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アクション最前線

2020/08/04

お互いの価値観大切にしたコミュニケーションとは?相手を尊重して自分の意見を伝えるコツ、紹介します【5月保育塾】

 


フローレンスの保育現場には、様々なバックグラウンドを持った人たちが働いています。その中には公務員だった人、キックボクサーだった人、中には保育経験がまったくない中で保育スタッフになった人もいます。様々な経験を持った人が集まると、色々な視点から物事を捉えることができる反面、自分の伝えたいことが相手にうまく伝わらずに、無意識に相手を傷つけたり、反対に、自分自身がストレスを感じる経験をされた方もいらっしゃると思います。

今回の5月保育塾では、お互いの価値観大切にしたコミュニケーションとは?相手を尊重して自分の意見を伝えるコツを紹介します。5月保育塾の講師を担当した平井さんは、みらいの保育園事業部で保育SVとして従事した後、現在は保育スタッフの研修や育成全般に携わっています。講義中もたくさんのコミュニケーションのコツの紹介がありました!

保育塾とは、フローレンスの全ての現場スタッフに向けた自主参加型の研修です。現場スタッフの「知りたい!」「学びたい!」に応えられるように、毎月違うテーマで研修を行っています。

無意識に相手を傷つけてしまうとき、それは何が原因で起こっている?

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参加者の皆さんに「同じ職場で働くスタッフとのコミュニケーションで少しでも悩んだことはありますか?」と、質問をしたところ、21人中18人が「ある」と回答しました。「単に要望を言っただけのつもりが、相手は批判されたと受け取られてしまった」といった経験や、「コミュニケーションの取り方によって、互いに誤解が生まれてしまったり、それによって関係性がぎくしゃくしてしまったりする」といった悩みが多数ありました。

このような意図しない受け取り方をされる原因の一つとして、平井さんは「価値観の違い」があると言います。価値観とは、その人が大事に思っていることです。価値観は考え方や発言などに影響するので、何か意見を言うとき、その意見はその人の価値観の影響を受けます。相手の意見を確認せず話を進めてしまうと、相手は自分の意見とのギャップを感じ、「自分の意見を大切にしてくれない」「否定された」と、傷ついた状態になりかねないのです。

そもそもどうして価値観はお互いに違うのか

講師の平井さんは「お互いの価値観はなぜ違うのか」について、ある考え方を紹介していました。それが「メンタルモデル」です。

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メンタルモデルとは、「経験したことに紐づく感情や経験によって、人は物事の捉え方や行動が形成される」という考え方です。例えば、どんな天気の日でも、必ず傘を持ち歩いている人がいると仮定します。その人は過去に大雨に降られて、お気に入りの洋服が汚れてしまった悲しい経験がありました。そのときの悲しい感情が結びついて、必ず傘を持ち歩くようになるという流れがメンタルモデルの考え方です。

つまり自分の意見を伝えるときに、無意識に相手を傷つけないためには、まず相手と自分の価値観は違って当たり前であることを理解しましょう。

どうしたら相手の価値観を理解して、自分の意見を伝えられるのか

次に相手の価値観を理解した上でどうやって自分の意見を伝えるのか、平井さんがコミュニケーションのコツを紹介してしました。

 1.自分の意見を無理に押し付けない

皆さん、価値観をパズルのピースとして思い浮かべてください。パズルのピースが自分と相手とで異なると、ピースはうまく噛み合いません。価値観は自分と相手とそれぞれ違って当然なので、無理に押し付けることは相手の価値観を否定することになります。無理やり自分の価値観を相手に押し付けないようにしましょう。

 2.ものごとの捉え方は事実と主観にわけて考えよう

何かを伝えたいとき、人は主観だけを相手に伝えがちになってしまいます。物事を伝えるとき、なるべく事実部分に注目しましょう。主観の部分に関してはあくまで自分の意見なので、「私はこう思う」と伝えるのが大切です。

 3.相手の意見を確認しよう

自分の意見だけを伝えるのではなく、相手の意見を確認しましょう。相手はどう思っているのかをお互いが確認することで、価値観の違いを認識しないまま相手を傷つけることがなくなります。

ケースワークで事実と主観にわけて意見を伝えてみよう

架空の事例を用いて、講義中で学んだコミュニケーションのコツを活用して各グループで会話を想定するグループワークを行いました。

【事例】
たかしくんはまだトイレットトレーニング中です。それなのに、保育士Aさんがたかし君にパンツをはかせていて、Bさんはとても気になっています。
今日は朝からパンツを履いていたため、お散歩に出る直前でおもらしをしてしまい、その処理で慌ただしくなってしまいました。
Bさんはパンツを履かせるのはトイレットトレーニングがもっと進んでからにするべきと思っています。
たかしくんの保護者は、たかしくんが同じ年頃の子どもよりもトイレットトレーニングが進んでいないことに焦っている様子があるようです。
Aさんは保護者とよくコミュニケーションをとっており、保護者から園でもトイレットトレーニングを積極的にやってほしいという依頼を受けたため、1日の中でできるときはパンツで過ごせるようにしたいと思っています。

話し合う内容
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・「事実」と「主観」を区別してみましょう
・ BさんはAさんに、たかしくんのトイレットトレーニングについて伝えようとしています。どんなふうに伝えると良いでしょうか?
AさんとBさんのやりとりを考えて見てください。
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以下は参加者からでた意見です。みなさんが考えたものと比べてみてください。
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【事実】
・たかしくんはトイレットトレーニング中であること。
・今日は朝からパンツを履いていたため、お散歩に出る直前でおもらしをしてしまい、その処理で慌ただしくなってしまったこと。
・Aさんはたかしくんの保護者から園でもトイレットトレーニングを積極的にやってほしいという依頼を受けたこと。

【主観】
・Bさんはパンツを履かせるのはトイレットトレーニングがもっと進んでからにするべきと思っています。

【AさんとBさんのやりとり】
Bさん「たかしくんのトイレットトレーニングについて相談させていただいてもいいですか。」
Aさん「はい、もちろんです。」
Bさん「ありがとうございます。たかしくんの親御さんからAさんに園でもトイレットトレーニングを積極的にやってほしいとお伝えいただいて、私もたかしくんのトイレットトレーニングを一緒に成功させたいと思っています。ですが、たかしくんがお散歩に出る直前でおもらしをしてしまい、その処理で慌ただしくなってことでお散歩が遅れて出発してしまったことが気になっています。私個人の考えになってしまいますが、園での生活は他のお子さんの過ごし方にも影響するので、たかしくんがパンツを履くのはもう少しトイレットトレーニングが進んでからがいいかなと思います。もしよければ、Aさんのご意見も聞かせていただきたいです。」
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今回はZoomを使った完全オンラインの研修でしたが、参加者のみなさんは画面越しでもグループの参加者の発言に対してうなずいたり、「ここは事実ですよね。〇〇さんはどう思いますか?」などの声掛けをしあいながら話し合いを進めている様子が見られました。

違いがあるからこそ類似点をみつけて、できることに目を向けよう!

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講義の中のグループワーク、AさんとBさんのやりとりを考えるとき、平井さんは「違いがあるからこそ類似点をみつけて、できることに目を向けてみましょう」と話していました。つまり、AさんとBさんの類似点を探すことに意識をしてみるということです。たかしくんのトイレットトレーニングのやり方について、AさんとBさんは進め方が異なりまが、たかしくんのトイレットトレーニングを進めたいというゴールは類似しています。「価値観がお互いに違う中でも、違うことを認識し、類似点をそれぞれの意見から見出すと、そこが課題解決の突破口になる」と、平井さんは話します。

では、なぜ類似点を見つけることが課題解決の突破口になるのでしょうか。そこには人の類似性の法則が関係します。人は自分と共通点が多いと、親しみを感じるという傾向があり、逆に、自分の好きなものを嫌いな相手には親しみではなく苦手意識を感じます。これが類似性の法則です。相手との価値観の違いを認識しつつ、お互いの意見の中に類似点・共通点に目を向けることは、お互いが気持ちよく課題解決するためのコミュニケーションのコツの一つです。

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お互いがより気持ちよくコミュニケーションをするために、相手の価値観に共感しよう

「相手の価値観を否定してないコツとして、相手の価値観に共感することを気をつけてみましょう。」と講師の平井さんは話します。相手の価値観に共感するということは、相手の価値観を無理に受け止めることではありません。「相手に安心感を与え、かつ自分の価値観を大切にするためにも重要なコミュニケーション方法のひとつ」なのです。

具体的な共感を伝える聴き方のコツ以下のとおりです。

・あいづち:は行  例)「へ~」
・うなづき:首の上下運動 例)首を上下に動かしながら
・繰り返し:キーワードを繰り返す

また、笑顔で頷きながら話をきいたり、前のめりな姿勢も、相手に「自分の話を聴いてもらっている」という安心を与えるのに効果的です。
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今回、保育塾初の完全オンライン研修になりましたが、お互いの雰囲気が掴みづらい状況でも、多くの方にご参加いただき、グループワークを行うことができました。参加後のアンケートでは、「先生方が親御さんや同僚の方とのケースを話してくださったのと、平井さんのお話がとてもわかりやすかったので、より実践で使う場面が想像できました」という感想がありました。

次回の保育塾は【室内遊びについて病児こどもレスキュー隊員と楽しく学ぼう!】をテーマに室内遊びのレパートリーを紹介します。ご報告をお楽しみに!

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