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2023/07/27

【開催レポート 後編!】フローレンス流 “社会の変え方”に迫る!のぞき見フローレンス

  


フローレンスの裏側を覗ける「のぞき見フローレンス」を3年ぶりに対面で開催しました!
もっと社会を良くしたい!社会に貢献する仕事をしたいけれど、自分にもできるのかな…と想いを巡らせている方は少なくないのではないでしょうか。

そんな方向けに、今回の「のぞき見フローレンス」では、フローレンスメンバーが実際に社会を変えた「政策起業・新規事業開発エピソード」をご紹介しました。

イベントにご参加いただけなかった方はもちろん、「社会を変えるってどういうこと?」と感じていらっしゃるみなさんに、開催レポート【後編】をお届けします!

多胎児育児の過酷さを目の当たりにした市倉が、多胎児家庭を取り巻く環境を改善するためにどのように奮闘してきたのか。

前編では市倉が「政策起業・新規事業開発に関わるようになったきっかけ」や「社会を変えるためにまず始めたこと」をインタビュー形式でお届けしました!

前編はこちら

後編では、政策起業をしたのちにどのように新規事業開発に繋げたか、そして、今までの歩みを振り返り、やりがいや苦労についてお話しします。


Q. 新規事業開発はどのように始めたのでしょうか。

 

市倉:政策起業をする中で、たくさんの多胎児(双子・三つ子など)家庭に出会いました。多胎児育児は非常に負荷が高い一方で、世の中の育児支援サービスの多くは単体児向けのものとなっており、既存の育児支援サービスでは多胎児に対応できていないことがわかったんです。例えば、自治体の育児支援サービスを予約する際、双子であっても二人まとめての予約ができず、ひとりひとり、紙の申請書で予約が必要だったり、シッターサービスは先着順なので、本当に必要な時に予約できなかったりなどの課題がありました。

フローレンスの特徴は、政策提言で制度を変えるだけでなく、変えた制度を使って、目の前の困っている人々を支援し、新たな文化や仕組みを創っていくところです。

今回も、多胎児家庭のベビーシッター費用の助成を拡大する政策提言を行い、助成を活用した多胎児家庭専用のシッターサービス「ふたご助っ人くじ」を開発しました。たくさんの多胎児家庭に出会って話を聞いてきたからこそ、サービスの利用申込は紙ではなく、LINEで簡単にできるようにし、朝8時までに申込をすれば当日の利用もできるようにしました。

 

Q. 事業立ち上げの際、特に苦労したことを教えてください。

 

市倉:何から始めたらよいのか分からないことはもちろん、保育現場で働いた経験はなかったので、ベビーシッターサービスを提供するにあたって、どんな資格が必要なのかも分からず、周りのフローレンススタッフにとにかく聞くことから始めました。

今思い出すと、かなり初歩的なことを聞いたりしていましたが、課題を指摘したりダメ出しをするような人はおらず、多胎児向けのベビーシッターサービス、絶対必要だよ!と、ゴールに向かってより良い方向に軌道修正できるようなアドバイスをくれる人ばかり。事業立ち上げ初心者の私にとって、とても有り難かったです。

新規事業に限らず、経験やノウハウを惜しみなく分け合う文化がフローレンスにはあるので、質問しやすい、話を聞きやすい環境にもとても助けられました。

多胎児家庭専用のシッターサービスを通して、多胎児家庭の虐待を防止したり、多胎育児を楽しいと思えるような社会を創りたい!という想いや、多胎育児は大変だけど、フローレンスがあるから大丈夫!と思えるようなサービスを提供したいという気持ちで進んでいましたが、そんな私の気持ちに周りのフローレンススタッフが共感してくれたことで、周りを巻き込むことができました。

SNSで心無いコメントを受けたり、大変なことが他にもたくさんありましたが、仲間の存在やアンケートに答えてくれた1600名の当事者の皆さんの存在があったからこそ、自分を奮い立たせて進み続けることができました。

 

Q. 社会を変えることへのやりがいを教えてください。

 

市倉:苦労したことはたくさんありましたが、やりがいや楽しさ、素晴らしさを感じることがその何倍もありました。みなさんにとって、バスに乗ることは普段当たり前のことかもしれません。でも、多胎児家庭ではそれが当たり前ではありませんでした。バスに乗って公園に行って、花や虫を子どもと一緒に見たいと思っても、それができなかった家庭があったんです。その家庭や親子がバスに乗ってお出かけできるようになり、「双子ベビーカーでバスに乗るのが当たり前」の社会になったことは、とにかく嬉しかったですね。

多胎育児をしている幼馴染が、「子どもが新生児の頃のことは辛すぎて思い出したくない」と言っていたのがとても心に引っかかっていたんですが、「ふたご助っ人くじ」の利用者の方から、「ふたご助っ人くじ」のおかげで、これまでの人生の中で一番楽しい時間を過ごせました」と言ってもらえて、救われました。

かつて自分がしていた幼馴染へのサポートがフローレンスのビジネスになり、収益にもなり、今では300家庭がサービスを利用してくださっていることにはやりがいしかありません。政策起業へと動き出してからのこの3年間は、自分の人生で一番楽しい期間でした。

 

政策起業はもちろん、新規事業の立ち上げ経験もなかった市倉でしたが、「双子ベビーカーに子ども達を乗せてバスで好きな場所にお出かけができる」という「あたらしい当たり前」の社会を実現させました。

初めての連続の中で奮闘しながら、フローレンスの仲間と一緒に進んでいく市倉のエピソードが、多くの方の「社会を変えるための小さなアクション」に繋がり、「あたらしい当たり前」が世の中にたくさん生まれていくことを願っています。

フローレンスでは事業によって社会課題を解決するだけでなく、時には制度や法律、仕組みを変え、困っている方々が生み出されるような社会構造を変えることで新しい当たり前や文化を生み出しています。

そんなフローレンスでは、既存事業や新規事業の課題を解決し、時には政策提言をも担う仲間を募集しています!

社会をアップデートするアクションを共に仕掛けていきたい!と感じてくださった方、まずはお話しませんか?ご応募、お問い合わせをお待ちしております!



書いた人:村上怜夏


フローレンスでは、社会問題や働き方など、これからもさまざまなコンテンツを発信していきます。
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