2023/11/17
たった一度の「体験」が、こどもの未来を変えることがある。#こどもの体験格差をなくそう
この冬、フローレンスは、全国のこどもたちに「体験機会」を提供する新しい仕組み「こどもの体験格差解消プラットフォーム」の立ち上げに向けて動き出しました。家庭環境にかかわらず、すべてのこどもが様々な体験や学びを通して、豊かな心と身体を育める社会を目指します。
こどもたちにとって、「体験」がなぜ必要なのでしょうか。今回は、企業との連携を担当する法人寄付チームスタッフの佐藤に話を聞きました。
フローレンスでは、こどもの「体験格差」の解消を目指し、体験が不足しがちな家庭と企業がつながるプラットフォーム「こども冒険バンク」を2024年8月1日より開始しました。
「こども冒険バンク」は、家庭の経済的状況などによって、文化鑑賞、スポーツ、習い事、旅行などの体験の機会が極端に少ない家庭に対し、プラットフォームを通じて、企業などから提供された様々な体験を無料で届ける新しい取り組みです。
フローレンスでは、このプラットフォームに「体験」を提供してくださる企業・団体を募集します。
佐藤万由花
みんなで社会変革事業部
法人寄付チーム
サブマネージャー
こんにちは。法人寄付チームの佐藤です。
わたしは法人寄付チームに所属し、フローレンスを応援してくださる企業さんと連携して、支援を必要とされる方たちに食品や物品などを届けています。お買い物やスポーツ観戦などの「体験」を提供してくださる企業さんもあり、実施後の利用者さんのアンケートから、そのような「体験」がいかにこどもたちにとって大切かを肌で感じてきました。
「体験」格差が、こどもに与える影響
「体験」の格差が、こどもに与える影響は深刻です。
大阪府が行った調査からは、経済的な理由によってこどもに「できないこと」が増えると、自己肯定感が低くなることが明らかになっています。
さらに、自己肯定感の低下は、「どうせ自分なんて」といった気持ちから学力の低下にもつながり、それが就学の差や所得の差を生みだしてしまい、ひいては貧困の連鎖に繋がる可能性もでてきてしまいます。
企業さんと連携して、「体験」を届ける
わたしがフローレンスに入社して初めて担当した「体験」提供は、アパレル企業さんの「チャリティサンプルセール」でした。「気兼ねなくお買い物を楽しんでほしい」という企業さんの想いの詰まった「体験」を、病児保育の「寄付によるひとり親支援プラン」や「こども宅食」の利用者さんに提供しました。
忙しくお仕事をされていたりすると親子で洋服を買いに行く時間がなかなか取れません。なにより食事などの必須なものがどうしても優先されてしまい、親御さんもお子さんも我慢してしまいがちです。
セールの招待ハガキを受け取ったお子さんが飛びあがって喜んでくれた、という話を聞きましたし、当日も、親子で楽しそうにお買い物をしている姿を見ることができました。
また、野球観戦のチケットをご提供いただいて、経済的に困難を抱えるご家庭を招待したときには、「初めての野球観戦で、選手のプレーを生で観ることができ、とても感動していました。野球選手になる夢を叶えるために、以前にも増して熱心に練習に打ち込んでいます」といった声もいただいています。
このような機会を提供していくなかで、我慢して辛いのはお子さんだけでなく、親御さんもこどもに対して心苦しく思っていることがわかってきました。
「体験」は、生きていくのに必須ではありません。けれど、非日常を届けることで「明日もがんばろう」と思える人が大勢いるのです。
企業さん・寄付者さんの想いを形に
残念ながら今は、提供できる人数に対して応募者数が多く、どうしても抽選になってしまうため、一部の人にしか体験を届けられていません。この抽選作業がとても辛いんです。
想い出を届けられる親子の数が増えるといいなと常に思っていますし、もっともっと幅広い「体験」が届けられるといいなと考えて、企業さんに寄付プログラムをご提案させていただいたりしています。
あるときには、衣類メーカーの企業さんに商品を提供していただき、別の企業さんにそれを配布するための会場をご提供いただいたこともあります。このように、いくつかの企業さんの想いをつないでひとつの形にするのも、わたしたちの役目です。
ある企業さんとは、フローレンスの医療的ケアシッター ナンシー(医療的ケア児向けのシッターサービス)でお預かりしているお子さんの遠足プログラムを一緒に企画していて、遠足にかかる費用をご寄付いただき、当日の付き添いは社員さんがボランティアとして担当してくれています。医療的ケア児は、ひとり親家庭とはまた別の「体験格差」を抱えています。きょうだい児もなかなか外に出られません。
ケアに追われ、家族みんなで映画を見に行く、ご飯を食べに行く、といったことができないご家族もいるので、いろんな種類、いろんな年齢のお子さん向けの「体験の機会」があると、想い出をお届けできる家族も広がると思います。
企業さん側からも、企業理念や社会貢献の指針に基づいたご提案をしてくださることもあり、皆さんの社会を良くしたいという熱い想いを形にできることを嬉しく思っています。
ご寄付があるからできること
7月12日~9月30日の約2ヶ月半、フローレンスは企業さんと連携して「#夏休み格差をなくそう プロジェクト」を実施し、経済的な理由や家庭環境によって夏休みに想い出が作れないこどもたちに、とっておきの「体験」を届ける取り組みを実施しました。最終的に約3,000世帯のこどもたちに「体験」を届けることができました。
「とても楽しかった。また行きたい!」
「こどもの嬉しそうな笑顔がたくさん見れました」
「目がキラキラと輝いていい思い出になったと思います」
喜びの声が多く寄せられた一方で、こどもたちに十分な「体験」をさせてあげることのできない親御さんからの悲痛な声も多く届きました。
「物価や光熱費費は上がり、慎ましく暮らしているのに、家賃を払うと毎月ギリギリです。お出かけはもちろん、毎日の食事も、こどもにガマンさせてばかりです。」
「ひとり親で毎日の生活を送るだけで精一杯の中、習い事もお出掛けも満足にさせてあげられない環境に親としてとても不甲斐なく、申し訳ない気持ちがありました。」
「夏休み」という一過性の体験提供ではなく、すべてのこどもたちがあたりまえに学びと体験の機会を得られるよう、さらなる取り組みが必要であることを改めて認識する機会となりました。
「体験」を届ける活動は、フローレンスの既存事業とは異なり、事業収入がありません。協力してくださる企業さんや寄付者の皆さんの想いを形にして届けていく活動です。
たった一度の体験が、こどもの未来を変えることがあります。親御さんの明日を生きる力になることがあります。
少しでも多くのご家庭に「体験」を届けていけるよう、ぜひご支援・ご協力をお願いします。
(インタビューはここまで)
ふるさと納税で「こどもの体験格差解消プラットフォーム」事業の立ち上げを応援してください!
日本のこどもたちの「体験格差」を解消するため、民間企業の皆さん、全国支援団体の皆さん、そして寄付で応援してくださる皆さんと共に、こどもたちに「体験機会」を提供する新しい仕組み「こどもの体験格差解消プラットフォーム」を立ち上げます。
この立ち上げ資金を募るため、東京都渋谷区のふるさと納税を活用したクラウドファンディングをスタートしました。寄付の受付は、2023年11月1日~12月31日の期間中に、渋谷区ふるさと納税特設サイトにて行います。
一般的なふるさと納税と同じように、ふるさと納税した金額のうち2,000円を超えた分を所得税と住民税の納税額の合計から控除可能。つまり、実質2,000円の負担でプロジェクトを応援することができます。(限度額が設定されています)。
なお、個人だけでなく、法人の皆さんもふるさと納税へお申し込みいただけます。さらに、通常の寄付とは異なる税制優遇措置が受けられます。
「こどもの体験格差解消プラットフォーム」が、「体験したい」というこどもたちの気持ちを後押しして、あらゆることに挑戦できる未来をつくり、社会全体でこどもたちの成長を見守ることのできる、優しい社会になることを願っています。ふるさと納税でフローレンスの応援をよろしくお願いします。
(実施期間:11月1日~12月31日)
フローレンスの活動は、通常のご寄付でも応援していただけます。こどもたちのために、ともに日本を変えていきませんか?
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