文京区内の児童扶養手当受給世帯や就学援助利用世帯など、経済的に困窮する子育て世帯へ2ヶ月に1回定期的に食品などをお届けする「文京区こども宅食」(実施団体:文京区こども宅食コンソーシアム)では、2024年4月2日よりふるさと納税によるクラウドファンディングを開始します。(認定NPO法人フローレンスは、文京区こども宅食のコンソーシアムメンバーです)
ふるさと納税によるクラウドファンディングはこちら
目標額は7,146万円、返礼品なしのふるさと納税でクラウドファンディングを行う
文京区こども宅食では、文京区に在住する児童扶養手当受給世帯、就学援助利用世帯など経済的に困窮している子育て世帯に食品などをお届けすることでご家庭とつながり、LINEを活用した情報配信や相談対応などもおこないながらゆるやかに見守り、必要に応じて他の社会資源につなげています。
この取組を開始した2017年は150世帯だった配送世帯数を年々増やし、現在は約800世帯にまで拡大してきました(2024年3月現在)。
配送する食品の多くは企業からの物品寄付(米・パスタなどの常温保存のできる食品、合わせ調味料、飲料、菓子など)ですが、追加の食料購入費、事業の運営資金(配送などの宅配準備費、人件費、寄付募集や活動報告にかかる広告宣伝費など)は、全国からのふるさと納税(ガバメントクラウドファンディング)を用いて集めています。
ガバメントクラウドファンディングはふるさと納税制度を活用して行われるクラウドファンディングです。自治体が抱える課題解決のためのプロジェクトを立ち上げ、そのプロジェクトに共感した方から活動資金をふるさと納税にて募る仕組みです。
文京区こども宅食のガバメントクラウドファンディングには返礼品がないため、いただいたご寄付のすべてが事業に活用されます。
2024年は7,146万円を目標にクラウドファンディングを行い、2ヶ月に1回の配送の内容の充実をはかっていきます。また、LINEを活用した情報配信や相談対応にも注力し、多面的に親子を支援します。
食品だけに限らず、体験機会の提供や、物価高騰による家計への影響を鑑みた追加支援も
2023年度は約700世帯の利用家庭に、2ヶ月に1度の定期配送を安定的に継続して行いました。
また、文京区こども宅食が提供しているのは食品だけではありません。
経済的に厳しい家庭では、主に経済的な理由で「塾へ通わせる」、「家族旅行に行く」、「スポーツ観戦をする」などといった体験機会を持てない、という調査結果(※1)があります。
経済的な状況に関わらずこどもの頃に体験の機会がもてるよう、文京区こども宅食では食品の定期配送以外に、寄付企業によるご協力のもと、体験機会の提供も行っています。
2023年度は、野球観戦へのご招待やインナー無料配布会、コンサートへの無料ご招待などを行いました。この他、ランドセルなどの学用品やぬいぐるみやおもちゃなどのプレゼント、さらにお弁当無料交換チケットの配付も実施し、ご家庭からたくさんの喜びの声が寄せられると同時に、それらの接点をきっかけにご家庭からご相談いただくことにもつながっています。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行に加え、物価高騰などによる家計への影響を鑑みて2020年から開始した追加支援は、2023年も継続し、定期便の配送に加え、数々の支援を実施しています。
2023年度に実施した追加支援
物価高騰対応の第4弾として、お米を通常より増量した「夏休み増量便」をお届けしました。
第12弾:2023年11月 追加支援
世帯ごとではなくこども1人ずつへの支援として、2022年に引き続き「図書カード千円分」をご利用家庭の全てのこどもたちへお届けしました。
3度目となる、冷凍食品を含む「冷凍便」をお届けしました。
冷凍食品のため、置き配や宅配ボックスへの配送ではなく、全世帯への手渡しを目指し配送しました。その結果手渡し率も向上し、ゆるやかな見守りを強化することができました。
第14弾:2024年3月 春の臨時便
物価高騰により生活に不安を感じている利用世帯が安心して新年度を迎えられるように、ご利用家庭の家事と家計の負担が少しでも軽減するような食品などを取り揃えました。
通年で行っている支援:高校生世帯への増量配送
お子さんの年代に合わせた支援の一環として、高校生のお子さんがいるご家庭に対し、毎回の定期配送でお米を追加で2キロ上乗せしてお届けしました。今後も継続して実施していく予定です。
※昨年度の追加支援策はこちら
※1 文京区こども宅食の対象世帯の生活実態と支援ニーズに関するアンケート【 調査結果報告書 】3-1文京区 こども宅食対象世帯の生活実態より
『物理的にも精神的にもとても支えに』利用者からのメッセージ
ご利用家庭からはこのようなメッセージをいただいています。
2ヶ月後に文京区から引っ越すことが決まっており、次の配送が最後になります。こどもが生まれてからほとんどの期間こども宅食にお世話になり、我が家の食卓をいつも支えてくださいました。また、食事の面だけでなく、奨学金や助成金の情報も、その時は当てはまらなくとも、「あぁ、こんなにも手を差し伸べてくれる場所があるんだ」といつも心の支えになっていました。
楽しい企画(企業に寄付いただいた体験の機会)にも何度か応募、参加させていただき、とても良い思い出作りができました。私だけでは連れて行けない場所にも行けました。心の底から感謝しています。
文京区に住んでいてよかったと思えることはたくさんありましたが、1番強く感じたのはこども宅食があったことかもしれません。今まで、本当にありがとうございました。
精神的にも肉体的にも金銭的にも厳しく、また想像できなかった困難もあり、私自身いっぱいいっぱいでした。こども宅食の定期的なサポートに励まされ、半年後にはこうなっていよう、その次の半年後にはこうなっていよう、と生活を送る事が出来ました。感謝ばかりです。これからは少しずつふるさと納税でこども宅食にお返しするのが目標です。
手軽に食べられる食品は時間がない私たちにとって本当に助かります。
おかげさまで家族の時間も取ることができて、会話も増えたように思います。
※いただいたご感想を一部加工して掲載しております
ふるさと納税によるクラウドファンディング概要
【文京区こども宅食】
文京区の経済的に困っている子育て家庭に2ヶ月に1度、食品などを直接配送し必要な支援につなげる取り組みです。文京区やNPOなどがコンソーシアムを形成して事業展開をしており、ふるさと納税による寄付を原資に、返礼品は用意せず、全額を事業運営に充てています。2024年4月現在、文京区内の児童扶養手当受給世帯や就学援助利用世帯など約800世帯の家庭が利用しています。2017年10月に文京区が先駆けとなってスタートしたこども宅食の取り組みは、現在全国に広がっています。
【文京区こども宅食コンソーシアム】
構成団体:文京区、一般社団法人RCF、認定NPO法人キッズドア、認定NPO法人日本ファンドレイジング協会、一般社団法人村上財団、セイノーホールディングス株式会社(ココネット)、認定NPO法人フローレンス
設立:2017年10月
事業内容:官民協働の取り組みで、文京区内の18歳以下のこどもがいる生活困窮世帯(児童扶養手当受給世帯、就学援助利用世帯など)のうち、希望する世帯に食品などを配送する。