• Home
  • News
  • アクション最前線
  • 【児童虐待防止推進月間】週に1人、子どもが虐待で亡くなる日本を変える、フローレンスの挑戦

News

アクション最前線

2022/11/17

【児童虐待防止推進月間】週に1人、子どもが虐待で亡くなる日本を変える、フローレンスの挑戦

    


毎年11月は「児童虐待防止推進月間」

「この日本で週に1人、虐待で子どもが亡くなっている」と聞いて、耳を疑う方もいるかも知れません。

児童相談所に「虐待かもしれない」と相談が寄せられて実際に対応した件数は、年々増え続けています。2020年に相談対応件数が20万件を超えたときには大きな話題になりましたが、2021年度にはさらに増え、20万7000件を超えてしまいました。

悲しいことに、2020年に虐待を受けて亡くなった子どもは77人(心中を含む)。つまり、1週間に1人の尊い子どもの命が失われているのです。しかも、その約半数が0歳児の赤ちゃんです。

どうしたら虐待をゼロにできるのか。

フローレンスは、すべての人が、すべての親子が安心して笑顔で暮らせる環境こそが大事だと考え、多岐にわたる事業を展開しています。しかし、この課題が広く認識されなければ、社会を変えていくことはできません。

たくさんの力が集まれば、必ず社会は変わります。ぜひ皆さんのお力を貸してください!

 

虐待をゼロにするために、フローレンスは何をしているのか。数ある取り組みのなかからピックアップしてご紹介します。

① 生まれてまもない赤ちゃんの命を救いたい ーにんしん相談・特別養子縁組事業

生まれたばかりの赤ちゃんの遺棄・虐待の背景には、予期せぬ妊娠があります。性被害やDVによる妊娠で誰にも相談できない、あるいは妊娠を告げた途端に相手の男性が逃げてしまって、誰かに相談したとしても適切な支援に結びつかず、孤独に出産の日を迎えてしまう女性がいます。

フローレンスは、赤ちゃんの虐待死ゼロを目指して2016年に予期せぬ妊娠に悩む女性の相談支援を行う「にんしん相談」と、親になることを希望するご夫婦に赤ちゃんを託す「特別養子縁組」事業を開始しました。

にんしん相談では、2022年3月までに全国から3,482件の相談に対応してきました。生みの親と赤ちゃんにとっての幸せを第一に考えて、養子縁組ありきではないきめ細やかなサポートを行っています。

特別養子縁組では、徹底した養親向け研修プログラムを用意し、半年から1年かけてご夫婦で研修を受けていただき、養親として責任を持って一生涯子どもを育てていく覚悟と準備の備わった家庭に赤ちゃんを託します。

② 事業を通じて次々と見えてくる、親子をとりまく社会課題 ーひとり親支援

「子どもの病気で仕事を休んだら解雇された」そんな母親のエピソードから立ち上がったフローレンスは、訪問型病児保育の事業を中心に、「親子の困った」に寄り添ってきました。

2008年には、ひとり親家庭から届けられた「病児保育は高額で利用できない」という声を受けて、ひとり親家庭に低価格で病児保育を提供する「寄付によるひとり親支援プラン」を開始、のべ1400名を超す親子に病児保育を届けてきました。

利用者さんからは、「子どもが体調を崩すたびに全てをひとりで対応しなくてはならないと、精神的・経済的な面で不安に襲われます。そんな中でこのような支援をしてくださること、感謝の気持ちでいっぱいです」といったメッセージが届いています。

病児保育は、仕事を休むことのできないひとり親家庭に、保育だけでなく、安心感をお届けしています。また、ひとり親家庭に食品や物品を無料宅配したり、スポーツ観戦やイベントご招待などの機会提供もおこなっています。

③ 困りごとを抱える家庭に、寄り添う支援を届ける ーこども宅食/デジタルソーシャルワーク

子どもの相対的貧困率が16.3%を超えた2012年に子ども食堂が生まれ、日本全国に広がりました。しかし、本当に支援が必要な子どもに繋がらないなどの課題も見えてきます。

フローレンスはこの問題を解決すべく、2017年に「こども宅食」を開始。経済的に困窮するご家庭のご自宅に食品を届ける支援によって、本当に困っているご家庭と繋がりを持ちます。さらに、この支援を通じて、困りごとを抱えたご家庭が公的な支援にたどり着きづらい状況にあることがわかりました。

そこで、2020年には、食品の発送などを通じてご家庭と、LINEなどのデジタルを用いて専門の相談員が連絡をとり、必要な支援に結びつけていくデジタルソーシャルワーク事業を開始しました。

利用者さんからは、「孤独感でいっぱいで追い込まれている中、こうやって支えてくれる人がいることで、すごく気持ちが楽になりました」といった声も寄せられています。

④ 待機児童解消の、その先へ ー「みんなの保育園」構想

2016年、「保育園落ちた日本死ね!!!」という匿名投稿で、「待機児童」が一気に世間の注目を集めましたが、その何年も前から待機児童問題は大きな社会課題でした。2010年、フローレンスは待機児童問題解決のモデルとして小規模保育所「おうち保育園」を開所。これが2012年には「小規模認可保育所」として国策化され全国に広がり、待機児童解消の一翼を担いました。

そして待機児童問題が解消されつつある今日、フローレンスは保育園にも幼稚園にも通っていない“無園児”、いわゆる未就園児のご家庭が孤立するリスクが高いことに着目しています。

きっかけは、保育園の一時預かりを利用していた保護者から、「転勤族で知り合いがいない」「孤立した子育てをしており、つらい」「コロナで児童館にも行けず、同世代の子と遊ぶ機会がない」の声が聞こえたことでした。

フローレンスは、2022年3月に「無園児家庭の孤独感と定期保育ニーズに関する全国調査」を実施。その結果、未就園児(無園児)家庭の方が、親が子育てで孤独を感じやすく、「子どもに手をあげてしまいそうなことがある」「子どもを怒鳴ってしまうことがある」といったリスク行動が見られる家庭の方が、そうでない家庭と比べて定期保育サービスを「利用したい」割合が高い傾向が見られました

同調査では、「何をとっても逃げ場がないので、しんどいです。 24時間泣き声を聞いてると、気が狂いそうです。」「日々はひたすら孤独です。褒められない、認められない、達成感のない毎日で、心身を磨耗しながら生きています。」といった悲鳴にも似た声が寄せられました。

さらに今月、無園児家庭のリスクの一端を裏付ける報道もありました。小学校入学前の0~5歳児が死亡するなどした過去15年間の虐待事案231件のうち、自治体の検証で、保育所や幼稚園に通っていなかったとみられる子どもは6割を超え、親子の孤立が背景のひとつと指摘されたケースが約2割の43件に上ることがわかったということです。

(出典:共同通信社 https://nordot.app/961599231781601280)

無園児家庭の孤立リスクをなくすため、フローレンスは2022年4月より、運営する保育所のひとつで、一時預かりの仕組みを活用した定期的なお預かりを開始。空き定員枠で、専業主婦のご家庭や育休中の利用も受け入れています。そして、“保育の必要性”認定がなくても、すべての親子がニーズにあわせて利用できる「みんなの保育園」構想を政府に提言しています。


フローレンスではこの他にも、男性育休の義務化や障害児家庭支援の拡充、保育・教育現場での性被害を防ぐ仕組み(日本版DBS)の導入など、様々な提言を行い、親子が安心して笑顔で暮らせる社会を一歩一歩実現しています。

しかし、フローレンスが社会課題の解決に向けて取り組むモデル事業の開発や、にんしん相談、病児保育でのひとり親家庭への支援、政府への提言や調査活動などは、ご支援いただく皆さんからの寄付を原資としており、残念ながら現状では活動に限りがあります。

虐待をゼロにするためには、さらに多くの人にこれらの親子をとりまく課題を知ってもらい、社会を大きく変えていく必要があるのです。

週に1人、子どもが虐待で亡くなる日本を変える、フローレンスの挑戦に、あなたの力を貸してください。食べるものにも困るほど苦しい環境におかれていたり、誰にも頼ることができず追い詰められている親子に、あなたの想いを届けます。




フローレンスでは、社会問題や働き方など、これからもさまざまなコンテンツを発信していきます。
ぜひ、SNSもフォローしてください!
もしかしたら、SNSでしか見れない情報もあるかも!?気になるアイコンをタップ!


  • twitter
  • instagram
  • LINE@
  • facebook
  • youtube