの仕組みなので、本当に必要としている人に支援が行き届きにくいんです

小原:日本の福祉はパッシブ(受動的)な仕組みなのですね。

駒崎:そうです。援助希求しないと発動しないという仕組みなので、声を上げない限りずっと助けてもらえないという構造になってしまっています。

小原:福祉がすべきなのは、要請されやすい仕組みにするか、福祉の方から積極的に関わっていくか、ですね。

駒崎:お店モデルはそろそろやめようよ、というのが我々のスタンスです。出張って行って、支援をこちらが届けに行こうという、福祉で言う「アウトリーチ」をしようと考えています

でも、いきなり役所やNPOが「こんにちは~!大丈夫ですか~!」と行くと怖くなるじゃないですか(笑)。そこで「食品を持って来ました」と伺えば「わぁ、うれしい!」となるので、そこから支援につながる。「こども宅食」にはこのような意味合いもあります。

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「そういう目で子供を見られたくないから、言えない」という食糧支援以外にも、相談しやすい環境づくり進めるこども宅食

菊地:日本人って、助けてもらったときに「ありがとうございます」と一緒に「すみません、申し訳ないです」という言葉が出ますが、それって日本人の特性というか…心の中で「助けて」と思っても、1回は「大丈夫」と口にするじゃないですか。だから本当に大丈夫なのか見抜く力も必要ですよね

駒崎:そうですね。定期的に配送することでちょっとずつ仲良くなっていき、1回だけの接触だとわからない、本当の状況が見えてくることがあります。

他にも「こども宅食」はLINE上で申し込みができるようにしています。役所の申請では書類を書くことが多いことも支援が遠のく理由です。そこで気軽に申し込めるようにしました。

菊地:いいですね!

駒崎:なるべくハードルを下げて、「困ったら何でも連絡してくださいね」と、相談しやすい環境を作っています
ほかにも例えば今回のコロナ禍で、さまざまな給付制度や支援制度が増えましたが、多くの困窮家庭はこれを知らないので、制度についての情報整理をしてLINEで送っています。

小原:制度について書かれた書類って、わかりにくいですよね~!

菊地:どこに該当するのかもわからないし。

駒崎:おっしゃる通りよくわからないので、バナー押したら詳しい情報が出てくる、というように情報を編集して出していくことも大切な役割です。情報をまず出して、該当者がそこから申し込めるようにすると、驚くほどクリック率が高かったです。役所のホームページとかは一切見なくても、LINEで届くと「何だろう?」と気になってクリックしてくれます。

菊地:「○年の○月から○年の○月までに出産した方は給付対象です」など情報がたくさん書かれていてもわかりにくくて、気づいたときには期限を過ぎてたり、制度自体を知らないと申請すらできなかったりするので、本当に助かるサービスだと思います。

駒崎:ありがとうございます。こういったサービスや、コロナ禍にもフィットした1対1で支援を届けるという運営形態もあり、「こども宅食」は全国に広がりつつあります。

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社会全体で子育てができる社会に!日本のこれからに望むこと

小原:ここまでのお話し、困窮家庭のみならず子育て世帯みんなに通じる話もありますね。経済的な困難だけではなく、精神的に追い詰められているお母さんの話もよく聞くので、社会の目だったりサポートというのは大事かな

駒崎:親だけが子育てをするのではなく、保育園なり一時保育なり、いろんな人たちが1人の子どもに関わるような社会にしていかないとと思っています。アフリカで、「1人の子どもを育てるには村1個分かかるんだ」ということわざがあって、その通りだなと。親1組じゃなくて、村1個で子どもを1人育てるという姿勢こそ、今求められているんじゃないかと。

菊地:海外といえば、海外に行くと、子育て観の違いを感じます!海外では、赤ちゃんや子どもに優しい環境が広がっていますよね。飛行機とか電車で赤ちゃんが泣いちゃったら嫌な顔されるというのは、日本特有かなと思って…やはり子どもが泣くと、「ごめんなさい、ごめんなさい」と申し訳ない気持ちになります。

駒崎:僕も同じ経験をしたことがあって、子育てを頑張っているだけなのにこんなにプレッシャーがかかり、白い目で見られるんだっていうのがすごく辛かったです。こちら側になって辛さを知っているから、困っている親子には「頑張ってるよ、君は頑張ってる」とバイブスを送ってあげなきゃと思っています。謝らなくていいよ。赤ちゃんは泣くものだからって。

菊地:私も、大泣きしている赤ちゃんを抱えるお母さんを見ると、大丈夫かなぁと心配になって助けてあげたい気持ちになります。

駒崎:理想的には日本を「子どもは泣くもんだしね」って言ってみんなが許容するような社会にしたい。今は、お母さんにとにかく過剰に負担がかかってる社会だと思うんです。

ひとり親に対してもだし、親が2人いたとしても片方だけに負荷がかかる状況だから、社会全体で、この子は親の子であると同時に「社会の子」なんだって思えるようにしていきたいです

小原:そのお話につながりますが、今回フローレンスさんとコラボレーションする、チャリティジュエリー<OHASHI>は、包み込むようなデザインです。社会全体で子どもたちを支えていくというのをモチーフにしています

菊地:まさにぴったり!そうだったんですね!

駒崎:まだまだ話したいところではありますが…最後にひとことずついただけたらと思います。菊池さんお願いします。

菊地:子どもが生まれてまだ10か月も経っていないので、初めての子育てで知らないことやわからないことがたくさんあって、今も仕事をしている中で、もし娘が病気になったときや、熱が出て保育園からお迎え要請があったときに、「生放送中だったらどうしよう」など心配がつきません。そんな時にフローレンスさんの病児保育事業を知って、こういうところに頼っていいんだと安心しました。そういった情報を知らない人もきっといると思うので、私からもどんどん発信したいと思っています。

そして今回の、ジュエリーを購入するとチャリティにつながるという仕組みも、率直にとても素晴らしくて素敵だと思いました。子供が産まれてから考え方や生活スタイルがガラリと変わり、可愛い我が子に癒されながらも育児の大変さを痛感するなかで、表に立つ仕事をしている以上、少しでも同じように子を持つ親御さんの役に立ちたい!という思いがありました。ですので、今回対談といった形で携わることができて光栄です。

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駒崎:ありがとうございます!こちらこそとてもうれしいです!

小原さん、いかがでしょうか。

小原:シングルマザーだった母親が、今は「こども食堂をやりたい」という想いを持っていて。でも今はコロナ禍でそういった取り組みはすごく難しい状況ですよね。こういった状況下でも運営ができて支援を必要とする人に寄り添える「こども宅食」事業はやはりとても有意義だと思います。弊社としても継続的に応援して、支援していきたいなと考えております!今後ともよろしくお願いします。

駒崎:ありがとうございます、うれしいです。今日はこんなに素晴らしいご縁をお作りいただきまして本当にありがとうございました。


フローレンスでは、さまざまな法人企業やブランドからのご支援に支えられ、親子を取り巻く社会課題解決に向けてアクションを行っています。
ブリジャール様とコラボしたチャリティジュエリーのように、企業の想いや価値、販路を活かした施策など、寄付やさまざまな社会貢献活動でサポートしていただいています。

フローレンス一団体だけでは活動に限りがありますが、協同することで支援が届きにくいところまでアプローチが可能となります。

フローレンスは今後も、親子領域における社会課題解決に向けてこども宅食事業をはじめとする、ひとり親家庭や経済的な困難を抱える家庭の支援に取り組んでいきます。

この活動は、フローレンスの活動に共感してくださる法人・個人の皆さんからのご寄付によって支えられています。
ぜひ、引き続きのご支援をよろしくお願いいたします。

<ブリジャール『OHASHI』>
ブリジャールとフローレンスがコラボした、チャリティージュエリー第二弾。売上の30%は、経済的な困窮やさまざまな困難を抱える家庭を支援する「こども宅食」事業に寄付されます。
チャリティジュエリーライン<OHASHI>のデザインコンセプトは、生きる源となる”ご飯”。ご飯を表したセンターストーンを、お箸に見立てた2本のアーチが包み込みます。華奢なアーチに対して、ベゼルセッティングで少し大きく見えるようにセンターストーンをセレクトしました。「子ども達が愛する人と食卓を囲み、お腹いっぱい食べて心と体を育んでいけるように」という願いが込められています。
また、アーチとセンターストーンがひとつにつながる曲線のデザインには、「支援を必要とする人と「こども宅食」という食を通じてつながり、親子のつらいを見逃さない社会作りをしたい」という想いが表現されています。

<菊地 亜美さん プロフィール>
1990年9月5日北海道生まれ。
2006年、レプロガールズオーディションにエントリーし、
最終審査で落選するも審査員に声をかけられ所属が決定。
その後、アイドリング!!!16号として活躍し、2014年に同グループを卒業。
2018年に一般男性と結婚し、2020年8月に第一子となる女の子を出産。
バラエティタレントとして活躍する傍ら、InstagramやYouTubeで日々育児に奮闘する生活や手作り離乳食を紹介し子育てママに好評を博している。

<小原 亦聡さん プロフィール>
2007年に京都大学経済学部卒業、2009年に京都大学経営管理大学院にて経営学修士(MBA)を取得後、モルガン・スタンレー証券株式会社に入社。し、上場会社、未上場会社等の法人営業に従事。
その後、2014年にメリルリンチ日本証券に移籍し、債券部にてヴァイスプレジデントに昇格。2017年1月、在職中にモアサナイトジュエリーブランドブリジャール(ブリジャール)を立ち上げ、同年12月に株式会社ブリジャールを設立し、代表取締役社長に就任。私生活では二児の母。




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