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働き方改革

2016/03/10

フローレンスのイクメンインタビュー 「変化を楽しめば、育児も楽しい」:障害児保育園ヘレン マネージャ森下

    


こんにちは。ハタカク(働き方革命事業部)の橋本です。

最近、国会議員の育休取得宣言が話題になっていますね。

ひと昔前では、国会議員が育休を取るなんて想像もつかないことでした。男性が積極的に家事育児をすること、すなわち「イクメン」であることの大切さが、徐々に社会に浸透してきたという、ひとつの証なのではないでしょうか。

今回は、そんなイクメンムーブメントのひとつとして、フローレンスで仕事に育児に帆走する、障害児保育事業部のマネージャ森下にインタビューを行いました。

仕事と育児・家事のあり方を考える一助となれば幸いです。それではどうぞ!

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<人物紹介>

森下倫朗(もりした みちろう)

フローレンス障害児保育事業部マネージャ。

2011年にフローレンスに入社。「グロースリンクかちどき」の立ち上げを担当。その後2014年に障害児保育事業部マネージャに就任、日本初の障害児保育園であるヘレンの立ち上げを担当。

2014年3月、第二子誕生時に育児休暇を取得。

座右の銘は「瞬間の美学」 BY YOSHIKI(XJAPAN)。最近の悩みはγ-GTPの数値の高さ。

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「育休を取って家族で過ごしたことは、きっと上の子の記憶にも残る」

--今日はイクメンインタビューということで、仕事に育児に活躍している森下さんにお話を聞かせていただきます。よろしくお願いします!

ありがとうございます。いやあ楽しみにしていましたよ! なんてったって駒さん(駒崎代表)以外で最初に育休を取った男性社員は僕ですからね! しかもマネージャで、ヘレン立ち上げの超忙しい時期に。そんなに話題性抜群なのに、働き方革命ブログでは、他の人ばっかり特集するんですから(笑)

--すみません(笑) 具体的には育児休暇を取ったのはいつ頃だったんですか?

2014年の3月半ばから、4月末までですね。

--1ヶ月半ほどですね。たしか、二人目のお子さんが生まれたときでしたよね。

そうです。上が女の子で、二人目が男の子。一姫二太郎ってやつです。尊敬する駒崎家と一緒ですね。あ、ここ、記事に入れておいてください(笑)

--わかりました(笑) 今のご家族構成は、そうすると……

家族構成は、妻と、娘が5歳6ヶ月、息子が1歳10ヶ月くらいですね。

息子の名前はセナというんですけど、「音速の貴公子」で有名なF1レーサーのアイルトン・セナからきてます。しかも出産予定日は3月17日だったんですが、アイルトン・セナは3月21日が誕生日で、ずれこんで誕生日が一緒になるなんてこともちょっと期待してたんです。そしたら、もっとずれこんで3月25日生まれになってしまいました。

--セナくんが生まれた後に育児休暇を取ったんですか。

生まれる前からですね。予定日が3月17日だったので、きりよく月の後半から休みにしようとしていて。ところが、妻が「意外と早く生まれそう」ということになって、最後の1週間くらいはオフィスに来たり来なかったりでした。だから引き継ぎとかも大変で、ヘレン事務局メンバーには迷惑をかけてしまいました。

あと「森下を育休に送り出す会」もあったんですけど、それも参加できなくて。僕抜きで飲み会をして、それを僕はFacebookで見るという(苦笑)

結局、予定日は早まらなかったんですけどね。

まあ、生まれたのは予定より遅くなりましたが、育休に入ってから実際に生まれるまでの1週間は、妻とゆっくりすごせてとてもよかったです。毎日美味しいものばかり食べてました(笑)

--実際にお子さんが生まれるときも立ち会いされたんですよね。

そうです。実際に生まれた日は、妻は仕事の都合で午前中外出していて、お昼から合流したんです。それでサイゼリヤでご飯を食べていたら、「お腹が痛いぞ」と。

で、その1時間か2時間後にはもう生まれてました。

--なんと。生まれるまで早いですね!

生まれるまでは、鈍足だったんですけど、分娩台の上では、まさにアイルトン・セナのごとく「音速の貴公子」! なので、我が家では「分娩台の貴公子」と呼ばれております。

--やめてください(笑) 実際、育休を取ってみてどうでしたか?

よかったですよ、やっぱり。男性も育休は取るべきですね。

出産に立ち会いできて、家族4人で過ごせたというのは、一生のことですし、長女の記憶にも残ると思いますから

--お休み中は森下さんはどんなふうに過ごしていたんですか?

実は生まれた直後に親戚が三重から来てくれて、家のことは大抵やってくれるという状況だったんですよ。妻のぶんまで家事をやるぞというのが育休をとった僕の役目だと思うんですが、あまりそういう感じではなくて。

だからその分、長女とたくさん遊びましたね。毎日保育園に送り迎えして、帰りは公園に寄って、クタクタになるまで一緒に遊んでました。

【▼長女のリオちゃんと。面倒見がよいお姉さんのときもあるが、普段はお父さん似でやんちゃ!?】

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家事・育児の分担は「強みを活かす」

--森下家の普段の家事・育児の分担はどんな感じですか?

今は、僕が朝の保育園送り、風呂掃除、皿洗い、洗濯、掃除機、床磨き、ゴミ出しを五郎丸ばりにルーティーンとしてやってますね。子どもが生まれる前からそんな感じです。

--食事などは奥さんが、ということですか。どういった経緯でそんな役割分担になったんですか?

強みを活かすって感じですね。なんというか、洗濯なんかは、僕がやったほうが完成度が高いんですよ。スピード感もあるし。

例えば洗濯機をまわすタイミングとか。風呂に入る30分前に回しておくと、上がったときにちょうど終わっているとか。

--ちょっとした段取りみたいなものですね。

そう。あとは、干してある服をそのまま次の日着るとか。たたむ手間が省ける。

--それはだいぶ思い切った省力化ですね(笑)

--お子さんが生まれて、それまでの家事だけでなく育児も、というのは大変ではなかったんですか?

そうですね、僕は、変化とか、突然発生してくるものとかがけっこう好きなんで、子どもが生まれたり、成長したり、変わっていくものに対応していくのが好きなんですよ。だから大変ではありましたけど、楽しかったですね。

ただ最近、子どものやんちゃぶりがハンパなくて大変ですね。

最近は、きょうだい揃って、牛乳を口に含んでぴゅーっと吹き出すというのを家中でやってます。マーライオンごっこみたいな。さすがに牛乳はつらいですね。せめて水でやってほしい。

弟もやんちゃで、お姉ちゃんのマネをしてめっちゃ楽しそうに牛乳吹いてます。あとはパン屋さんで手当たり次第にパンを触って、5,000円分くらい買い取らなきゃいけなくなったりしました。本屋にいけば手当たり次第に本を開くし、そこらへんにあるボタン的なものは全部押そうとするし。だから絶対核爆弾発射のボタンがある部屋に彼を放り込んじゃダメです。

【▼長男のセナくんと。「分娩台の貴公子」という不名誉なアダ名をお父さんにつけられた瞬間】

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--(笑) 森下さんの奥さんはどんな方ですか?

身長167センチ。でかいです。

--物理的なところから来ましたね(笑)

だから、まあまあ遠くからでも見える。スーパーとかに行くと、子どもを追いかけてはぐれちゃっても、棚の上から顔が出てたりするんですぐわかります

--棚を超えるほど高くはないでしょう。盛らないでください(笑)

--お子さんが生まれる前から家事の分担をしていたとのことですし、奥さんにとっては、森下さんが家事・育児をすることは「当たり前」ということなんですよね。

まあそれはそうでしょうし、ほら、僕の勤め先がフローレンスなんで、そういう目で見てきますよね。「えっ、フローレンスの社員なのに寝かしつけやらないの?」みたいな(笑) 半分冗談ではありますけど。

まあ、フローレンスで働いていると、家事育児すべしという意識が育まれますもちろんイヤイヤやっているわけではなくて、当たり前のことだと思っていますけど。

--奥さんと森下さんだと、お子さんの叱り方も違いますか?

全然違いますね。僕は怒らないですから。公共の場だったら人の迷惑になるから別ですけど。家の中だったら、僕が心穏やかに応じればいいだけなんで。だから基本的に怒らないですね。やりたいようにやれよみたいな。

妻が怒っているときは、「ああ、やってるな」という感じで見てます(苦笑)

本当は妻と僕とでもう少し足並み揃えていたほうが、子どもからはわかりやすいのかもしれないですけどね。

それでもやっぱり、妻のほうが子どもからはリスペクトされてますね。穏やかでトンチが利くパパよりも、ビシっと厳しいママのほうがふたりとも好きみたいです。

子どもには「自分で考えて動ける人間」になってほしい

--子育ての中で意識していることはどんなことですか?

否定的な言葉でコミュニケーションをとらないというのは心がけてます。あとは、自分で考えて動ける人間になってほしいですね。

--「自分で考えて動ける」ですか。具体的にはどのようなことでしょう。

詰め込み教育とか、正解がある問いについて一生懸命考えるのも必要だと思うんですけど、そうじゃなくて、何もないところから自分で考えて、いかに周りの人たちと協力しながら前進していくかみたいなスキルが大事だと思うんです。

そういう力が、社会のなかで、「人と協同する」「いろんな価値観を尊重する」「多様性があるからこそ面白い」という発想につながるんじゃないかな、なんて思ったりします。

右にならえ的な時代じゃないし。同じものをバカスカ作って売って、利益が出て……という時代だったら、詰め込み型でもいいのかもしれないけど、今はそうじゃなくなってきていますしね。

--たしかにそうですね。

なんでも正解を欲する人っているじゃないですか。でも僕は自分で考えたことこそが答えだよ、って思うんです。

どうしても、「ひとつの圧倒的な正解があって、それを教えてくれることを良しとする」傾向というのを、社会の中でも感じるので。

目前の課題を瞬時に解決する方法なんて、誰もわからない。だからみんなで知恵を出し合って考えるんだよっていう。

それを「それは私の仕事なんですか?」「それはやったことがないのでできません」みたいになると、つまらない。つまらないし、これからは、ありとあらゆることが起こりうる世界になってくるから、逆にしんどいんじゃないかなと思って。

--なるほど。

--そういった、「変化が好き」「自分で考えて動く」といった森下さんの性格は、どんな経験がもとになっているのでしょうか?

あまりこれというのはないんですけど、しいて言えば小さい頃からサッカーをやっていたことかな。

サッカーって今となってはありがちな選択だけど、いまから30年前にサッカーを選ぶってけっこうニッチだったんです。みんな野球をやっていたので。Jリーグもないし、日本代表も弱かったし。今であれば、「水球やる!」「セパタクローやる!」みたいな(笑)

僕はそこで頑なにサッカーを選んだんで、もともとけっこう風変わりだったのかもしれません。

【▼お笑い芸人を目指したこともあり、ユーモアに溢れる(ときに溢れすぎる)人柄】

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サッカーは常に変化があるじゃないですか。同じシーンは二度とないですし、常にみんなが有機的に動いて、自分で考えてアクションを起こす。ボールを持った瞬間に、目の前に広がる風景は毎回違うわけですし。

そういうのを物心ついたときから感じていたので、それが心地いいというか、ハマったのかもしれないですね。

その辺が自分の考え方の源になっているのかもしれません。

時代と世代が変われば、価値観も変わっていく

--これから子どもを授かろうとしている男性にひとこと言うとしたら?

そうですね……もし迷っているなら……結婚するかしないかで迷っているなら、結婚したほうがいいし、子をもつかどうか迷っているなら、子をもったほうがいいんじゃないか、と思います。もちろん判断するのはその人ですけど。結婚するしない、子を持つ持たないでそれぞれ良さはあると思うので。

フローレンスは子育てしている人が多いですけど、そうじゃない生き方も楽しいでしょうし、そうじゃない生き方でフローレンスで働くというのも意味があると思いますし。

ただ、ひとつ言えるのは、「子育ては大冒険だな」と。
だから、自分の親はインディ・ジョーンズと思うようになりましたね(笑) 改めて、その「個性の発掘」という名の遺跡の発掘作業に感謝してます。

--逆に、女性に、「夫をイクメンにするならこうすべきだ!」というのはありますか?

それは間違いなく、フローレンス男子と結婚することですね。いますよ、いい男子が。

--そうですか(笑)

--育児の当事者の意識を変えることも大事ですが、それだけでなく、企業の側も変わらないといけませんよね。

みんなやたら働いてますからね。奥さんに家事育児を任せて毎日夜10時とか11時とかまで。そりゃ奥さん嫌になっちゃうよ、早く帰って風呂ぐらい入れてあげなよ、と思います。

まだ、それぞれの会社の偉い人たち、50代・60代の人たちが、高度経済成長のときに、奥さんが専業主婦でイケイケドンドンでやっていたから、その価値観が根付いちゃってる。

そういう人たちにまで、育児に対する理解が浸透したら、ごろっと変わりそうな気がしますね。あるいはもう少し若い世代の人が経営層になるとか。僕らが50代・60代になるころには、相当変わっている気がします。

海外なんてみんなバンバン早い時刻に帰ってますよね。それでいて生産性高いし、あげく夏休み1ヶ月とりますみたいな。それで仕事が回るならなおすごい。

【▼娘リオちゃん、息子のセナくんと。本人いわく「庭のプールでくつろぐ、セレブ感溢れる写真」】

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--北欧なんかはワークライフバランスが進んでいるイメージがありますね。

そうですね。例えばフィンランドなんて、障害児福祉でも進んでます。ヘレン開園前に駒さん(駒崎代表)がフィンランドに視察に行きましたからね。

奥さんが専業主婦というのは、旦那が倒れたりしたら稼ぎ手がいなくなるからリスクが高いんですよね。高度経済成長のときはよかったかもしれないけど、今はそうもいかない。会社に解雇されたり、倒産することだってあるかもしれない。

それに、仕事をすることで、承認欲求が満たされたり、自己実現でき、自分に自信が持てて、子どもとの触れ合いもよりよくなる、というのもありますしね。

実際、ヘレンの利用者のお母さんでそんな風に言ってくださった方がいました。僕らにとってはとても嬉しいことです。

ヘレンは親御さんの就労支援というのがひとつの目的ですけど、仕事ができるというだけでなく、その延長線上には、まわりまわって子どものためになる、というのがある。それが、ヘレンのお母さんから聞けたのが本当によかったです。

……まあ、仕事しなくていいよと言われたら、僕はしないかもしれないですけど(笑)

--(笑) でも、「生活費のための仕事をしなくていい」というのと、「何もしない」というのは別ですよね。

そうですね。やっぱり仕事はしたほうがしたほうがいい……そのほうが充実した人生が送れると思いますね。男女問わず。

そう考えると共働きも自然体。そうなってくると、男だって育児も家事もしようよ、だから残業せず早く帰ろうよと。そういう流れに、徐々になりつつあると思います。

--このインタビューを読んだ人がそんな風に考えてくれるといいですね。今日はどうもありがとうございました。

ありがとうございました。


いかがでしたでしょうか。お笑い芸人を目指したこともある森下らしい、ユーモアあふれるインタビューとなりました。

少子高齢化問題解消のためには、男性が積極的に家事・育児にコミットすることがとても重要です。

変化を受け入れ、自分で考えて動くことを楽しむというのは、育児と仕事の両立という荒波を乗り越える上で、ひとつのヒントになるのかもしれません。

働き方革命ブログでは、今後もフローレンスで働くイクメン社員にインタビューしていく予定です。ぜひご期待ください!




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