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アクション最前線

2023/12/18

【寄付月間】医療的ケア児家庭の家族揃ってのお出かけが「特別」ではない社会にしたい― #こどもの体験格差をなくそう

     


「家族でのお出かけを支えたい」看護師の思いから生まれたプロジェクト

今、日本には人工呼吸器や胃ろうの使用、たんの吸引等の医療的ケアが日常的に必要な「医療的ケア児」が、約2万人いるとされています。

フローレンスは、障害児を専門に長時間お預かりする「障害児保育園ヘレン」、自宅でマンツーマンで保育する「障害児訪問保育アニー」、そして医療的ケア児の親子の多様な支援ニーズに応える「医療的ケアシッター ナンシー」などのサービスを展開しています。

ある時、「医療的ケアシッター ナンシー」の看護師が医療的ケア児のご家庭を訪問し、「このご家庭には家族揃っている写真がないな」と感じました。と、同時に、医療的ケア児を連れてのお出かけが、その家族だけではなかなか難しいことも理解していました。

「わたしたちが付き添って一緒に水族館に行くことを提案したら、喜んでくれるかな」

この1人の看護師のアイデアは、「医療的ケア児家庭のお出かけ」という社会課題に関心を寄せていただいたチューリッヒ保険会社(東京都中野区)さん(以下、チューリッヒさん)のご支援で、「医療的ケアシッター ナンシー」を利用中の2つのご家庭の『遠足プロジェクト』として実現しました。

「家族で出かけたい!」医療的ケア児家庭の遠足プロジェクト!
「休日に家族で水族館に行く」ーーー 一見どこにでもあるありふれた休日のようですが、なかには出かけたくても色々な事情で"家族そろっての外出"へのハードルが高いご家庭もあります。 ...

参加したTさんご一家はご両親、小学2年生のRくん(医療的ケアのあるお子さん)、ごきょうだい2人の5人家族です。家族全員で遠出をすることが難しく、5人揃ってのお出かけは今回が初めて。そしてRくん自身は、生まれてから2度目の遠出の機会になりました。

ご家族からは、「初の家族5人でのお出かけはとても楽しかったです!Rも沢山の魚をみたり、イルカショーを見れたり、初めての経験に満足していたはずです!すべてがスムーズに安全に、無理なく過ごせたのも、ナンシーさんやチューリッヒさんがいてくれたからです。きょうだいたちも家族みんなで一緒にお出かけできて喜んでいました!」との嬉しい声をいただきました。

家族揃ってのお出かけが「特別」ではない社会にしたい

フローレンスは2014年に「障害児保育園ヘレン」を立ち上げて以来、新たな障害児・医療的ケア児家庭支援事業の展開と、障害児家庭支援の拡大を求める政策提言を行ってきました。

そして2021年9月には、フローレンスが多くの仲間とともに政策提言を続け実現した「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(医療的ケア児支援法)」が施行されたことで、医療的ケア児とその家族の支援拡充が期待されました。実際、各地で支援センターが設立され、望む教育や保育が受けられるよう支援の検討が進んでいます。

しかし、まだまだお子さんのケアのほとんどは家族によって担われており、家族は24時間ケアに追われ、ちょっとした用事を済ませるために外出することも難しい現状があります。

また、医療的ケア児のお出かけには、外出先でも必要なケアが実施できるように、医療機器も含めて多くの荷物を持っていく必要があり、さらに人工呼吸器のバッテリーの充電や必要な酸素の量が足りるかなど、外出先での出来事を想定しながら、念入りに事前の準備をしなければなりません。

こちらは、今回の水族館へのお出かけプロジェクトで用意された計画表です。

特にきょうだいが多いご家庭では、きょうだいとの時間も作りながら、荷物を準備・持参しての外出はとても大変なため、サポートがない中で家族揃ってのお出かけをすることは困難を伴います。

医療的ケアができる看護師をサポートのために1日確保し、介護タクシーを手配するとお金もかかりますが、その費用を補助する制度はありません。「家族揃って水族館に行く」そんなごくありふれた休日の1日を過ごすことが、とても難しい家族がいるのです。

医療的ケア児とその家族が、行きたい場所に、あたりまえに行ける社会へ

フローレンスは、仙台エリアの医療的ケア児とそのご家庭に対して、対面、オンライン双方で支援活動を行うほか、映画上映会などきょうだい児や家族も楽しめるイベントや、医療的ケア児家庭同士のつながりを創出する企画など包括的な取り組みをする「まざらいんキャンペーン」を開始しました。

目指すのは、「医療的ケアを必要とする人と家族が、笑って暮らせる」社会、障害の有無に関わらず、「誰でも行きたい場所にあたりまえに行ける」社会です。

今年の8月に開催された「医ケア児おやこ映画会」に参加した親子からは、「普段こどもを連れていくにはハードルの高い映画館に連れて行けて嬉しかったです。」「吸引器の音等も気にせず使用できて楽しめました。」「(医療的ケア児の)妹が、目を開いて集中して見ていました」といった感想が寄せられました。

医療的ケアのあるお子さんたちに、クリスマスを楽しむ機会を

フローレンスではクリスマスや節分などのイベントの時期に事務局スタッフが現場を訪問し、お子さんと一緒に楽しむ取り組みを行っています。コロナ禍でしばらく実現できなかったのですが、2022年のクリスマスは数年ぶりにいくつかの保育・支援現場にスタッフが訪問しました。

フローレンスの障害児訪問保育アニーでも、久しぶりにクリスマス企画として、「フロレサンタ」がお子さんのご自宅を訪問しました。

サンタさんとトナカイさんがご自宅を訪問

また、医療的ケアシッター ナンシーでは利用者さんとクリスマスオンライン交流会を開催。2022年は約70名のお子さんが参加してクリスマスを楽しみました。

サンタさんの登場に、こどもたちも嬉しそうでした

2022年の交流会に参加したフローレンススタッフは、「お子さんとオンラインでつながり、ダンスをしたり、絵本を読んだりするのですが、お子さんの周りに看護師と一緒に作ったクリスマスの制作物が置いてあったり、サンタやトナカイなどの衣装を着て参加してくれるお子さんもいたりして、とても温かい気持ちになりました。親御さんがとても喜んでくれているのも嬉しいですね」と感想を話します。

今回ご紹介してきたように、フローレンスは医療的ケア児とそのご家庭に保育や支援を提供するだけでなく、スタッフが親御さんやお子さんに寄り添う気持ちから生まれた活動も継続して行っています。

「こんなことをしたら喜んでくれるかな」「こんなサービスがあったら、親御さんも助かるかな」そんなスタッフの気持ちを形にして届けることができているのは、ご支援くださる多くの企業さんと活動を支えてくれている寄付者の皆さんのおかげです。

すべてのこどもたちに、心に残る「体験」を届けたい

この冬、フローレンスは、経済的な困難を抱えるご家庭などにレジャーや習い事などの体験機会を届ける「こどもの体験格差解消プラットフォーム」の立ち上げを目指し、ふるさと納税型クラウドファンディングに挑戦しています。

今回のふるさと納税でご支援くださった寄付者さんからのメッセージをご紹介します。

わたしは知的障害の弟をもつ「きょうだい児」です。弟の存在のために、お金のかかる習い事や留学などを諦め、周りのこどもたちと「当然」が違いすぎることに悩み、傷つき、苦しみながら育ちました。 大人になった今でも、同じように、周りの人たちと「当然」が違いすぎることに悩み、傷つき、苦しむことがあります。そして、だからこそ、周りのこどもたちと「当然」が違いすぎることで傷つくこどもたちのために何かをしたいと強く思い、夏休みの格差をなくそうという貴団体のプロジェクトに共感し、寄付いたしました。

障害児・医療的ケア児や、そのきょうだい児も体験格差の問題を抱える当事者です。「こどもの体験格差解消プラットフォーム」では、あらゆる家庭のこどもたちが、気軽に、恒常的に、様々な体験をする機会を提供することを目指します。ふるさと納税での応援をよろしくお願いします。 

ふるさと納税で応援する

(実施期間:11月1日~12月31日)

「こどもの体験格差解消プラットフォーム」の立ち上げは、通常のご寄付でも応援していただけます。

毎月の寄付でフローレンスを応援する

今回のみの寄付でフローレンスを応援する

フローレンスの活動をSNSで発信することも、活動を推進する力になります。「こどもの体験格差解消プラットフォーム」立ち上げをご支援くださるお気持ちや、あなたのふるさと納税のアクションを、ぜひ周りの方にお知らせしてみませんか?

「#こどもの体験格差をなくそう/#寄付でフローレンスを応援」のハッシュタグをつけて、ぜひSNS等で広げていただけると嬉しいです。応援よろしくお願いします。

SNSでフローレンスを応援する




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