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働き方改革

2023/02/14

医療的ケア児の親子が日本オラクル本社を訪問!インクルーシブ社会の実現を共に目指す

    


こんにちは! 私は『障害児かぞく「はたらく」プロジェクト』(以下、はたプロ)ではたらく「うさこ」です。

「はたプロ」とは、一度離職した医療的ケア児保護者の「もう一度はたらきたい」をサポートするフローレンスの事業です。医療的ケア児家庭では、昼夜にわたる子どものケアの負担が心身ともに大きく、預け先が少ないために両親のどちらかは仕事を諦めざるを得ないという現状があります。

「はたプロ」についてはこちら

「はたプロ」では、「障害児の親が『はたらく』に一歩踏み出し、家族みんなが自分らしく人生を歩める、しなやかで躍動的な社会」をビジョンとして、看護師によるお子さんのお預かりと、保護者がフローレンスの業務を担う仕組みを運営しています。

「はたプロ」のビジョンに共感いただき、「誰もが自分らしく働き続けられる社会」の実現に向けて一緒に取り組んでいるのが、日本オラクル株式会社(以下、日本オラクル)です。

企業の事業活動の基盤となるソフトウェア・ハードウェア、クラウドサービスならびにそれらの利⽤を⽀援する各種サービスの提供を行っている、日本オラクル。世界的IT企業として、社会をより良い方向に進めるためのソーシャル・インパクト活動で、教育の推進支援、環境の保護、コミュニティ・ライフの向上などを軸に、さまざまな社会貢献活動に取り組んでいます。

日本オラクルは、2016年よりフローレンスを寄付でサポートしてくださるだけでなく、同社ボランティアグループによるボランティア活動など、さまざまな形でフローレンスの活動を支えてくださっています。

昨年2月には、フローレンスの「重度医ケア児訪問保育エレノア」の看護師が私の子どもを保育している様子を、日本オラクルの方々にオンラインで見学していただきました。

日本オラクル社より6年連続寄付。共に社会課題解決を。
クラウドを中心に、これからの未来に必要不可欠な技術開発を推進されている日本オラクル株式会社。世界的IT企業として、社会をより良い方向に進めるためのソーシャルインパクト活動で、教育の...

最後には「実際に医ケアっ子たちに会いたいね!」と言っていただき幕を閉じた会でしたが、今回ついに、日本オラクル本社への訪問が実現しました!

今回は、当日の訪問や座談会のレポートをお届けします!


日本オラクル本社を訪問

2022年12月某日。フローレンスのスタッフ、私と同じく「はたプロ」ではたらく「ちりさん」と息子のせなくん、そして、私と息子の総勢8名で、いざ日本オラクル本社へ!

東京・青山にある日本オラクル株式会社の本社ビル

お迎えしていただいたのは、日本オラクルで社会貢献活動を担当している川向さん。そして、障害のある人やその家族を含め、誰もが安心して働ける職場をつくるための日本オラクル社員コミュニティOracle Diverse Ability Network (ODAN)に所属する2名の方がボランティアとして参加してくださいました。

感染症対策も万全に、まずは社内見学ツアーへ! 広々とした商談室やカフェテリアなど、普段なかなか拝見する機会のないオフィスの中をご案内いただきました。

うさこと息子のかいちゃん(左)、ちりさんとせなくん(右)

通院や入院以外でのお出かけの機会がほとんどない息子と私は、オフィスの大きな窓から見える神宮球場や富士山にも、まるで遠足気分でワクワク。いつもフローレンスをサポートしてくださっている日本オラクル社員の皆さんのお仕事の環境も垣間見ることができました。

日本オラクル・はたプロメンバー座談会

座談会の様子

今回の日本オラクル本社訪問では、医療的ケア児についての理解を深めていただくと共に、インクルーシブな職場づくりを推進している日本オラクルのお話を伺うことで、「誰もが自分らしく働き続けられる社会」の実現に向けたヒントや、日本オラクルとはたプロが今後どの様に協働しながら取り組んでいくかを共有するために座談会を行いました。

まずはお互い、簡単な自己紹介を。
※所属・肩書は取材当時の名称を記載しています

うさこ

2020年9月、はたプロに参加。以前の仕事は語学学校の講師で、現在は週2日はたプロで勤務しつつ、オンライン講師として働いています。4歳の息子・かいちゃんは脳性麻痺により人工呼吸器を使用しています。

ちりさん

元歯科衛生士。2022年7月よりはたプロに参加し、週4日勤務しています。息子のせなくんはもうすぐ5歳になる脳性麻痺の男の子です。

川向さん

日本オラクルのソーシャル・インパクト(社会貢献活動)の専任担当者。日本オラクルらしく社会への貢献をすることを目指し、フローレンスなどのNPOや企業と共に環境、教育、ボランティアの3本の柱で活動を推進しています。

和田さん

経営コンサル・ベンチャー企業を経て、2年前に日本オラクルに転職。同社では営業支援を担当しています。2人のお子さんを育てながらフルタイムで働いています。

佐藤さん(仮名)

ファシリティ部門に所属し、事務手続きやオフィスビルの運営などを担当しています。派遣社員として日本オラクルに勤務し、出産を経て正社員となりました。

「ボランティアをする文化をつくる」

うさこ:みなさんは、障害のある人やその家族を含め、誰もが安心して働ける職場をつくるための日本オラクル社員コミュニティOracle Diverse Ability Network (ODAN)に所属し活動されていらっしゃいますが、普段どんなことをされているのですか?

川向さん:障害者やその家族が気軽に参加し、課題を共有できる場を作っています。当事者だけでなく、ケアをする家族も働きやすくするために、という視点も入っているところがアメリカの会社らしいなと思っていて。インクルーシブな社会を実現するためには、フレキシブルに働けなければならないし、デジタル化も必要です。そういう意識がある点は、日系企業より一歩進んでいる気がしますね。

うさこ:今日参加してくださった和田さんや佐藤さんの様に、日本オラクルのみなさんはボランティア活動に積極的に取り組んでいるのですか?

川向さん:そうですね。先日もある小児総合病院に花壇を作るプロジェクトを立ち上げて、社内でボランティアを募って行ったのですが、みんなやる気があるんですよ。

うさこ:日本オラクルにはボランティアの文化があるんですね。

川向さん:そうした土壌ができてきましたね。2013年頃、社会貢献活動の専任担当になった際に、アメリカ本社の上司に、日本オラクルで「ボランティアをする文化をつくる」ことが私の仕事だと言われたんです。それ以前は「業務時間にボランティアをしたら周りに何を言われるだろう…」とか、「いいことをしているのってちょっと恥ずかしい…」と思って、ボランティア活動に参加するのにハードルが高いと感じる社員もいたような気がします。

今は、社内でも積極的に活動内容を共有したりとボランティア活動の見える化を進めて、社長自らボランティア活動に参加したり、管理職も「うちにはボランティア文化があるから」と気持ちよく社員を送り出してくれたりするようになりました。社員も、ボランティアは「自分がやりたいからやる」「いいことを会社の仲間と一緒にやりたい」という姿勢に変わってきましたね。

うさこ:みなさんお忙しい中、どうやってボランティアの時間をつくっているんですか?

川向さん:日本オラクルではほとんどの社員が裁量労働制のため、働いた時間ではなく実績で評価されます。みんな、上司と相談しつつ、時間をやりくりしながらボランティア活動に参加しています。年間40時間の業務時間でのボランティア活動、そして3日間のボランティア休暇も認められています。最終的に仕事できちんと成果を出せれば、フレキシブルに時間を使って仕事をすることが可能です。もちろんボランティアは義務ではないので、仕事が忙しいときには無理してやらなくてもいいですし。

日本オラクルで積極的にボランティアに取り組んでいる和田さん

「働き続ける」という選択肢

うさこ:健常のお子さんでも仕事と育児の両立は大変だと思うのですが、もともと働き続けたいと考えていたのですか?

和田さん:今回の座談会への参加もそうですが、いろんなことに興味があるので、のんびりしているよりもアグレッシブに動いている方が自分の性に合っているんですよね。なので、仕事は続けたいと考えていましたが、以前の職場は本当にハードで……。それで、リモートワークなど時間や環境に縛られずに働ける日本オラクルに転職したんです。子どもの体調が悪いときには、フローレンスの病児保育にもお世話になったことがあるんですよ。

川向さんリモートワークなどのインフラが整っているIT業界だからかもしれませんが、子育てをしながら働き続ける女性が多いですし、出産をきっかけに退職するっていう話もあまり聞いたことがないですね。

佐藤さん:私も結果的に子育てをしながら働き続けていますが、私の場合は、もともと「働き続けたい」っていう凄く強い意志があったわけではなかったんですよね。私の娘は産まれてすぐにはわからなかったんですが、成長するにつれてだんだんと障害があることがわかってきまして。それで療育などに通うようになってからは、「私、働いてちゃいけないよな」「優先順位が違うよね」って考えるようになったんです。

でも、療育の先生や保健所の方に、「もっと子どもの療育に通ったり、一緒に過ごす時間を増やした方がいいですよね」って相談したら、「今の生活を変えなくてもいいんですよ」ってみなさんおっしゃってくださって。小学校に入学する頃には娘の体調も安定してきたので、結果的に仕事を辞めなくてよかったなって思いますね。そうした周りの声やサポートがなかったら、心が折れていたと思います。

うさこ:残業もあるのでしょうか?

佐藤さん:日本オラクルは裁量労働制なので、自分で柔軟に時間をマネジメントしながら働くことができるんです。子どものお迎えのために17時には一度仕事を切り上げて、夜、子どもが寝た後に仕事を再開できる。私自身、9時から17時までにできる仕事だけを与えられて、それだけをやりなさいと言われるよりも、他のみんなと同じ様に仕事を任されて、自分の時間をやりくりしながら仕事をこなせていることの方が、やりがいというか、「みんなと同じ様にできている」っていう自信につながっていると感じるんです。そういう働き方ができる、というのはとても助かっていますし、会社や上司にも感謝しています。

うさこ:はたプロの参加者はもともと医療従事者だった方も多くて、「現場で働けない」ということで仕事を辞めざるを得なかったケースが多いんですよね。新型コロナウイルスの感染拡大によって、多くの企業や業界でオンライン化が進みましたが、やはり職種や業界によってはまだまだリモートで働くことが難しい場合もあるのではないかと思います。それに、体調を崩しやすい医ケア児がいると、急なお休みでまわりの人に迷惑をかけるのではないかと心配です。私自身、以前勤めていた語学学校への復帰は、そうした理由もあって諦めました。それでもやっぱり自分のキャリアは諦めたくなくて、結果的にフリーランスという形でオンラインレッスンの道を選びました。

ちり:その点、はたプロは私たちにとって安心してはたらける環境が整っているんです。まず、ジョブ・シェアリングという、チームで仕事を担う仕組みがあります。誰かが急にお休みした際には、他のメンバーが仕事を分担してカバーしています。

うさこ:それに、子どもをとりまく社会問題の解決をミッションとするフローレンスでは、まわりの社員の理解が得やすくて、居心地がいいんですよね。日本オラクルやフローレンスの様なインクルーシブな職場が増え、医療ケア児の家族だけでなく、さまざまな困難を抱えた人たちの多様な働き方が可能となる社会が実現するといいなと思います。

座談会に参加するはたプロスタッフら

インクルーシブな社会を実現するには

うさこ日本オラクルのようなインクルーシブな職場づくりを推進している企業がもっと増えれば、私たちの様な立場の人ももっと働くことができるようになると思うのですが、そうした企業を増やすために、はたプロとして何ができるかを考えています。   

川向さん:はたプロの様なジョブ・シェアリングを実現するには、短時間働く人材を複数人雇用し、さらにそうした人たちを管理するための人員を配置したり、代替が効く形で業務を切り出して整備したりしておく必要がありますよね。障害者の雇用については「法定雇用率」以上にする義務がありますが、現在、企業に医療的ケア児の保護者を採用する積極的な理由がないとすると、そうしたジョブ・シェアリングのような働き方が前提の雇用に二の足を踏む企業も多いのではないかと感じます。

日本オラクルでもそうですが、業務委託といって、業務の一部を切り出して、業務の運営を含めて外部に委託していることがあります。業務委託を請け負った企業内で人員を確保してシフトを組んで業務をまわしたりすることもあるので、はたプロで行っているジョブ・シェアリングに近い形のものもあると思います。そうした形で業務を請け負ってくれると、企業側も仕事を依頼するハードルが下がるのではないかと思います。

和田さん:業務のアウトソーシングは今加速しているので、納期にある程度余裕のある業務など、突発的にお休みになりがちなメンバーが多くても回せる仕事を開拓できるかもしれませんね。テレアポやスケジュール調整などの業務委託も増えているようです。

ちり:はたプロの参加者はみんなキャリアやバックグラウンドが異なるので、それぞれが今まで培ってきたスキルも活かせるようになったらいいなと思います。

和田さん:そうですね。広報活動から仕事に繋がっていくこともあると思うので、それぞれの経験やスキルをコンテンツとして発信してみるのもいいかもしれませんね。

川向さん:業種によってはジョブ・シェアリングの導入が難しい場合もありますが、まずは「インクルーシブな職場ってどういうこと?」っていうのを広く知ってもらう機会を増やしていけたらいいのではないでしょうか。例えば、はたプロの参加者が働いてみたい会社に協力してもらって、1日だけそこでジョブ・シェアリングを導入して働かせてもらうというのはどうでしょうか。

うさこ:インクルーシブな働き方を導入するきっかけになるかもしれませんね。他の企業で働き続けている医療的ケア児の親御さんの例なども広く集めて検証してみたいです。ODANのようなコミュニティが社内にあることも、当事者やその家族にとってとても心強いと思うので、他の企業でもこうした活動があたりまえになっていったらいいなと思いました。

川向さん:はたプロのおふたりは、今後どういう働き方をしていきたいと考えていますか?

うさこ:息子との時間も大切にしながら、現時点では在宅ではたらき続けられればと思っています。はたプロではたらき始めるまでは、息子と二人、引きこもりのような生活だったんです。でも、はたプロを通して再び社会と繋がることで、自分を取り戻せた気がしました。こうした新しい出会いもありますし。

ちり:今まで歯科衛生士としてしか働いたことがなかったので、自分にはそれしかできないと思っていました。でも、はたプロでいろいろな業務に携わらせてもらったことで、他にも可能性があるんだって思えたんです。現実的に歯科衛生士への復帰が難しいなら、子どもを一番に考えつつ、今の自分ができる範囲ではたらけたら幸せだなと思っています。

日本オラクル社員の話を聞くうさこ(左)


いかがでしたでしょうか。
今回はインクルーシブな社会の実現に向けて、日本オラクルとフローレンスが今後どう取り組んでいけばよいかを話し合う様子をご覧いただきました。

日本オラクルの社会貢献活動は、単に寄付するだけにとどまらず、実際に寄付の相手方と会って課題を共有し、サポートすることを理念としています。このような企業に支援していただくことで、フローレンスだけではリーチできない課題へ取り組むことが可能となります。

フローレンスは、医療的ケア児やその家族だけでなく、育児、介護、ご自身の病気など、様々な事情を抱えた方々が自分らしく働き続けられる社会の実現に向け、これからもパートナー企業やご協力者の皆さんと共に取り組んでまいります。

企業の社会貢献活動としての支援はこちら

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書いた人:うさこ


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