2022/06/29
募集要項を10回読んでも何をやるのかわからずに入社した現マネージャーが語る!ナンシーサービス拡大担当のお仕事と、「こんな人と仲間になりたい!」
”医療的ケアシッターナンシー”は、看護師による医療的ケア児や障害児向けのシッターサービスです。
医療的ケアを必要とする子どもは全国で約2万人。
この数は増加傾向にあり、10年間で倍増したと言われています。そんな子どもたちですが、様々な背景から保育園や学校に通うことは難しく、親御さんは自身の就労を諦め24時間つきっきりでお子さんのケアにあたらねばならないことがほとんどです。
2019年に立ち上げたナンシーでは各家庭にナースが障害福祉の制度を利用して長時間訪問し、お子さんがケアや療育を受ける間、親御さんがほっと一息をつけたりと、充実した時間を過ごすサービスを提供しています。
そんなナンシーで「サービス拡大担当」として入社し、現在はマネージャーとして、より多くのご家庭にサービスをお届けしようと奮闘する藤井をご紹介します!
「もともと、ナンシーという事業部が立ち上がることも知らなかった」
「募集要項を見ても、いったい何をする仕事なのかイメージが湧かなかった」
というくらい「漠然」とした中で入社を決め、「まだ誰もしたことのない仕事」を暗中模索で突き進めるうちに、気づけば利用家庭がぐんと増え、自身もMGRとして事業部の中核となっていた・・・。
そんな藤井のこれまでとこれからのキャリア、仕事のやりがいについてじっくりと話を聞いてきました!
本当に親のためになる仕事とは何かを考えて
ー藤井さんはもともとどんなキャリアを積んで来たのですか?
藤井:新卒で子どもの教育系サービス業の企業に就職し、主に学習塾のフランチャイズ・直営事業の展開に携わってきました。例えば、新規出店の際には、不動産・地域住民・オープニングスタッフ・実際に通塾を検討される方々など、「人」とのやりとりが非常に多い仕事でした。
それぞれの人が大切にしていることと、その方々に伝えなければいけないことのバランスを大切にしながら、特定の職務にフォーカスせず幅広い職務分掌の中で経験を積むことができたと感じています。
やりがいもありバリバリ働いていたのですが、産育休取得後に、時間や業務内容に制約が生まれてしまい、仕事に手応えを感じられなくなってきました。また、子育て支援を謳っている会社でしたが、お子さんの通塾状況が理由で家族が悩んでいたり、親子の時間を持つことが難しくなっている場に出会うたびに、「本当に親子のためになる仕事とは何か」を考えるようにもなりました。
子育てをしている家庭がもっとのびのびと楽しく過ごせる、そんな支援ができる仕事がしたいなと思うようになったんです。それで転職を決めました。
ーなるほど・・・・それでどうしてフローレンスだったんですか?
藤井:人材紹介会社にも転職相談をしていましたが、「働きやすさと働きがい」をどちらも追求できる企業になかなか出会えませんでした。また私自身のキャリアが「営業」や「企画」のように何かに特化していたというわけではなかったので、いざ転職しようと思ったら、どのようなポジションで活躍できるのか自信がなかった、という気持ちもありました。
そこで、「こうなったら自分で探そう」と思い、色々探していたところフローレンスの「病児保育事業部」の人材育成ポジションの求人を見つけたんです。前職で、採用や育成に携わったことがあったので、これなら経験を活かせるかもと思い、応募してみました。
ただ、私が応募した時点でその求人には別の方の採用が確定してしまっていることがわかりました。そして、そこで紹介されたのがナンシーの「サービス拡大担当」の仕事だったんです。
ーえ!最初は病児保育事業部のポジションだったのですね!!てっきり障害児に熱いこだわりがあったのかと・・・。
藤井:フローレンスを見つけるきっかけになったのは「子育て支援」「障害児の子育て家庭への支援」といったキーワード検索でした。実は大学時代に障害児について学んでおり、前職でも障害のあるお子さんへの教育的な関わりがしたいと思い、入社をした経緯がありました。そのような思いもあって検索こそしていたのですが、正直、これから障害児に関連する業界に入るのは難しいと思いながらだったので、紹介されたときは意外でした。
ーということは、比較的すっとナンシーの事業内容が理解できたんですか?
藤井:それが残念ながら、イメージはなかなかできませんでした(笑)。せっかく提案してもらったポジションだったので前向きに検討したいと思ったのですが、実はそのタイミングは、まだ「ナンシー」という事業が世の中に出る直前のタイミングで、具体的な業務内容はもちろん、事業概要もあまり公にはできない、という状況でした。
インターネットのどこを見ても情報は落ちてないし、募集要項も10回くらい読み直したんですけど、結局何をやるのかピンとこなかったのが正直なところです。ただ逆に、「なんでもやるってことか」と妙に納得したことも覚えています(笑)
自分自身の経験が、「広く浅く」であることを不安にも感じていたのですが、「全方位型」と捉え直して、ナンシーでは「やれることがあるかも」という気持ちで入社を決めました。
ー実際にはどんな仕事をされてきたんですか
藤井:入社して数カ月後に横浜エリアへのサービスインがありました。事業内容を各自治体に説明したり、困りごとのヒアリングや展開後の利用家庭数の市場調査などを4ヶ月くらいやっていました。こども病院の先生や自治体へ事業説明をしに行くこともあれば、利用料の請求が滞りなくできることの確認も並行して行うなど、入社前に想像していた通り、業務は多岐に渡りました。
横浜市でもナンシーを喜んでくれる方がいるに違いない
ーそもそもなぜ横浜エリアに展開したんでしょう
藤井:とあるご家庭から「横浜市では使えないですか」という問い合わせがあったんです。「ごめんなさい、やっていません」とお断りすることもできたんですが、「なぜ横浜の方が問い合わせしようと思ったのか」もう少し詳しくお話を聞いてみたくなったんです。ちょうどタイミングよくそのエリアに住むナースが入社してきていたり、別の接点で横浜市議さんを交えて情報交換する場などがありました。
少しずつ当事者の声が集まってきて、「横浜市でもナンシーを喜んでくれる方がいるに違いない」と実感しました。本当に様々な偶然が重なって、よし、横浜に展開しよう、という結論となりました。
ーすごい展開ですね!!実際にサービス導入するにあたってはどんな工夫を?
藤井:とにかく情報が少なかったので、まずはたくさん話を聞こうと動きました。「ヒアリングしたい人リスト」を作り、毎日決めた件数をひたすら電話をかけていきました。横浜市内の全区役所の障害福祉課に電話をして、困りごとや今地域にどんな支援があるのかを聞きました。「ナンシーです」と電話しても、「ナンシーってなんですか」と何度聞かれたか分かりません(笑)
ーとにかく「話を聞いた」と。
藤井:はい、それに尽きるかなと思います。
前職においても、とにかく人と話をすることが多かったと先ほど話しましたが、どこでどんな仕事をするにしても共通していると感じています。自分たちがやりたいことを進める上では、まずは相手の話を聞くことがスタートなのかなと。
なので、ナンシーのサービスを拡大しようとたくさんの方の話を聞くことに大きな抵抗なく臨むことができました。相手の話を聞くからこそ、困り事やニーズが具体的に把握でき、利用候補のご家庭や自治体に「どんなに必要なサービスなのか」を確信をもって話せるようになった、ということも自分自身にとって大きな収穫でしたね。
すべての障害児家庭がなんにでも挑戦でき、笑って希望を描ける社会を
ーなるほど・・・。ところで現在のナンシーはどのような状況になってるのですか?
藤井:足繁く自治体や関係機関に通い、説明を行ってきた成果か、都内23区ではサービスが少しずつ認知されていると感じます。担当の方から積極的にご紹介いただき、利用していただくご家庭が増えてきたこともあり、現在、窓口の方には「営業的な」フェーズから、利用されるお子さんの成長やご家庭からのフィードバックを伝えたり、ナンシーの新たな取組みを伝えていくなど、継続したコミュニケーションをとることに推移してきています。一方、途中から展開した横浜市は、まだまだ営業が必要なフェーズです。
ー安定的にサービスが拡大してきている中、今回新たなトライをすると聞いています。
藤井:はい。ナンシーに「居宅保育」を導入しようとしているんです。それをもってより長時間お子さんをお預かりすることができますし、お子さんに対する支援の幅が広がるのでは、と思っています。
※居宅保育:保育を必要とする乳幼児の居宅において、家庭的保育者による保育を行う事業
https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11202000-Roudoukijunkyoku-Kantokuka/0000075920.pdf
ーそれはいいですね!それを今、行政にも説明しているところなのですか?
藤井:実は「居宅保育制度」の管轄部門は自治体の「保育課」なんです。これまでナンシーがアプローチしていたのは「福祉課」なのですが、自治体は「縦割り」文化が強いところなので、これまで福祉課に説明していたようなことを、改めて保育課の視点からお伝えしていくことを進めています。
フローレンスや、アニー(フローレンスが手掛ける、保護者の就労支援のための居宅訪問型障害児保育)については情報をお持ちのところが多いので、相手の情報量を見極めながら必要な情報をお届けしようと説明に明け暮れています。
ー今回募集している「サービス拡大担当」はまさにこの仕事をすることになるんですね。
藤井:そうです。ただ「居宅保育」を導入することが目的ではなく、手段の一つと捉えています。ナンシーは「すべての障害児家庭がなんにでも挑戦でき、笑って希望を描ける社会」をビジョンに掲げており、その方法は固定的ではありません。よりよいサービス展開のために、新たなアイデアを生み出していく、という姿勢が大切だと感じています。
「こんなことをやってみたい」と思ったときには、まずどんな制度が使えるかを調べる。制度に精通してくると、やりたいこととその制度を照らし合わせ実現可能性や持続可能性を検討することができます。私達が取り組んでいることは「未知のこと」が多いからこそ、どんどんと新しい知識を増やしていく姿勢が必要だなと思うのです。
ー状況に甘んじず、自らアイデアを出し、調べると・・・
藤井:そうですね。それと私は「新規事業」を拡大するというミッションの中で「自分だけで仕事はできない」という意識が根底にありました。サービスを提供した相手が喜んでくれるか、そういったことを確かめること一つとっても、医療の知識がない中では、ナースをはじめとした専門職のスタッフとのリレーションがとても大切です。
自治体に電話し、訪問し、その中で得た情報を、チームに戻って共有し、プロの視点からアドバイスをもらいながら活用する。業務推進するのは自分自身でありつつ、周囲の「巻き込み力」は不可欠だと感じます。そういった過程を経て初めて、展開エリアや内容が拡大し、利用するお子さんやそのご家庭に喜んでいただける、最終的にナースはじめスタッフと一緒に喜びあえる、ということに繋がります。
自分たちに求められている解決方法も変化し続ける
ーう~ん。そう聞くと誰にでもできる仕事ではないように感じます・・・
藤井:そんなことはないと思っています。思い返すと前職時代も、自分だけで進められることってほとんどなかったんです。高い専門性やスキル、といったものより、ヒトとヒト、情報を繋いだり調整したりする力の方が求められるかなと思います。
ー改めて今回のポジションに必要なスキルや経験ってどんなところにありますか?またどんな心持ちの方がフィットすると思いますか?
藤井:既存のものをいかに壊してよりよいものにしてきたか、を語っていただける方と働いてみたいなとも思います。
フローレンスはとにかく「変化が激しい」と言われます。ナンシーもご多分に漏れずです。昨日まで「いいね」となっていたものが、なにかをきっかけに「いや、こっちのほうがいいね」となることはよくあることですし、私達の想像の範疇を越えて、法律や制度などが変わることもあります。
正解の黄金律も絶対解もないからこそ、曖昧なことを楽しめたり価値観を固定しないで柔軟に動けたり、ということに面白みを感じることができると、ぐっとこの仕事にコミットできるのではと感じますね。
ーそれってフローレンスの仕事すべてに通じるような気もしますね・・・
藤井:そうですね!問題に対する解決策はひとつではないと思います。ナンシーの場合は「現在の親御さんのニーズに対してできることのひとつが居宅保育」と捉えています。常に課題は移り変わっていき、自分たちに求められている解決方法も変化し続ける、そんな世界かなと。そんな世界で価値発揮できそうな方にお越しいただけると嬉しいです!
フローレンスでは、社会問題や働き方など、これからもさまざまなコンテンツを発信していきます。
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