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アクション最前線

2022/03/01

「医療的ケア児家庭の未来をつくる」 障害児保育園ヘレンの取り組み<前編>

     


フローレンスの障害児保育・支援事業は、障害児のお預かりを通じて医療的ケア児や重症心身障害児と親御さんをサポートするとともに、ご家族を取り巻く環境がより良いものになるよう、さまざまな活動をおこなっています。

障害児保育園の運営や、訪問保育、障害児訪問支援事業を運営しながら、医療的ケア児に関わる制度改革の推進を行う、国内有数の障害児家庭支援現場です。

今回は、その中でも障害児保育園ヘレンを取り上げ、その保育現場の様子をお届けします。

前編では、外部の保育園を対象に障害児保育園ヘレン事業部が実施している研修、後編では、課題を訴え制度を変える「政策提言活動」についてご紹介します。


障害児保育園から訪問保育・支援まで、医療的ケア児と親御さんをサポート

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現在、医療的ケア児は全国で約2万人いると言われており、その数は15年で約2倍に増加しています。

一方で、医療的ケアや重度障害のあるお子さんを長時間お預かりすることのできる施設は極度に不足しています。その結果、多くのお子さんが保育を受けることが叶わず、親御さんも仕事を諦めなければいけない現状があります。

障害児保育園ヘレンは、「すべての子どもが保育を受けられ、保護者が働くことを選択できる社会」を目指し、2014年に1園目であるヘレン荻窪園を開園しました。現在、都内5園でお子さんをお預かりしています。

障害児保育園ヘレンは①長時間保育ができ、②看護師、リハビリスタッフ、研修を受けた保育スタッフがチームを組んで医療的ケアに対応する施設です。また、③「遊び」を出発点とした、子ども自身が楽しみながら発達を促す保育を行うことも大きな特徴です。

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障害児保育園ヘレンの遊びを紹介した記事はこちらから:
https://helen-hoiku.jp/news/1909
https://helen-hoiku.jp/news/1911

2020年度末までに、のべ97名のお子さんに保育を提供し、親御さんのキャリアが継続できるようサポートを行ってきました。

また、ヘレンに加えて、2015年からはご自宅で保育を実施する「障害児訪問保育アニー」をサービスイン。2019年からは「医療的ケアシッター ナンシー」をスタート。24時間介護をお休みできない親御さんに、レスパイト(休息)の時間を提供しています。

2021年には障害のあるお子さんを自宅でお預かりしながら、一度仕事を離れた親御さんでも再就職を希望する方がサポートプログラムを受けられる『障害児かぞく「はたらく」プロジェクト』もサービスインしました。

様々なかたちで医療的ケア児・障害児とそのご家族のサポートを行っています。

各自治体の保育園で医療的ケア児の受け入れが進むよう研修を実施

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長年、複数の事業で障害児をお預かりしてきた経験を活かし、近年では東京都内の各区で、保育園での医療的ケア児の受け入れに関する研修を行っています。

直近では、2021年11月から3回にわたり、中央区の保育園の看護・保育スタッフの方々を対象に研修を行いました。

研修は、スタッフの皆さんに「クラスに医療的ケアのある子どもがいる状態」について具体的なイメージを持っていただくことを目的に行われました。障害児保育園ヘレン東雲の園長や事務局のスタッフから、「医療的ケア児とは」「医療的ケア児が集団保育で過ごす意義」や「配慮の必要なポイント」などについてお伝えしました。

質疑応答では、部屋の環境を整える際のポイントやトラブル・体調不良時の対応についてなど、具体的な質問や意見が飛び交い、保育現場や地域社会での医療的ケア児家庭支援への関心が高まっていることが感じられました。

このように、フローレンスの障害児保育・支援事業では、お子さんをお預かりしてご家族のサポートをすることはもちろん、他団体や自治体にフローレンスで培ってきたノウハウを広くシェアし、医療的ケア児とそのご家族を取り巻く環境をより良くする取り組みも行っています。


フローレンスの障害児保育・支援事業は、看護・保育の現場でさまざまな経験をもつ仲間が、「障害児家庭支援」の最前線の現場に興味を持って全国から集まる組織です。

保育現場でお子さんと親御さんに寄り添い、「医療的ケア児家庭の未来をつくる」

そんな特色ある職場で働いてみませんか?

フローレンスの障害児保育・支援事業で働いてみたい、医療的ケア児や障害児を取り巻く環境を変えることに貢献してみたいと思われた方は、ぜひこちらからご応募いただければと思います!




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