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インタビュー

2021/09/17

「遺贈寄付を希望する方の思いを形にしたい」遺贈寄附推進機構の齋藤弘道氏インタビュー

 


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近年すっかり社会に定着した「終活」という言葉。それにともなって最近は遺贈寄付や相続財産の寄付に関心が集まり、少しずつ広まりをみせています。

遺言や相続といった分野では、法律上の手続きも大切です。フローレンスでは、遺贈寄付や相続財産寄付の受付を適切に進められるよう、有識者にアドバイスをいただいています。今回は実際に弊会にアドバイザリーしていただいている、遺贈寄附推進機構の齋藤弘道さんに、遺贈寄付についてお伺いしました。


齋藤 弘道さん:遺贈寄附推進機構株式会社 代表取締役

遺贈寄附推進機構株式会社 代表取締役 齋藤 弘道さん

銀行員として、債権回収から遺言信託の仕事へ

大学卒業後に銀行に入行し、さまざまな支店で融資の営業を行っていました。バブル崩壊後は債権回収の仕事に長く従事し、お客様と銀行の関係は債務者と債権者になり、いわば敵対関係でした。

2004年に信託銀行に転籍し、遺言信託の業務を担当するようになります。正直なところ、最初は「遺言?それで商売になるのかな」という印象でした。

でも実際にやってみると、遺言の手続きに公証役場へ行くとき、お客様がスーツを着たり、しっかりとお化粧をされたりして、晴れ舞台に臨まれるような姿でいらっしゃるんですね。そして手続き後は涙される方も多く、みんな晴れ晴れとした表情を見せてくださいます。「ありがとう」と声をかけてもらえることも多く、これまでの「お客様は敵」だった世界から180度変わり、「これは天職だ」と思いましたね。

寄付をしたい人は多いのに銀行にはノウハウがない!

その後の部署異動で、遺言信託の特殊案件を多く対応するようになります。遺言で寄付を希望するような案件も多く、「こんなに多くの人が寄付をしたいと考えているんだ」と驚きました。しかし行内には寄付に関するノウハウがなく、自分で調べながら対応していたんです。

また、銀行にとって寄付は相続人以外に資金が流出するため、どうしても取り組みに消極的になってしまうという面もありました。しかし、銀行の都合で、寄付をしたいというお客様の希望を実現しないのは、社会的にも問題ではないかと感じたんです。これはなんとかしなければいけない、仕事としておかしいのではないかと思ったのが、私の遺贈寄付に取り組む原点です。

外部での出会いがアクションを起こすきっかけに

そんな時にたまたま参加したシンポジウムで、日本ファンドレイジング協会の鵜尾雅隆さんと出会ったんです。鵜尾さんは遺贈寄付について、多くの方が遺産の寄付の意向を持っているという話をされていらっしゃいました。

それから鵜尾さんとお話させていただき、交流を深めて、弁護士や税理士らとの勉強会をスタート。これが全国レガシーギフト協会の前身となりました。

私はそれまで外部に接点を持つことはなく、典型的なサラリーマンでした。銀行内では有力な理解者もほとんどいませんでしたが、外には遺贈に関して興味や意欲をもつ人たちがいることに驚きました。

その人達との出会いが転機になり、仕事の傍ら遺贈寄付の世界にのめり込むようになりました。2015年にはNPO団体や専門家を集めて第一回目の遺贈寄付の勉強会を開催するなど、忙しい中でも精力的に活動していましたね。

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第1回遺贈寄付アドバイザー研修

その後、勤務先とは別の金融機関と連携し、遺言代用信託の商品を活用して自治体に寄付するという形のサービスを発案しました。それがきっかけとなり、最終的に2018年、会社を立ち上げるに至りました。

遺贈寄付は社会的な背景からまだまだ広まる

遺贈寄付が広がってきた社会的な背景には、戦後の出生児数の減少や生涯未婚率の上昇などが挙げられます。財産を承継する配偶者や子どもがいないケースが増えているためです。

2017年に日本財団が行った「遺贈に関する意識調査」によると、実際に遺贈寄付を希望する人は、独身で子どもなしが42.6%、夫婦のみが32.8%、子どもありが20.0%という結果でした。

実際に遺贈寄付の行動を起こした人との数字にはギャップがあるものの、今後独身で子どものいない人は増えていくと予想され、遺贈寄付のニーズはまだまだ高まるのではないでしょうか。

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遺贈寄付は自己実現や生きがいにも

遺贈寄付には自己実現の側面もあると思っています。寄付とは自分が望む未来を選び取る行為であり、自分だけではなく社会がこうあってほしいという姿を選ぶ行為です。さらに普通の寄付とは違い、遺贈寄付では寄付した結果を自分の目では確認できません。それでも願いを団体に託して寄付するわけですから、「マズローの欲求5段階」でいうところの自己実現だといえるのではないかと感じています。

マズローはさらにその上に「自己超越」という段階があるといっていますが、究極の自己実現である遺贈寄付はそれにもあたるのではないでしょうか。

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また、これまでボランティアで体を動かしていた高齢者の方々が、体力的に活動に参加が難しくなることは多いもの。そういった方々が寄付によって思いや気持ちを誰かに託すというケースはめずらしくありません。

これまでボランティア活動で得ていた生きがいを寄付行為で代替していると考えられます。遺贈寄付においても同じようなことが言えるかもしれません。

実際に寄付をするときには自分はすでにこの世にいません。したがってもっとも重要視すべきは団体の信頼性です。とはいえ財務情報などの数字だけで信頼性は測定できるものではなく、規模が大きいからといって必ずしも信頼に足るかどうかは分かりません。

そこでできれば普段の活動をできるだけ近い距離から見ることをおすすめしています。団体のボランティア活動やイベントに参加するなどしてみるとよいかもしれませんね。

遺贈寄付は「恩送り」

前の世代から受けてきた恩恵をそのまま恩返しすることはできないけれど、次の世代に「恩送り」はできます。遺贈寄付はまさに恩送りだと思います。

遺贈寄付は今後さらに広がっていき、確実に成長していく分野です。実際に寄付したい人がいて、寄付が欲しい団体がいるのですから、広がらないのであれば社会構造に問題があるということです。そこがうまく循環すれば確実に社会はよくなっていくはずです。寄付をしたい人、寄付が欲しい団体、それを仲介する士業や金融機関の三者を円滑に連携する役割を担いたいというのが私の思いです。

(インタビューここまで)


フローレンスは遺贈寄付や相続財産の寄付を受け付けています

フローレンスでは遺贈寄付や相続財産の寄付を受け付けています。親子を取り巻く数多くの社会問題の解決に取り組むために、ぜひご検討いただけるとうれしく思います。

お問い合わせが増えていることを受け、この度フローレンスでは、遺贈寄付のページをリニューアルしました。このページの制作にあたっても、齋藤さんに監修いただいています。すぐに検討するつもりがない方でも、ご家族や周りの方など、関わる機会は意外とあるかもしれません。ぜひご覧ください。




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